鳥のカタログ
ここのところ、コロナウイルス蔓延でプールに泳ぎに行けないので、毎日散歩をしている。
川辺に咲く桜の木のそばを通りがかったところ、メジロが賑やかに鳴いていた。
メジロというのはなんともいえない素敵な黄緑色をしていて、桜の桃色とよく似合う。
それをきっかけに、鳥のことがすごく気になりだした。図書館で野鳥の本を借りて、目を光らせながら散歩をするようになった。
カラス、スズメ、ハト、これはすぐに認識できる。けれどももっと目を凝らしてみると、意外と他の種類の鳥もいる。
ハクセキレイ、ツバメにモズ。カラスにも種類があってハシブトガラスとハシボソガラスがいる。ハクセキレイは足早にアスファルトを走り、ツバメは貯水池の水面すれすれをつがいで飛んでいる。
なかでも、モズ。野鳥の本を読んで、「はやにえ」という言葉を初めて知った。
以前からずっと気味悪く思っていたことがあった。
というのは、庭に生えている萩の木の枝にときどき、バッタやカエル、カナヘビやハツカネズミ(!)の死骸が刺さっていることがあった。なんて残虐なと思っていたところ、これが、モズのしわざと判明。
獲物を枝に突き刺して食べるというのだ。人間にとってはさしずめ焼き鳥みたいなもの。
なんだか、すましこんで散歩している場合でもない気がしてくる。
焼き鳥ってはやにえだったんだと思い始めると、落ち着きが悪くなってくる。
『鳥のカタログ』という曲集を作曲したのは、フランスの作曲家オリヴィエ・メシアン。鳴き声を曲として再現。その気持ち、めちゃくちゃわかる。
だって、鳩の、「ホホー、ホッホホー」という鳴き声なんて、唯一無二の音楽じゃん、忘れたくても忘れられないメロディじゃん。
ためしに、神社にいた2羽の鳩にむかって鳴き声を真似してみたら、もののみごとに逃げていった。
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