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ボカコレ2023夏について~部外者になってみて見えてきたこと~

久しぶりにエッセイ以外のことを書いてみようと思います。

一応、DTMerを名乗っているし、ボカロPをしていた過去もあるので、ちょうど今開催しているボカコレについて書くことも、一つのけじめとしていいんじゃないかなと思いました、というのは共産党もびっくりなほど真っ赤な嘘です。

あっつい夏の午後、noteでエッセイでも書くか! と思ったんですが、特段のネタがなかったので、消極的に取り上げました。

タイトルだけそれっぽく書いたんですが、今のところ見えてきたことなど何も思いつきません。完全に釣りですねこれは。

書いているうちに思いつくかもしれないという期待値だけでやりぬく心積もりです。


さて、ボカコレですが、とりあえず言えるのは、出てないと気楽です。普通の土日です。なんなら夏休み期間なので、普段よりリアルで浮かれている土日です。もともと出てたときも気楽にやってた側の人間でしたが、さらなり、です。

以上。

……さすがにそっけなさすぎるので、比較考察をしてみたいと思います。

参加していた時の気持ち

ワタシが参加したのは、2022春と秋、2023春の三回です。
全て異なる気持ちで臨んでいます。

2022春

初回はよくわからなかったので、お祭り気分満載でとりあえず出しとけ! で乗り込みました。みんなでいっぱい曲を出し合って聴きあって。知り合いもたくさんできて。おお、楽しいなぁ! とてもポジティブな印象で、次回も絶対参加しようと思いました。

気持ちに変化が訪れたのは2022秋の開催少し前から。

2022秋

一部の参加者が「事前リスト」というものを作成しました。「手を挙げれば聞いてあげますよ」というものです。表立っての意味合いも上からな感じがしてちょっと嫌だったんですが、暗に「聴いてあげるから自分のも聴いてよね」という心があるんじゃないかと疑ってしまい(※天邪鬼な小豆沢の個人的な受け止め方です。本心は知りません)、まあ、とにかく嫌で嫌で仕方がなかったんです。

ワタシの気持ちと世界というのは全く関係ないもので、「事前リスト」というものは、燎原の火のごとく、あれよあれよという間に一大ムーブメントとなってしまいました。

ワタシはしばしTwitterから離脱しました。見たくなかったから。当日付近で復帰し、ボカコレに参加しました。

ボカコレ最中、バンドサウンドを作る人と仲良くなりたいなと思い、そういう主旨で募集しました。「バンドサウンドな曲を教えてください!」という感じで。

すると、来るわ来るわ全く違うジャンルの曲の自薦。

この辺りで、当該イベントに対する興味や熱意を失いました。
ワタシが思い描いていたのは2022春のような楽しいお祭りであって、知らん人の承認欲求を満たすボランティアをすることではありません。
※もちろん2022春でも同じような状態だったのかもしれません。初回でよくわかってなかったから気づいてなかっただけかもしれないので。

ただ、やってみたかったことがあったので、あと一回だけ出ようと決めました。

2023春

ここでの試行は以前ノートに書いたと思うので、詳細には書きませんが、Twitterの戦いがかなり影響しているんじゃないかと思ったので、曲を出すことを事前に言いませんでした。ニコニコ動画にはちゃんとアップしておいて、開催してしばらくたってからTwitter上で「出してますよ」と言ってみるということをやりました。結果としては、Twitterの力はやはり大きくて、言った後からは結構視聴回数が増えました。
ワタシが確かめたかったのは、結局のところ、ボカロP同士の聴きあいになってるんじゃないかということです。
純粋なリスナが大量にいるのなら、Twitter上で言おうが言うまいが聴かれ方はさほど変わらないはずではないかと。

ここまで三回。

出場し、実験したり観察したりして考察したことをまとめると以下のようになります。

・大前提として一つ。普段から真摯に活動し、ファンを持っている人は当たり前のようにたくさん聴かれるし、結果もついてくる。ランキングの戦いをするにしても、こういう戦いだと気持ちいい(この一文は個人の感想)。
・観察した限りでは、ボカコレで得た順位によるシンデレラストーリィはない。ボカコレで10位になりました! その後爆発的に知名度があがって……というのはなさそうということです。どちらかというと逆で、普段の行動の結果として順位がある。ボカコレだけ頑張ると「アンチ」を生む可能性すらある(ワタシの想像ではなく、それっぽい事例を見聞きしてます)。
・ボカコレによる分断が生まれている。お祭派と登竜門派。主催者の態度は「お祭りですよ」といいつつランキングで競争心を煽るという、極めて曖昧模糊なものであるため、企業的な作戦だと思われる。ニコニコの再生数はお金で買えてしまうため、ランキングをあげるため、かなりの額を投資している人がいる。

個人的には、どう転んでもプロモータが得をするあまり好ましくないイベントだなと思ってます。お祭りなのか登竜門なのか、どちらかに振り切ってほしい。2023夏は、ネタ枠を分けましたが、全体の構造は変わってません。むしろ、余計に射幸心をあおっているのではないでしょうか? 前回まではネタ曲が邪魔をして俺の曲のランキングが上がらへんかったけど、今回は大丈夫や! よし! 山ほど広告打ったるで! みたいな。

登竜門派は戦々恐々ナイーブかつセンシティブ、その上散財までするノイローゼ気味なイベントになってますが、お祭り派の方々は、頭からしっぽまですごく楽しんでいるイベントです。ワタシももともとお祭り派なので、あまり気にしなければいいだけなんですが、こういうグレィな構造がどうにも気に障るタチでして、なんかこう、許せないんですね。最終的にどうとでも言い逃れできる国会答弁みたいな構造が。

ワタシは本屋大賞が嫌いです。全国の書店員が売りたい本? 何様だ! どんだけの審美眼があるつもりなんだ! 書店員は全員芥川賞の一次選考でも通ってるとでもいうのか! お前らの売りたい本なんぞ知らん! ワタシは自分が読みたい本を読む(もちろん図書館で借りるか文庫で買う)!

よくわかりませんが、ワタシ的には同質なものに思えるのです。

参加していない今の気持ち

2023夏

今回は友人のサポートをしました。人としてとても信頼しているし、音楽的センスにも惚れています。
ワタシが人の曲を聴くときには、歌詞の世界観や、音楽的に新しい1ページを開いているか、というところを見ています。
例えばですが、1-6-4-5の循環コードで作られたミドルテンポのロックがあったとしたら、それはあんまりおもしろいと思わない。それなら同じ1-6-4-5のStand By Meを聴きます。みたいな感じでしょうか。ちょっと言葉にしにくいですけど、ここ新しい! ていう感覚が欲しい。
友人の曲はいつでも新しい挑戦があってワクワクできます。

一人でも多く聴いてくれればいいなぁと思って、他薦を受け付けますというツイートを見つけて、おススメしています。

需要に対して供給する。

これはとても気持ち的に楽です。

自薦はとってもつらい。数回だけしたことがありますが、嫌になって辞めました。

自薦の難しさは、自曲なんだから自分が好きなのは当たり前というところです。他の人がどう感じているかに対して、一切の保証がない。

他薦だと、人が作った曲なのに、自分は感銘を受けている。ということは他人に対して感受性を呼び起こす普遍性があるといえますよね。
だから、自薦よりも自信をもって薦めれます。

さらに輪をかけて楽なのが、参加しているからには人の曲を聴かなければならないのではないだろうか? という強迫観念が一切ないということです。
実際、全然聴いてません。

リプライをくれれば聴きますよというポストをしましたが、ほとんど反応がありませんでしたので(リプライをいただいたお二方の曲はちゃんと聴きました)。
※リプライいただければホントにちゃんと、一音もらさずといった感じで聴きますよ! ただ、人徳か人の心か何かわからないけど、その何かがあまりに無さ過ぎて誰も相手にしてくれてないだけです。

なんというか、推し活をしてる人の気持ちが分かった気がします。

まだ、期間は続いていますが、ときどき覗いて他薦を募集してる方に突撃するぐらいの関わり具合で気持ちよく終えたいと思います。


思いがけず長くなったな。

というわけで、見えてきたことは一つ。

推し活は楽しいかもしれない。

ということです。

以上。

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