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感情の分析と言語化

こんにちは!
QTbyQuarktokyo プランナーの須永です。

今回ご紹介する本はこちら。

「かわいい」のちから 実験で探るその心理(入戸野 宏 (著))

私達の日常生活には、「かわいい」という言葉が溢れています。

ペットに対する「かわいい」、赤ちゃんや子どもに対する「かわいい」、もしくはファッションやモノのデザインに対する「かわいい」。

あるいは、おじいちゃんやおばあちゃん、さらには中年男性に対して「かわいい」と言うことがある、または言っているのを聞いたことがあることでしょう。

「かわいい」って、何にでも使えてとても便利な言葉ですよね。


でも、「かわいい」って一体なんでしょうか。

私は以前リラックマにとてもハマった時期があったのですが、ぬいぐるみを見つめててふと思ったのです。”リラックマってなんでかわいいんだ?”

リラックマの顔のパーツはとてもシンプルです。目は黒い点だし、口は「人」みたいな線と、鼻も黒い点。パーツも構成もとてもシンプルだけど、ゆるっとしててとても「かわいい」。

そして更に「かわいい」について思考を巡らせてみました。ゆるいキャラの元祖として頭に浮かんだのが、”たれぱんだ”。顔のパーツはほとんど円のみなのに、当時は爆発的人気がありましたね。

更にその上を行くシンプルを挙げるならば、ミッフィーでしょうか。顔は、二つの点と、バツ一つ。原作の絵本が刊行されてから50年以上経った今でも、世界中で愛されているキャラクターです。

ここで、先ほどの疑問を解決すべく、以上3つのキャラクターを比較してみました。共通していることといえば、、、全体的に丸い。。。?

でも、丸くなくても、例えばポケモンのポリゴンはカクカクしているけど、私はかわいいと思います。


そう、「かわいい」をデザインの視点から定義することが難しいのです。
ミロのヴィーナスやレオナルド・ダ・ヴィンチのウィトルウィウス的人体図の黄金比のように、「美しい」には明確な数値による定義があるけれど、「かわいい」にはありません。

そこで、この本の出番です。
この本では、実験心理学(人間の心の仕組みや法則を実験によって明らかにする)という視点から「かわいい」について論じています。

構成は全8章からなっており、様々な観点でアプローチしています。

第1章:「かわいい」の言葉の意味と歴史について。世界での”kawaii”
第2章:「男女別・年代別の意識調査データから見る「かわいい」の言葉のイメージ
第3章:「かわいい」の心理学の出発点とされるベイビースキーマについて
第4章:研究データから見るかわいさと幼さの違い
第5章:「かわいい」を感情として捉える見方
第6章:かわいいがもたらす効果
第7章:「かわいい」研究の応用
第8章:「かわいい」の日常生活における意義と今後の展望

第3章では、キャラクターについて論じられていました。
かわいいと感じさせようと作ったものには、必ず*ベビースキーマが*超正常刺激として誇張された形で含まれると記述されています。


*ベビースキーマ:幼いかわいさを感じさせる見た目の特徴
*超正常刺激:動物のぬいぐるみの頭を大きく手足を短くする、アニメの女性をボンッキュッボンで描くなど、実在しないが特定の特徴を誇張することで、感情や行動を引き起こすもの


著者は生物学者・科学史家のスティーブン・ジェイ・グールドのエッセイの内容を紹介しています。「商業目的で作られたキャラクターは、消費者に好まれるように、より幼い体型に変化していく」とし、ミッキーマウスの変化を挙げています。ミッキーは登場した時は頭が小さく手足も長かったのですが、時が経つほど、頭が大きくなり丸みを帯びています。

これは、「リラックマってなんでかわいいんだ?」の疑問に答えるものであり、とても納得しました。
この考えは全てのキャラクターに当てはまるわけではありません。しかし、様々な実験結果に基づいて論理的に「かわいい」を分析するという、同じ事象を違う角度や事実から見ることは新しい発見に繋がって面白いなあと感じました。


更に、この本で行われていること”抽象的なものや概念を分析・分類、言語化”はまさに私が仕事に必要とするスキルなのです!

プランナーとして企画を考えさせて頂いていますが、以前までは、企画はセンスだと思っていました。しかしこの職に就いてから、論理的思考力や分析力こそ大事なんだと学びました。。。


というわけで!”抽象的なものの言語化”を、身近な「かわいい」を題材に実感できる一冊でした。

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ありがとうございます( *`ω´)!
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QTbyquarktokyo

QTbyquarktokyoは、マーケティング戦略の立案とクリエイティブディレクション、制作までをワンストップで行う専門チームです。若年層マーケティングやデジタル戦略・映像制作に長けた弊社チームメンバーの独自の視点から見た、POPで少しだけタメになりそうな読書感想文を発信します!
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