「昨日より熱がでまして......。大変申し訳ないのですが、本日臨時休業とさせてください。本当に申し訳ありません」

このＬＩＮＥから今日がはじまった。

今日は日曜日という名の休日。本来であるならば、行きつけの美容院（小学生の頃から通っているところだ）でカットとパーマをお願いするつもりであった。けれども、目が覚めてスマホを見ると、美容院のおばちゃんからＬＩＮＥが入っていた。新型のヘンテコなウイルスがそこら辺を横行闊歩しているこの時代。ご時世的にも仕方のないことである。

しばらくのあいだ、私は我が万年床にて、寝ぼけ眼でどうしようかしらと思いあぐねていた。いっそのこと、今日は美容院に行くのをやめて、何をするともなくぼけーっと時間を浪費しようかとも思った。しかしながら、もうかれこれ３か月美容院に行っていない。我が頭部はふさふさも極まって、まるでブラジルの密林のようである。もしくは、鳥の巣である。我慢ならない。

やっぱり、美容院に行こう。

こうしてネットサーファーとなり、別の美容院を探すことになった。すると、初回割引きでメンズカットとパーマを７千円でしてくれるところを見つけた。破格である。そのうえ、店員さんもかわいい。即決。男とはこういう生物である。

美容院までは車で１５分、歩いて１時間半。私は後者を選んだ。往復で３時間歩くことになるが、日頃の運動不足を一挙に解消するいい機会である。３時間も歩けば、およそ１か月はグータラ生活を続けても採算が取れるであろう。「運動はこまめにコツコツ継続するからこそ効果があるのだ」という正論が聴こえてくるが、丁重に無視させていただく。「継続」は、この地球上で最も私が嫌うものである。私は生まれも育ちも「怠け者」であるのだ。他人があーだこーだ言わないでいただきたい。

地元ではあるが、ついこのあいだ新居に引っ越してきたばかりなので、美容院への道はまったく馴染みがなかった。「ほえ～、こんな裏道があるのか」とふむふむ関心しながら歩みを進めた。中国自動車道の脇道が主なメインルート。高速道路を走り抜ける車がちらほら目に入った。もし轢かれたらひとたまりもないだろうなと思った。

５月の陽射しは、しゃらしゃらしていて、歩いても歩いてもまったく汗を掻かなかった。これが夏になるとギラギラしてくるのだろうか。うんざりだ。

美容院での出来事に、とくに特筆すべきことはない。かわいい店員さんにパーマをかけてもらっただけである。終始鼻の下が伸びていたことは認めよう。マスクを着けていてほんとうによかった。マスクにもさまざまな活躍劇があるというものだ。

帰り道も静かな道をのんびり歩いて帰った。途中、ちょっとした竹林に迷い込んだときは京都に瞬間移動したのかと錯覚したが、紛れもなく岡山県津山市であった。とてもがっかりした。

夜ご飯は素麺。もりもり２束湯がして、茄子と大葉とめんつゆの御汁を作って食べた。デザートはどでかいティラミス。帰りがけに寄ったスーパーマーケットで半額シールが貼ってあったので、買ってしまったのだ。まぁ、今日は３時間歩いたのでティラミスなんてゼロカロリーである（どでか過ぎて食べきれなかったので、明日の朝ごはんもティラミスにする予定）。

録画していた「千鳥の相席食堂」も観た。おおいに笑ったので、良き休日を謳歌したと言えよう。