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身内より親身になってくれる他人

 実家では高齢の父と兄が暮らしている。先日、父はストーマ(人工肛門)を作ったのだが、色々とお手入れが大変らしい。パウチ(便を溜める袋)は週に数回交換するが、1日に何度か中身を出さなくてはならない。父が入院中には、人工肛門の勉強をして専門知識のある看護師さんが兄に指導してくださって、実際に交換してみた。少し手先が不器用で慎重な兄は手こずっていた。

 兄には精神疾患があって、前々から「人を家に入れたくない。」と言っていたから、姉と私が時々帰省していたけれどそんなに頻繁には帰れない。「家で過ごしたい🏠」という父の望みを叶えるためには、今回ばかりはどうしようもないと観念したらしい。通院から訪問医療に切り替わった事もあり、訪問看護さんに来てもらうことにした。「どこの訪問看護さんにきてもらうのか?」「お医者さんはどこに頼むのか?」実際に関わっていく兄が納得して決めることが1番大切だった。複数の候補をピックアップして順次会ってみると言っていた。「採用面接」みたい😳そんなに複数の人に会うなんて労力が半端ないと思っていたら、前々から気になっていた訪問看護ステーションにすんなり決まった。よかった☺️

 ここに辿り着くまで色々あって、父の骨折、廃業で介護が始まり、兄がお薬💊を独断で止めたことによる兄の入院。父の手術入院。兄に病識がないため不穏な様子に内緒で入院手続きをとっていた私に不信感を持たれたり。今は、兄にも精神科の訪問看護さんがついて定期的に話しを聞いてもらう機会もできた。「人っていいなぁ✨✨」満面の笑みでそう言っていた兄の顔がくっきり焼き付いている。あんなにいい顔は見たことがなかった。

 兄に社会経験がないからと、つい私はお節介をして余計なことを言ったりした。これまでの何十年かはずっと見守ってきたけれど、父の死後の事を勝手に心配して焦っていた。兄は父のことも随分とよくわかっていて、私が思うよりもしっかりしていた。よく効くお薬にも助けられて。ただ現状認識が甘いというか、かなり希望的だ。つい口が滑ったりして、いざこざが勃発しそうになるから家の中でも距離を置いていた。姉も実家に帰ることでトラウマが想起され体調が優れなくなるので関わりたくないと言っていたけれど、交代で帰省してくれたり、兄の私への誤解を解いてくれたりした。父と兄の主治医も介護や看護の悲劇(身内同士のトラブル)の話しをしてくれた。

 兄が自分の訪問看護や父の訪問医療を受け入れてくれて本当によかった。丁寧に親身になってくださる人と接するほうが兄の今後にとって重要な経験になると思う。「人っていいなぁ✨✨」がたくさん増えることが心の栄養になって脳みそ🧠にいい‼️

 兄は驚くほど献身的だ😱私には到底できない。そして優しい。アホみたいに優しい。とはいっても、ちゃ〜んと自分の納得できるようにやっている🍀

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