演技派ってNanda?

ぼそぼそしゃべりで、変な間をとること?目で芝居するからとやたらぎょろぎょろさせること?酔っ払いの演技やキレる演技が本気か芝居かわからないくらいリアルなこと?七変化のようにいろんな役をやってみせること?

どれも違うかもしれないし、どれもそうかもしれない。ただ、演技派という言葉はある種差別的だなとは感じる。だってすべての役者は演技をしているわけで、演技派以外の人は何派なの?素人派なの?と思ってしまいます。あと最近あまり使わないけど性格俳優という言葉も演技派と同じくらいなんか嫌。昔、クラウス・キンスキーがその怪異な表情でそう呼ばれたり、テレンス・スタンプもそう呼ばれてたなぁ。この二人はどちらも好きだけどね。

女優さんがベッドシーンで何かを必死で守ろうとしていることがある。普通に変だなぁと思うことで、たとえばベッドシーンなのに最後まで下着は脱がない、手で隠すようにして何も見せない、撮影の角度で工夫している、などなど。別にこちとらそれだけが目当てではないけれども、「そんなに守りたいならこういう映画に出なければいいのに」とは思う。事務所やCMなどの絡みで契約上だめなのかもしれないけど、ならば断りなさいと思う。「二十六夜待ち」は主演の黒川芽以さんの影のある表情や芝居は頑張っていたと思うけど、なんだあのベッドシーンは。体操か?そのあと幸福な結婚もされたので最後まで何かを守りたかったのかもしれないけど、これ海外とかで通用するか?とは思いました。これと似ているパターンは橋本マナミさんの「光」を始め、枚挙に暇がない。繰り返すけれど裸で愛し合うシーンで心も身体も裸になれないならそのシーンをやめた方がよいと思う。「青春の門・筑豊篇」の違う版で、同じ女性を演じた吉永小百合さんと松坂慶子さんを見てもどちらが女優なのか本気度の違いでわかる。

そんな中、リアリティがあって違和感なく映画の世界に没入させてくれる女優さんも出てきた。「娼年」や「全裸監督」の階戸瑠李さんや冨手麻妙さんや「彼女の人生は間違いではない」や「火口のふたり」の滝内公美さんなど、いまの日本映画も捨てたもんじゃないなと思える。いつか日本でもベティ・ブルーのような美しくも激しい映画がどんどんつくられていくと映画ファンとしてはうれしいなと思います

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