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0318「神宮外苑の事故について」

これは、たまに思い出さないといけないことなので、ちゃんと書く他ないが、2016年のTOKYO DESIGN WEEKの木のジャングルジムの火災で5歳の男の子が亡くなった事故の関係者が書類送検されたそうだ。ニュース記事には、ジャングルジムの写真が載っているからリンクは載せない。誰かが言っていたが、あのジャングルジムは、人が亡くなった現場の写真だ。軽々しく見るようなものではない。

この事故が発生したのは2016年の11月6日だ。この日はうちの結婚記念日でもある。ゆえに、ここ2年、結婚記念日が来るたびに、同時にこの事故を思い出して辛くなる。

しかし、私たちのような、体験装置やインスタレーションをつくる者、あるいは体験を通して何かを表現したり伝えたりするような類の人間は、折に触れてこの事故を思い出して辛くなり、暗澹たる気持ちになるべきだ。

この事故について軽々しいことを言ってはいけないが、この事故は、そういうものづくりを行っている人々すべてが、自分のこととして反省すべき事故だ。

いろんな悲惨な事故や事件がある。自分が住んでいるアメリカにもある。しかし、私にとってはこの事故だけは、自分自身の責任を感じるものだった。私を含めて、体験をつくっている人間がそこまでに積み上げてきた「ユルさ」や「浅慮さ」が最悪の結果を招いたのがこの事故だと思った。自分を含めた体験のつくり手が行ってきた「これでいいじゃん」「大丈夫大丈夫」という判断の連続が、この展示のユルさを許容して、許容させてしまった。

だから、その2週間後、日本に出張した際に、真っ先に現場に向かい、花を供え、手を合わさせて頂いた。

これは、文字通り、「二度と起こしてはいけない、起こってはいけない事故」だ。

私は本来、この件に関しては、主催者サイドなり業界団体なりが折に触れて、11月6日の事故の日なりに、業界内外に向けて然るべき形でリマインドを行うべきだと思っている。規模は違うかもしれない。もっと多くの方々が亡くなっている。しかしこの事故は、どう考えても私たち体験を通して何かを表現する人間にとって、災害や戦争以上に、定期的に「自分たちの事故」として省みるべき事故だ。主催者だけでなく、当時このイベントに理事とか顧問的に参画していた業界人なり知識人なりが多くいる。私の知り合いにもいる。私の知る限り、そういった人々は事故の翌日なりにコメントを出したのみで、その後何か具体的なアクションをしている人はいない。何なら毎年の11月6日も楽しそうな投稿をポストしている。

しかし私だっておんなじだ。人間、辛いことからは目を背けたい。私も今日みたいに、ニュースにならなければ忘れていた。しかし、男の子のご家族にとっては、この2年半は、一日も事故のことを忘れることのない後悔と自責の日々だったことは間違いない。そのことを考えると、「胸が締め付けられる」という以外の表現ができない。

以前主催したイベント(DemoDay.Tokyo)に出て頂いた鈴木智子さんは、事件から1年後に、この事故のことを周囲にリマインドしてくれている。折に触れてこのようにアラートを出すことはとても大事なことのように思える。

法的に一区切りがついた段階ではあるかもしれない。しかし、この先も裁判があるだろうし、世の中が事故を忘れても、男の子のご家族の辛い日々はいつまでも続く。そしてこの事故が残した教訓も残り続けなくてはならない。

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追記:下記のような実効性のある記事を見つけたので貼っておきます。


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