見出し画像

0619「我が青春の6月のカンヌ」

私の場合、この時期になるとソーシャルメディアのタイムラインがカンヌライオンズでいっぱいになる。今週はカンヌ国際クリエイティビティーフェスティバルという、広告賞を含んだ催し物が、フランスのカンヌで行われているのだ。で、私のソーシャルつながりにはそれに行っている人が多くて、それの話題が盛り上がっているということだ。

出品料がすごく高いのと、カンヌ向けのもの(賞を獲りそうなものと、そうでもないものというのがあって、そうでもないものにも良いものはたくさんある)をまあ、つくってないのとで、もうしばらく出品していないので、余程のことがないと行く理由がない。前回は審査員として呼んでもらった3年前で、その2年前にも審査員をやっている。その前くらいまでは毎年行っていた。

私は結構この広告賞のあり方をメディアとかで批判しているので、カンヌ嫌いと思われているかもしれないが、それはとんでもない誤解で、この広告賞は大好きだ。実際、世界中のいろんなアイデアやつくったものが集まって、みんなでああだこうだ言って盛り上がるというのは本当に素晴らしい。そういう意味で世界の舞台ではあるので、そういう場所で表彰されるのはとても誇らしいことだ。実際、そこで表彰されるのはすごいことだと思う。毎年この時期になるとドキドキして、結果を見て一喜一憂して、なんていう日々は、ある種の青春だったとも言える。

私がちょこちょこカンヌ批判をしていたのは、完全に愛すればこそで、そんな素敵な催し物であるカンヌが、ズルとか嘘とか金儲けとかが横行した末に自家中毒的に価値を落としていた状態を憂えていたからで、総じて言うととても素敵なイベントなのだと思う。あと、審査員とかやっている限り、運営する側として業界の未来に対して責任を取らないといけないので、厳しい目でカンヌを見るべきなのだと思っていた。

で、自分が回しているビジネスの形も変わったのでカンヌ批判おじさんからも引退しているし、そういう固い話は抜きにして、総じて思うのは、「いいなー。あったかそうだし、南仏行きてえなー。」ということだ。この時期のカンヌは、リゾート地として最高だ。ニューヨークは今年は異常気象で、梅雨なんか無かったのに梅雨みたくなっている。超カンヌ行きたい。

カンヌ国際クリエイティビティーフェスティバルは、もはや広告賞ではなくて、プロダクトデザインとかなんやかんやいろいろ表彰する賞になっている。展示物とか催し物とか含めて、私らのようなテクニカルの人間が行きたくなるようなイベントになってくれたら暖かいし喜んで行きたいのだが、なかなかそういうふうになってはくれない、というか今のところ、カンヌ行くのなら全然他の何かに行ったほうが良いので、いつの日か魅力的でためになる形でテクノロジーを扱うイベントになってくれると良いなと思う。そしたらまた我が青春の6月のカンヌに帰ることができるのだ。

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!