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ダイヤモンド

関ジャムのBUMP OF CHICKEN特集見ました。

天体観測を最初にスカパーの音楽ランキングでPVを見たとき、こんな音楽があることを初めて知りました。
小学生でした。

土日にスカパーの音楽チャンネルをラジオ替わりに流している家でした。

天体観測のイントロが聞こえたら、階段を駆け下りて、テレビの前のちゃぶ台に腰かけて一曲聞いていました。

その頃、父の転勤が決まってついていくことになりました。
自分がずっと居ると疑わなかった環境から、ある日突然離れることが決まり、それまで短い人生だとしても、漠然としたお別れや誰も知らない土地へ生きることへ恐怖を感じていました。誰にも言えない形のない孤独を感じる中で、天体観測は私にとって希望とあきらめを励ます歌でした。

少ないお小遣いでシングルを買い、スカパーでBUMP特集で過去の歌のPVを見ました。

天体観測から始まって、ダイヤモンドが最後に流れました。

モノクロの荒れた原っぱで一人で歌い始める藤君。
少しずつ現れるメンバー。
むき出しでとんがってて、はだしで、見た目なんて気にしてなくて(実際はしてるのかもしれないけど)、素のままで傷ついても汚れていてもそのままで。

すりむいた傷をちゃんと見るんだ、の一言が、強くて悲しくてうれしくて泣きました。
救われたというのとも違う、その言葉を待っていた、というか知っていた気持ちを持っていたことに気づいたというか。

その頃勇気付けられた気持ちを言葉にするのは難しくて、大人になっても言葉より感情が先に浮かび、一瞬で12歳に戻ります。

ここが良いんですと歌詞の一部を抜粋できません。この歌詞全文でひとつのメッセージです。
中学生になってからBUMPが好きと言い、初期のFlame veinを友人に貸しまくって布教し、学校で絵葉書をパソコンのペイントで作ってみようという授業ではバンプへのファンレターを出すのだ!と思い、「DEAR.BUMP OF CHEKEN」と書いていて、後から気付いて自分のファン度がまだまだだとショックを受けたりしました。

高校生の時初めてバンプが好きな人に出会いました。
その人は私よりもおそらくバンプに救いや人生の指標を見出していました。私がダイヤモンドの歌をお守りにしていた時期があるように、彼もそういう時期にいた事は少しあとになってから分かりました。

その人と付き合いも長くなり、ある日、ダイヤモンドが一番好きな曲なのだと言いました。そうしたら彼はへえ、と言った後で曲を再生し、少し考えた後で、「だから君は強いのか」と言われました。

素敵な職業名を名乗れるような、成功した何者かでは今のところありませんが、生きてきた人生を肯定されているように感じました。バンプ自身もバンプの歌も総じて、そういう姿勢なのだと思います。

あの時から、ずっと歌ってくれて、メッセージを発信し続けていてくれることを、ただ、感謝したいです。


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