DroidKaigi 2019 での登壇とそれまでの道のりを振り返る

DroidKaigi初参加で登壇させていただきました。その振り返りをしたいと思います。エモ語りな記事です。

参加者目線での感想、登壇したセッションの補足記事は以下にあげました。最高のカンファレンスでした。スタッフのみなさまには本当に感謝しています。

CFP通過まで

いまの会社に入ってから3年くらいですが、その間ずっと、マイクロサービスを中心としたアーキテクチャについて考えては学ぶを繰り返してきています。特に、マイクロサービスの真価を発揮するためにはフロントエンドまでひっくるめてアーキテクチャを考える必要がある、というのを強く感じていて、この登壇のテーマになったBFFについても入社からずっと考えて試行錯誤したりしていました。特に2018年は実際にKotlin BFFの実装を始めたこともあり、自分の中でもホットな話題になっていました。そんな中でDroidKaigiのCFPが始まり、これは行くしかないだろう!と思って、すぐに勢いでCFPを書き上げました。

とはいえ優柔不断なので最終日まで寝かせながらチマチマ変更して...とやって結果最終日ギリギリに提出しました。

その後、嬉しいことにCFP通過の通知をいただきました。このころはひたすら、最高の登壇をするためになにができるかを考えていた記憶があります。

挫折と方向転換

残念ながら、この時思った「最高の登壇」にするためのピースを揃えることはできませんでした。

一つは、僕の推進力不足を含めた社内の問題により、BFFの開発そのものが停滞したことです。これはセッションの最後の方にも触れました。もっといろんなパターンを実装して、パフォーマンス測定を測定して、すごく意義のあるプロジェクトにしてそれを発表する、というベストな状態には、到達することができませんでした。

さらに良くないことに、これも個人的な問題によるものですが、登壇などの社外的活動への自信を大きく無くしてしまう出来事があり、年末から年明けてしばらくは完全に心が折れていました。本当は、お正月の期間にAndroidめっちゃ勉強して実装もして、晴れてAndroid見習いエンジニアとして参加するはずだったのですが・・・。まあそんな不調な状態が長く続いてしまい、CFP通過時はあんなに最高の登壇をセルフイメージ出来ていたのに、正月明け(本番1ヶ月前)にはまるで何も湧いてこない状況まで成り下がってしまいました。

そんななかなか難しい状況だったのですが、救いだったのは、準備のためにかなり会社の時間を使わせてもらえたことで、牛歩ながらなんとかちょっとずつ形を進めることはできました。大きなカンファレンスでの登壇ということで、いろいろ融通したり応援してくれた会社の仲間には、本当に感謝したいなと思います。「最高の登壇」は難しいものの、なんとかして良い登壇にしなければという責任感から、少しずつ事例を作ったり、話す内容を集めたりを繰り返していました。

モチベーションの回復

本番2日前に社内でリハーサルをしてもらいました。話の流れは作っていたものの、実際の資料作成の進捗は10%くらいで(リハーサルと言えない有様)、皆に一様に残作業の量を心配されましたが、ここでいろいろ有意義なフィードバックをもらったことで、内容の肉付けと取捨選択ができました。ようやくゴールが見えた手応えがありました。

またその夜には、スピーカーが集まる懇親会がありました。Androidのコミュニティにはほぼ知り合いが居ないので、同じく登壇する同僚の @neonankiti についていこうと思ってたんですが、、、

もっとも、彼はこの1ヶ月くらい本当にタフな状況を過ごしていたので、僕とは全然状況が違います。とはいってもおそらく僕のほうがもっと進捗が良くないのですが。

ボッチは辛いですが、せっかくの機会を逃したくはありません。そういえば、もしかしたらスタッフの方もいらっしゃるのでは?と思い、望みをつなぐため、元同僚たちに久しぶりに連絡してみると...


やったーボッチ回避確定だ!!!ということで、ありがたく参加させていただくことにしました。

迷言を残して、西新宿へ。おかげで無事に、知り合いがいる懇親会に参加することができました。

さて、後から振り返ってみると、この懇親会に参加できて本当に良かったと思います。やっぱり、人と会うのはすごく原動力になります。元同僚の @sasamihoo や @callipan は一緒に仕事をしていたときはもちろん会社では話すけれど、Androidコミュニティで話したのは初めてでした(僕がAndroidコミュニティに初めて行ったのだから当然です)。彼らがAndroidコミュニティで活躍しているのは当時から知っていたけれど、職場を離れてもこうやって彼らが活躍している場所で会って話せるのは、とても嬉しいことでした。また、おかげで @muumuumuumuu さんや @kikuchy さんをはじめ、Androidコミュニティのエンジニア達とお話する機会をたくさんもらえました。また、(登壇者の集まりというバイアスはあるものの、)BFFという存在の認知度や注目度がとても高いことに驚き、トークのイメージを作ることにも繋がりました。

この会のおかげでモチベーションが最高になって、ここにきてようやく、登壇に向けた自分の状態を作り上げることが出来たと感じました。この時点で登壇まであと1.5日。残りはイメージを具現化して資料に落とし込む作業を進めていきました。

その1日後、本番前日夜の状態はこんな感じ。

この見積もりは妙に正確で、途中2時間寝落ちした後にam8くらいにだいたい完成しました。

登壇直前

開会式には参加したものの、眠いのと準備ができてないのとで、残念ながら午前は他の方のセッションを聴く余裕はなく、イメージトレーニングをしたり、小ネタをはさんだりしていきました。

作ったトークと資料の内容は、なにか聴き手に明確に伝えたいことがあるという内容ではなくて、BFFをやってきた周辺全般のことを盛り込んである、という感じでした。ここがどうしても最後まで解決できなかった課題で、「最高の登壇」にできなかった所以でもあります。実際に準備の段階で同僚氏に「一番伝えたいことはなんですかね?」って聞かれて、うまくバシッと答えられなかったりしたんですよね。

だから、トークとしてはざっくばらん、アラカルトみたいな内容だけど、話全体のトーンみたいのを合わせるために、最後にもう一度、何を伝えたかったんだっけ、というのを再考しました。それで思ったのは、BFFというアーキテクチャは知名度は上がってきたけれどまだそこまで実践例は多くなくて、決まりきったレールなんて全然ない。だったら、少しでも「BFFっていうアーキテクチャ、面白いな」って思ってもらう、というのをテーマにしよう。そうして、トークの全体のトーンをなるべく、面白い、楽しいという方向に向けられたらな、と思って、いろいろイメージしました。

接続チェックなどのセットアップをした後、30分くらい離れてまたぶつぶつ練習してましたが、そんな中で嬉しいリプライをもらったり。

登壇を終えて

(もし登壇の内容自体に興味があるよ、っていう人はこちらを見てくださいね!)

twitterでもいろいろ反応をもらえていて、嬉しかったです。

お褒めの言葉も結構頂いていて、ありがたい限りだった・・・。

登壇後に別途質問を受けられるコーナーに移動することになっていたのですが場所を忘れてしまっていたら、終了後すぐに、質問したいことがあると言ってくれた方がいて、そのまま運営の方に確認とりつつ会場までエスコートしてくれて、カッコよすぎた・・・。名札を見ると、twitterではこちらから一方的に存じ上げている @shiraj_i さんでした。

他にも、前職の同期たちと話せたり、夜の懇親会でもトークを聴いてくれた方から結構話しかけてもらえて、実りのある話が色々できて最高でした。(登壇者はふうせんを持って参加するっていう施策が最高で、おかげで話しかけてもらえたり、僕も他の登壇者を発見しやすかった)

振り返り

さて、カンファレンスが終わって録画を見て冷静に振り返ったりしました。もちろん最高の出来とはいかないものの、一定の価値のあるトークが出来たかなと思っています。

通りやすいCFPの条件として公式で定められている (= カンファレンス開催側が求めているトークの条件だと思う) 、 Android Specific / Expertise / Innovation の3つを満たせたと思います。まだ世の中になかったり当たり前にはなっていないことを、自分たちの頭で考えて実践してきたことを、トークに落とすことができました。

一方で、説明が稚拙な部分があったり、もう少し各知識を統合した状態で伝えられたんじゃないか、と思う面もありました。あと、やはり途中の失速が痛かったので、そこは本当に悔しい。もっとたくさん実装して事例を作って、その知見を提供したかった。次こそは最高の登壇にしてリベンジしたいと思っています。

モバイルクライアントとサーバーサイドの融合、という流れはこれからどんどん続いてくると信じています。大規模アプリを開発しているチームの一員として、アーキテクチャ面からその流れを加速していきたい。来年のDroidKaigiまでに最高の状態を作って、今度は最高の登壇ができるといいなーと思っています!

noteの通貨流通量を増やしていきたい!!