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0523「あのチームは凄かった」

FINDERSに書いている「旅する技術屋」の新しいやつが公開された。日本のGW前にだだーっと書いていたものだが、こう、自分の文章がありすぎて辟易する中、また自分の文章か、とか思ったけど、読み返してみると、この日記なんかより余程考えて書いているので、良いことを書いているじゃないか、とか思った。この連載は唯一固いことを書けるので楽しいんだけど、ゆるい切り口だとつらいのでちゃんとユニークな切り口を見つけた上で、そこそこのボリュームを書くことにしているので、どうしても遅筆化してしまう。

小さい辛いことが多くて、昨日は本当に日記なんか書くのをやめてしまおうというところまで行っていたが、結局やめられなかった。起きてから寝るまで、波のように憂鬱が襲ってきて、寝込みたくなってくる。

今日は入っている現場の検収もあって、まあうまく行ったのだが、そういう緊張感から解放されても気分が上がらない。設営から帰ってきても「あー」とか「うー」とか言っているので見かねた妻がセロトニンをくれた。セロトニンはいい。

なんでこんなにもグダグダなのかというと、たぶんこれは、先週末休んでないからだ。今やっている設営が週末に始まったので、ずっとああだこうだやっていて、休めていないのだ。好きでやっていることではあるが、なんだかんだ緊張感を伴う仕事ではあるし、ずっと動いてしまっていると頭が疲れてしまう。

私がデジタルの制作会社に就職してしっかりと働き始めたのが29で、すぐに子供が生まれたので、週末いろいろありがちなのもあって、どんなに忙しくても週末には休む、というスタイルを守ってきた。月曜の朝出社してずっと会社で寝泊まりというか、喫煙所で毎晩気絶するような過酷なウィークデーを過ごすこともあったが、それでも必ず土曜の朝には全て終わらせて帰る、というのを大事にしていた。今週みたく設営とかイベントの本番みたいなこともあったのでそういうときは週末も仕事したが、とにかく土日は休まないとやばい。

無理矢理休むのは大事だ。「まんが道」で、手塚先生も完徹はしないって言ってた。あんなに忙しい手塚先生でもちゃんと無理矢理休んでいた。なんで休むのかというと、良い漫画を生み出すためだ。

なので、「みんなちゃんと休んだ方がいいよ」みたいな、働き方改革っぽいことを言うのは実は良くないと思っていて、大事なのは、「やるって言ったことはちゃんとやった上でちゃんと休む」だ。

これは何かつくる業界の話になるかもしれないが、ディレクターとか、プロデューサーとか、監督っぽい上流な役割をやっている人は、やることやらないで休むと、現場にそのやらなかったしわ寄せが行って迷惑をかけることになる。で、その感覚をちゃんと持っていないと、現場の人たちの脳内がよくわからないので、ちゃんと手を動かして何かつくった経験がない人が上級職とか進行管理的なものをやるのは、うまくいかないことが多いと思う。サッカー選手やったことない人はサッカーの監督は基本的にはできない。現場のノリを理解して一緒に盛り上がらないと良いものはできないからだ。

ので、私たちディレクターは、ちゃんと周りを見て自分が何か止めていないか、待たせていないか指差し確認してOKじゃなかったら休んではいけない。自分ができているかは知らないけど、それをちゃんとやらないとそのうち仕事がなくなる。ディレクターじゃなくって、仕事を発注する側のクライアントさんとかだったら、優秀な人たちが仕事してくれなくなる。そのへんはプロとしての休み方がある。

とか偉そうなことを書いているが、いまの仕事はそこそこ現場のプログラマーとしても動いているので、どちらかというとそっち視点からの愚痴だ。指揮している方面の人たちに、少しでも開発を理解している人がいればもっと褒めてもらえるのになあ、とか思ったりはする。しかし、そういうときに限って、「あのチームは凄かったな」と思ってもらえるのは、その後その人たちが別のチームとやって苦労したときだったりする。ちゃんと素晴らしい開発チームを素晴らしいと賞賛できるディレクターでいようと思う。

もう少しでちゃんと休める。ちゃんと休めばまたちゃんと日記を書けるようになるかもしれない。明日やることやったらもうしばらくずっと寝ることにする。別に、ちゃんと日記を書けるようになんかなりたくないけど。明るく前向きな人間になりたい。

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