見出し画像

差別化ってどうやるの?【聞き手 コミュニケーションデザイナー アズマ】

Voicy No.0221 2022年9月28日放送 
本文を音声で聴きたい方はこちら



コミュニケーションデザインとは。


コテツ 今日はコミュニーションデザイナーのアズマヤスオさんに
聞き手としてお越しいただいています。



アズマ よろしくお願いします。

コテツ アズマさんのお仕事は?

アズマ コミュニケーションデザイナーです。コミュニケーションはスキル、傾聴、質問の方法という「やり方」にフォーカスされがちですが、実は「やり方」ではなくて「あり方」のほうが圧倒的に重要で、「あり方」を通して特に人間関係をデザインしています。

人生の質は人間関係で全部決まると思っているし、人生における障害ってコミュニケーションデザインが変われば全てうまくいくと思っているので、コミュニケーションとか人間関係をリ・デザインするという仕事をしております。

コテツ いまは企業系のワークショップや研修で、企業と組織全体のコミュニケーションデザインを変えたり、個人向けだとたき火セッションをされていたりしますよね。

アズマ そうです。湘南に住んでいるので、湘南海岸でたき火を囲みながらセッションもしています。法人向けにはレゴを使い、個人向けにはたき火を使う。

コテツ 確かにコミュニケーションで正直、人生の質も変わるし、問題解決もコミュニケーションで、となりますよね。

他と同じようなことをしない。



コテツ 今日のテーマは差別化ですが。

アズマ 僕は一般的なコーチング的なこともしていますが、世の中には相談業として、コーチとかコンサルとかカウンセリングの人がたくさんいます。
「自分はコーチです」と自己紹介したときに、「あなたはコーチなんですね」となり、相手の頭の中には、その他大勢のコーチと一緒にカテゴライズされてしまいます。

そんな中で「アズマさんは、ほかのコーチとは全く違う」という印象を持ってもらわないと、一生お仕事はもらえない。

要は他のコーチ、カウンセラー、コンサルタントとどう違うのか。マーケティングでいうポジショニングがとても重要だと思っていますが、率直にそれはどう考えたらいいですか。

コテツ そうなんです。アズマさんは最初、会社を出て先に個人向けコーチングをやったんですね。

アズマ はい。

コテツ ここに大きな誤解というか勘違いがある。仕事を始めた人は、大手というか、うまくいっている業界のトップランナーと同じことができるようになると、すごくやれた気になるんですが、これは謎現象だと思います。
よくよく進んでいったら、それがいちばんきつい道じゃないですか。

アズマ 競合がすごくでかいわけで。

コテツ 業界のトップランナーとか、いちばんお金を使っているところが、仮にコーチングという同じ名前で入っていったら駄目。
まさにコーチング、美容師、パーソナルトレーナーというのは、競合しかいないぐらいなので。

差別化はいくつかの段階でできるので、いっぺんにやってもいいし、どこかだけやってもいい。
最初は捉え方がよくわからないけれども一番効果があるのは、自分の概念(スタンス・主張・メッセージ)が全く同業と思わしきところと違うのは、めちゃ強いと思います。

アズマ なるほど。同業が言わないことを言う。

コテツ 業種・業界における常識を完全否定する。例えばコーチングなら、相談者の話を聞くわけです。
それを例えば「僕のコーチングは聞かないので」みたいなのはめちゃくちゃな理論ですが、例えば相手が思い込んでいるのを「そのとおりです」と言った時点で、あとは見積もり勝負になる。

実績キャリア勝負になると個人事業主や中小企業は勝てないので、アンチテーゼポジションで「こんなことを、こんなふうにやっていてもしょうがないよね」というぐらいでないと、差別化できません。

しかし、その思想のところで完全に差別化できると、体を鍛える領域ならライザップみたいな現象が起こる。
10年前スポーツジムは月額1万~2万円払って、ずっと通うものだった。けれどもライザップが出たら、2カ月か3カ月の短期勝負でダメだったら返金というのは、めちゃくちゃアンチテーゼですよね。

アズマ これまで、ああいう考え方はなかったですよね。

コテツ そういう今までと全く違う思想的なもので差別化すのが1個。それともう一個が、プロダクトがあったときにプロダクト自体ではなくて、それを提供するシチュエーションを変えること。
何かと一緒にかけ算するとか、アズマさんがやっている「たき火セッション」がそう。

あれも、たき火に向かって喋っていればいいのですものね。

アズマ そうです。

コテツ 別にアズマさんの目を見てしゃべるのではなく。

アズマ むしろ、しゃべらなくても、「火を見ていてください」ぐらいでも自分で内省化しますから。

コテツ キャンプファイヤーを見ていると気分が変わりますから。

アズマ 人間は不思議なもので、火の前で争いは起きないです。

コテツ たき火セッションもそうですが、コーチングの理屈をこねられたところで素人には見分けがつかないし、それで押してくる人がいっぱいいます。
「何とか式の何とか」という理屈を言いますが、商品自体はスマホで疑似体験できるものが非常に多い。

差別化って、今スマホでできないところにしかないと思っていて。自分もVoicyで皆さまに情報を届けている者として、こんなことを言うのは変ですが、ノウハウって珍しくも何ともないわけ。

リアルな生なものをどうするか。自分が空いている時間とか休みの日に現場に行くことに意味があると思っていて、自分が理論をしゃべり始めたら、メンタリストDaiGoさんのように論文勝負になってくる。
「何とか大学の研究によれば」とか「人間は何とかを認知するのに何回見たらどうだ」とかとなる。

昔はそれが強かったのが今は真逆で、スマホでできないリアルな場をどう設定するか。それはシチュエーションでもいいと思うんです。
料理を食べるにしても、料理(プロダクト)自体はそれほど違わなくても、そのシチュエーションが違うという。

アズマ 思想で差別化するかシチュエーションで差別化するか、2つの方向がある。僕でいうと「湘南に住んでいる」という環境もリソースだし、その環境をうまいこと商品に転換できた例だと思う。

アズマ 多くの人はシチュエーションや思想で差別化しようと思っても、なかなか自分では探しにくいかもしれません。そういうときはどうすればいいですか。

コテツ 差別化の1個手前で「自分はこういう仕事だ」という固定概念が強すぎて。「こういうものです」みたいなのはなんでと思って。
自分が差別化の最大の反対者じゃないかと、いろいろな相談に乗っていて思います。自分自身もそうだけど。

アズマ 自分の想像の域を出なくなっている。

コテツ 最初は真剣に仕事をしようとして独立なり起業なりをして、そこで学んでしまうから、前例を完全に頭にインプットして「こういうものなんですよ」みたいになる。

アズマ めちゃめちゃありました。「先輩コーチがそうしていたから」とか。

コテツ いいカフェでとか、スーツはオーダーでとか。先輩たちに「この業種はこうだ」と言われたらそうだったけれども、今はまきを持っていってやっているわけだから、完全に逸脱していますよね。

アズマ むしろ、みずから進んで「その他大勢」の中に入っていっていた。

コテツ 起業や独立した人が、なぜかわからないけれども、みんなと同じ事をやりたがる。
みんなと同じようなLPができて同じような仕事ができたらうれしくなるという謎の病気みたいなものがあるから、まずいですよね。

(次回に続きます)

本文は
コテツがVoicyの「ブランディングと商売の話」で語った内容を
文章化し加筆したものです。
Voicyアプリをダウンロードして『コテツ』で検索、無料で聴けます。
本文を音声で聴きたい方はこちら

久々野智小哲津
二十数年にわたり、のべ7社ほど(8社目準備中)会社を経営。ITの会社を大きく成長させた後、新規事業でさまざまな事業を立ち上げ、フランス、イタリアを中心にヨーロッパからブランドを日本に持ってきたことをきっかけに、ブランドづくりができるようになった。
海外ブランドの日本進出や、日本国内の会社、サービス、商品、人(タレントさん、議員さん、スポーツ選手など)のブランドプロデュースにも関わっている。
Instagram https://instagram.com/q.kotetsu/?hl=ja
X(Twitter) https://twitter.com/kotetuq
公式LINE https://onl.la/khJ6hfU

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?