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3年前と一番変わったことはなんだろう

(この記事は Farmnote Advent Calendar 6日目の記事です)

こんにちは、ファームノートのQ-bowです。弊社のウェアラブルデバイス「Farmnote Color」が計測する牛の活動データの分析を行っています。厳密にはQ-bowは私が作ってる牛の活動分析のアルゴリズムの総称 or ニックネームですが、自分の仕事と自分をうまく切り分けられずに一体化する現象で時々Q-bowと名乗ります。Q-bowじゃなくて、本人の自己紹介はこちらにあります。

自己紹介にも書きましたが、以前は植生調査や航空写真の解析をしていて、ファームノートに入社したのは 2015年12月7日でした。そう、今日で丸3年、一番危ないと言われる3年目の浮気を乗り越えて、明日から4年目になります。面接をしにオフィスに来たら、面接官はPCの画面の向こうにいたとか、入社初日の朝礼も画面の向こうの本社からだったとか、IT業界の流儀に驚いたのも懐かしい話です。1年経つ頃にはミーティング=リモートが染み付いて、たまに出張して対面で話をするとその情報量の多さにびっくりします。PCの向こう側の同僚と一緒に仕事をすると言うのは弊社の特徴の一つだと思いますが、それについて語るのはまた別の機会にして、今日は3年前と一番変わったことは何か考えてみたいと思います。

入社して初めて取り組んだのは牛の発情検知アルゴリズムの作成でした。Farmnote Colorの開発はすでに始まっており、牛の活動データの取得やアルゴリズムの作成も佳境というところでした。牛の発情は約21日周期で起こるため、分娩後に子宮が回復し排卵が始まった牛にセンサーを取り付けることで発情時の牛の活動データ効率的に収集することができます。が、、、思ったように発情が来なかったり、逆に予想より早く発情が来てしまったりして、開発が思い通りに進まないことがありました。牛の一日の活動パターンは給餌・搾乳の方法や頻度によっても変わるため、ある特定の環境に最適化していないかの検証が必要です。しかし、行動パターンが異なる牛がいた場合にそれが品種によるものなのか、飼養環境によるものか、個体の特性なのか区別できない...ということもありました。検証を経てようやく、酪農(ホルスタイン)を対象として Farmnote Color の販売を開始し、その後、畜産(黒毛和種)、酪農つなぎ牛舎へと適用範囲を広げて来ました。お客様が増え、適応するべき環境が多くなるというのは大変な面もありますが、Farmnote Colorのデータから酪農・畜産の飼養環境の違いや全体像が見えて来ることで開発がしやすくなる面もありました。

3年目である今年は疾病が疑われる牛にスマホ通知を送る「疾病疑い検知」の開発を行いました。疾病は発情のようにある状況の牛に周期的に起こるわけではないため、発生確率の推定が難しい上に確率も低くデータの収集に時間がかかります。一般に分娩前後の期間に病気にかかる割合が高いと言われていますが、どの個体が病気になるのかは分からなために健康な状態の牛に広くセンサーをつけておく必要があります。しかし、リリースからすでに2年を経て多くのデータが集まっていたことで疾病のように収集が難しいデータでも十分な数を集めることができました。発情検知アルゴリズムの開発経験があったため、どこに時間がかかるのか、どこが難しいポイントなのかを予測することができたのも、大きな助けになりました。

今振り返ってみると、3年前と一番変わったのはデータと開発経験の積み重ねではないかと思います。手探りで必死に迷路を進んで行ったら、いつの間にか迷路を見下ろせる丘の上に辿りついていたようです。と思って横を見ると、そこにはまた新しい迷路が広がっていたりしてね... あなたもQ-bowと一緒にこの迷路を楽しみませんか? 





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