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自分のラボを作り放題という贅沢

私は静岡市を流れる安倍川の上流でロックバランシングをしています。晴れた日はお昼休みにほとんど毎日のように積んでいますので、かなりの作品数になりました。
作品を見たい方はインスタグラムをどうぞ。> https://www.instagram.com/koboq/

いつも同じ場所で積んでいるのではなく、その日の事情や気分によって積む場所を変えています。そのうち、河原の中に自分のラボともアトリエとも言える場所が複数できてきました。「はて? 河原にそんなもの勝手に作れるわけがない」と思うかもしれません。ところが作れるのです。ロックバランシングの場合は。
ラボといっても屋根も壁も窓も囲いも何もありません。あるのは石だけ。周囲の河原との違いを判別するとすれば、大きな石の上に石がいくつか乗っている場所ということになります。大きな石は作品を積むための土台。そしてその上や周囲の地面に転がっているのが作品の素材となる石です。
河原には無数の石がありますが、ロックバランシングをやる時に、自分の好みの石、使い勝手の良い石、とてもユニークな形の石を探すのには時間がかかります。そこであらかじめそうした石を集めて、土台にする大きな石の上や周りにおいておくのです。こうした場所がラボないしアトリエというわけです。
今や、そのラボも7か所以上になろうとしています。写真は最近できた「第6久作ラボ」ですが、普通の人には何が何やらわからないでしょう。もともと無数にある石のうち、一人の人間が使いたい石を集めてきて置いてあるだけですから、自然に対してダメージや、景観のマイナスインパクトを与えることはありません。だから作り放題にラボが作れるのです。ちなみに作品自体は写真を撮った後に崩します。
いくらでも作れるラボ。「お金もかけずになんという贅沢ができているんだ」とうれしくなってきます。
問題は、大雨が降ったとき、川の水量が増して、ラボにたどり着けなくなること。最悪の場合はせっかく集めた石が流されてしまうこともあります。それは残念なことですが、自分の懐が痛むわけでもなく、大雨によって新しい石が運ばれてきており、一からラボをリニューアルする楽しさもあるのです。
河原にラボを作る。おススメです。

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