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歯を抜く歯医者

引っ越したら探さないといけないもの、色々あるけど、歯医者もその1つである。通常、年2回のクリーニングのみだけど、歯医者さんと相性が合うか合わないかは、結構重要問題だ。

我が町、オクラホマ州プレイグはとても小さな町なので、近くの大きな町まで行って探さないといけないのかな、大変だなと思っていたら、なんとこの町にも歯医者が2軒もあった。

紹介者によると、彼女の掛かりつけの歯医者さん、先生の腕は確かだし、歯科衛生士さんはとても上手でチャーミングらしい。

では、そこを予約しましょうとなった時、彼女に何度も何度も念を押された。「いいこと、私の行ってる歯医者はダウンタウンの中心にある方。間違ってもう一軒を予約したら、絶対ダメよ。もう一軒は、歯を抜く歯医者だからね。」

歯を抜く歯医者って何かしら。抜歯専門医ってこと?親知らずが痛んだら行くところかしら?

頭の中、はてなマークでいっぱいになったけど、その謎は、正しい方の歯医者さんに行った時に解けた。

その歯医者さんには、とてもお得な歯科保険があった。アメリカでは、会社で働いていてもいなくても、健康保険に入ることは義務付けられているけど、全員が歯医者の保険に入っているわけではない。それで、この歯医者さんは、保険に入っていない人でも予防や治療に来やすいようにと、独自の保険を用意しているとのこと。「ほら、特にメナナイトの人たちとか、歯を抜かないといけなくなるまで歯医者に行かないでしょう。そういう人たちに早めに来てもらいたいからよ。」

おおお、そうか、そうか。もう一軒の「歯を抜く歯医者」って、メナナイトさん達が虫歯になった時に、抜いてもらうとこだ。

メナナイトとは、プロテスタントのキリスト教の一派で、隣町にたくさん住んでいる。女性は一生髪を切ってはいけないとか、メイクをしてはいけないとか、昔からの色々な規律に従って生活している人たちで、虫歯になっても、どうしようもなくなるまで放っておく習慣らしい。

奇妙に感じる習慣も多いけど、コミュニティを大切にする人たちだそうで、色々学べることも多いんじゃないかな、なんとか知り合いになれないかな、などと密かに思っている。

ちなみに、歯を抜かない方の歯医者さんは、素晴らしかった。いいとこ紹介してもらって、ラッキー!

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