2021ボカロ曲10選を紹介してみようと思う

98です。

前置きが長くなってもアレなので早速始めます。
投稿日が早い順で紹介します。

タイトル表記は「{曲名}/{P名} feat. {ボカロ名}」に統一していますので予めご了承のほど。
それぞれのタイトルからniconicoの各動画ページに飛べます。

それではどうぞ。

1. 霽れを待つ/Orangestar feat. 初音ミク

いきなりド有名Pのド有名曲で正直すまないと思っている。
でも好きなんだ。

オーソドックスな四つ打ちドラムを軸にテレキャスターとピアノで駆け抜ける、シンプルな構成ながら満足感400%の良曲。
Orangestarさんは昔からずっとそうですけど、聞き感の良い歌詞を組むのにすごい長けてる人なんですよね。要するに歌として聴いたときに気持ちのいい詞。韻を踏むなんてのはまさにその一例なわけです。
韻は別にフレーズの最後に踏まないといけないなんて決まりはなく、フレーズの軸になる所で踏むことでグルーヴ感が次第に形成されていきます。たとえばこの曲でも、サビの小節頭をa音で踏んでいくことでサビのアタック感を醸しています。
もちろんこんな分かりやすい韻だけの話じゃないですが、やっぱりこの辺りの歌に乗せることを意識した言葉の選び方というか、そういう作り方が相変わらず流石だよなあと。すき。

2. 沈黙の花/遊禾白 feat. GUMI

圧倒的オサレ感でわからせてくるセンスの塊みてぇな曲。

まずイントロで一旦聴いてる奴全員わからせてきます。
サブスク全盛の近年、開始5秒で切られる哀しみを背負う曲が多い中、この曲は開始5秒で「おっほ♡やっべ♡」ってなるんでマジで。詳細はキミの耳で確かめてきてください。
まくし立てるように連なっていく歌詞には、往年のボカロファンもニッコリ。そしてそれ以上のテキストで殴りつけてくるMVも見物です。黒月てふほほさんの手掛けるコラージュがこの曲の奇妙で歪な美しさをより一層引き立ててくれます。

3. ダーウィン賞/パルモカ feat. 初音ミク

念のため事前に説明しておくとダーウィン賞は実在します。以下参照。

ダーウィン賞とは、自業自得としか言いようが無いマヌケな行為を実行する事で自らの遺伝子を絶ち、マヌケの遺伝子を後世に残さない事で人類の進化に貢献した者に贈られる、というブラックユーモア全開の催しである。

ニコニコ大百科「ダーウィン賞」より引用

まあご覧の通りまともな賞ではなくネットのおふざけイベントなわけですけど、今回紹介するのは文字通りここから着想を得ている曲ですね。

とはいえ曲の毛色はそんな元ネタとはかなり違っていて、どちらかというとセンチな感情が歌われております。それを激しいピアノの旋律とシンセで飾り付けして、詞に歌われる穏やかじゃない心中をありありと写し出す巧さ。

もっと伸びてほしいと願うばかりです。

4. レトロポリス/R Sound Design feat. 可不

R節全開のシティポップと可不の声が完璧に嚙み合うとこうなるんだなァ~~~すげェ~~~と思いながら聴いた記憶がありますレトロポリス。

可不を触ってみた感触としては、早い言葉回しって可不そんなに得意じゃないんですが、Aメロでこうも綺麗に気持ちよく歌ってる可不を目の当たりにすると自分の調声技術不足が突きつけられているようでもっと頑張んなきゃな~と思った次第です。

5. ナラキスト/メドミア feat. 初音ミク

シンセベースが気持ちいい曲は確で良曲(偏見)。

この音数でこんな説得力のある音作りができるのはすごいというか羨ましいというか。昔ほどではないとはいえ「音圧上げて物理で殴れ」が基本のボカロ界隈においては異彩を放っているこの曲。あえてこの音作りをすることで曲のダーク感が引き立っているし、サビで多重にハモらせたミクの歌声が引き立つというものです。

6. レベッカ/TentaQle feat. 鏡音リン

去年からひそかに推していたTentaQleさん。

繊細・丁寧な音作りにすっかり惚れ込んでおりますが、今年だと特にこの曲が好きでしたね。
皆様におかれましてはまずは何も言わずに最後まで聴いてほしい。後半に向かって徐々に徐々にギアを上げていくタイプの曲、僕は好きなんですがなかなか市民権が得られないのが哀しい所なので、ぜひともこの曲はフルで堪能してほしい次第です。

7. ミッドナイトポリアンナ/でぃー feat. v flower

レベッカと同じく春のボカコレで投稿されたミッドナイトポリアンナ。期待感を煽ってくれるイントロから放たれたAメロでまず目を剥かれます。

そこにあるのは、絶妙に噛み合わない花ちゃんの歌とギターリフ。
最初は不安のどん底に突き落とされるのですが、すぐに「あ、わざとやってんだ」と超速理解すると、これが段々癖になってくるんですね。そこに呼応するように、歪な感情を歌う詞が重なってくることで、一見不安定なAメロは圧倒的な説得力を聴き手に伝えてくれるわけです。
この音作りをポップミュージックでするのは尋常じゃない勇気と大胆さが要ると思います。綺麗な音だけが音楽じゃないと思わせてくれる良曲です。

8. 遠く夏、紺青/ichica feat. 初音ミク

今年のNo.1決めろって言われたら迷わずこの曲を選びますねおいらは。

王道進行8ビート大好きキッズなのでイントロ聴いて3秒で即堕ちしそうになりましたが、この曲の真価はその展開力にこそあります。
1xのAメロはギター1本の静寂をミクの歌声で走り抜ける構成。音楽作ってると、音に隙間ができるのがすごく怖くなって、なるべく何かの音で埋めたくなるもの(だと個人的に思っている)ですが、この曲では大胆にも音を削りまくって”エモい”静けさを演出しています。それを可能にしているのは繊細に調声された、息遣いまで伝わってくるミクの歌声。
Bメロから正直にサビへと移行せず、ギターリフでたっぷりと溜めているのも憎い演出。そこから繰り出される爽快なサビのメロディラインは確かな満足感を与えてくれます。
サビも終わりに近づき、「はあ~~~美味しかった」と満腹感に浸っていたのも束の間、まさかの転調でサビがもう一展開。いや~初見は度肝を抜かれる思いでした。G→Cへの転調はポップスだとそんなに多く見る展開の仕方ではなく、この曲の大立ち振る舞いには感服するばかり。

このままオタク特有の早口で語り続けるとこれだけで一記事になってしまいそうなのでこの辺にしますが、百聞はなんとやら、とにかく一遍聴いてみてください。飛ぶぞ。

9. アヤカシライダー/平田義久 feat. ゲキヤク&初音ミク

ここでUTAU初登場です。
11月に島爺さんが歌ってみたを上げたのも話題になりましたが、俺はオリジナルが投稿された時から知ってたからな(謎マウント)

聴いてるこっちの耳を擦り切らんばかりに攻撃的に調声されたゲキヤクの歌声が印象的なこの曲。特に巻き舌の聴かせ方がすごい巧いのが印象的で、この曲の好戦性を極限まで引き上げるのに欠かせない一要素になってます。

あとはまあ自分が言うまでもないですが天才の歌詞ですよね、こんなもん逆立ちしても書ける気せんわ。クソかっけェテクやべェマジ尊敬(ゴミ語彙)。…自分が恥ずかしくなってきたのでここらで終わらしてもらいます。

10. 運命/はるまきごはん×煮ル果実 feat. 初音ミク&v flower

10曲目はクソヤバコラボからひり出された激ヤバ楽曲こと運命です。

「とりあえず旨いもん片っ端から放りこみまくったらええ料理できるやろ」みたいな、歴戦のボカロリスナーなら涎だらだら垂らすタイプの曲ですね。

イントロからAメロにかけては疾走感あるシンセポップの上で2つの歌詞がバチボコに殴り合いを繰り広げ、サビ前で落として次の展開への期待感を高めたと思ったらTHE・はるまきサウンドが頭の上から雪崩のごとく襲ってくる――。
いろんなものを滅茶苦茶にくっつけた馬鹿のハッピーセットみたいな曲なのに、一度聴くと離れられなくなる不思議な曲です。


以上、場末のボカロPによる2021年ボカロ曲10選でした。
niconicoでマイリスにもまとめてますので、そちらもどうぞ。
それでは。

P.S.
よかったら俺の曲も聴いていってくれ(宣伝)
YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCz2kcpy0KAEcLUV27l3HeKA
niconico: https://www.nicovideo.jp/user/22028194


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