【ギリシャ】ギリシャ:「民衆連合」が生まれた!/クーヴェラキス

シリザは分裂しました。シリザから離党した議員25名による新党結成です。ギリシャ情勢はめまぐるしく動いているようです。以下はVersoブログ昨日(8月21日)付記事Stathis Kouvelakis, Greece: "Popular Unity" is born!、の試訳です。誤訳のご指摘、精緻化のご提案、いただけましたら幸いです。(Q)

http://www.versobooks.com/blogs/2182-greece-popular-unity-is-born

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今朝はやく、シリザの議員25名が党の議員集団[会派]を離脱して、「民衆連合(Popular Unity)」という名のもとに、あたらしいグループを結成した。これらの議員のほとんどが左派プラットフォームに属しているが、それ以外にも、Vangelis Diamantopoulosや、ゾーエ・コンスタントポウロウに近しいRachel Makriらもくわわった。

これはギリシャの政治における大きな展開であるが、それはまたギリシャや国際的レベルでの急進左派にとっても大きな展開である。

三つの要素を強調したい。

1)「民衆連合」はあたらしい政治的戦線の名である。そこに「ノーの戦線」の結成を呼びかけた8月13日公開の文書にサインした13の急進左派のグループが結集することになるだろう。この戦線はそれゆえ、ギリシャの急進左派内の再編の最初の目に見える結果である。この5年、そして政権についたシリザ、その末の破局の経験の過程から教訓をえた再編なのだ。しかし戦線の目標はこれよりはるかに広い。かならずしも左派に属すると自認していないが、緊縮政策やメモランダム、そしてあたらしいメモランダムという「トロイカ統治リローディド」と戦いたいとのぞむ社会的諸力に政治的表現をあたえることである。

2)戦線の目標は1月の選挙と7月5日の国民投票の両方で表明されたノーの政治的表現を構成することである。主要な綱領[プログラム]の方針は、緊縮政策とメモランダムからの切断であり、すべての民営化の拒絶、銀行システムから着手される経済の戦略的部門の社会的統制のもとでの国営化、ギリシャの負債の大部分の解消(支払いの即時停止からはじまる)、よりひろくは、勢力均衡を労働者と民衆階級にひきよせ、この国と経済、制度の進歩的再構築への道を開くだろう一連のラディカルな手段である。

これらの目標は、最近の悲惨な状況がいやというほど示したように、ユーロ圏を離脱することなしには、そしてEUによって制度化された政策全体と袂を分かつ以外には、実現不可能である。戦線はまた、ヨーロッパや国際的レベルでの共通の目標をめぐる統一的な闘争のために闘うだろうし、NATOからの離脱、ギリシャとイスラエルの既存の合意の破棄、そして帝国主義戦争や介入への根本的な反対を支持するだろう。この移行期のプログラムは、21世紀の社会主義の展望のもとにおかれる。

3)このあたらしい議会グループはいま、ギリシャ議会においては勢力的にみれば三位をしめている。ネオナチ党のゴールデン・ドーンより優勢である。このことが意味するのは、この数日中に、リーダーのパナヨティス・ラファザニスは、ギリシャ憲法の規定するように、三日間だけの政府を組織する権限をうることができるということである。ツィプラス政府の辞任のあと、この権限はいま議会の最大野党である新民主主義党(主要な右翼対立政党)の手にある。この時間のスパンを民衆連合は利用して、広範な議論をうながし、緊縮政策やメモランダ(新旧ともに)に闘う意志をもつすべての社会的諸力の動員を呼びかけるだろう。

党のプログラムや広範なギリシャ左派の主要な人物からの広範な支持———それは大きなものになると予想されている————は、来週はじめに発表される。

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