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スピリチュアルに騙されないために


憧れと承認

わたしの仕事は、クライアントさんのお話を聞いてその問題や課題を調整するセラピストまたはカウンセラーと言われる立場にあります。
また、施術に用いる技術を使えるよう指導する講師でもあります。

嘆かわしいことに、業界内でクライアントや受講生さんと主従関係のようになっている同業者を結構みます。
ヒーラーやカウンセラーと言われる彼ら彼女らは、助言という名のおせっかいでクライアントの考え方や決断に介入しコントロールしたり、中には「〇〇しないと〇〇になる」という形の脅しを行う人もいます。

そういう行為は普通に考えればおかしいと気づくのですが、クライアントの立場になると気づきづらいものなです。

なぜか?
それは、自分がお金と時間をかけて受けている相手のことを「すごい人だ」と価値を持たせてしまう心理が働くからです。
数万円という決して安くないお金を払ってセッションを受けるので、その対価に十分見合うものだという、自分がお金を使った行為を正当化する気持ちが無意識に生じてしまい、価値があると錯覚を起こしやすいのです。

その人間の心理を利用して、やたら高額なセッション代金を取る人もたくさんいます。
しかし、その高い金額に根拠はないのです。
才能があるからすごい人だからセッション代金が高いのではなく、高いからすごい人だと思われるのです….。

ヒーラーに頼るクライアントはもともと承認欲求が満たされていない人が多いです。
こんなすごい人に褒められたい!
他の人と違って特別視されたい!
という思いが発生してしまい、易々とヒーラーの言うことを聞いたり高額なグッツを勧められればすぐに買ってしまうのです。

占い師やヒーラーに過剰に褒められたら、何か騙そうとしているのかな、と気をつけたほうが良いです。
そのプロセスはこちらの「ウシジマくん」に非常にリアルに描かれております。

この漫画の中で、勅使河原というインチキ占い師が「インナーチャイルドが泣いている」(7:57)「いずれハイヤーセルフに辿り着くわ」(16:23)などのスピリチュアルでお馴染みのキーワードを使ってクライアントをコントロールしていくのは、めっちゃリアルで面白いです。


服従と懐柔

この業界では、だいたい購入しやすいものからクライアントの気を引きます。
フロント商品といって、これくらいならお財布に痛くなく気軽に出せるなあ、という商品から始まり、一度出した気持ちの緩みとお金を出した行為に意味を持たせるために、どんどんお金を出し続けていってしまうという構造です。

そこまで高くなくても、お金を出すというハードルを一旦越えると、クライアントをコントロールすることは非常に容易いです。
わたしも実は以前コントロールされそうになったことがあります….。

とても綺麗で聡明な女性の紹介で、ある男性のヒーラーのセッションを受けたことがあります。
女性はヒーラーの影響をものすごく受けていて、何をやっても痩せなかったのに、とても簡単にすごく痩せることができたと喜んでいました。
また当時の苦しみから逃れるために、ヒーラーの助言から人生の大きな決断をしようとしているところでした。
おそらく彼女は、そのヒーラーのタイプの女性だったのでしょう。
前世で彼女の旦那さんとは敵対する同士だったと言って、彼女はすっかり舞い上がっている様子でした。

わたしへのセッションでは、まず藤原紀香と本田健氏にエネルギーが似ているということを言われました…
ひょっとしておだてて舞い上がろうとさせてんのか?という疑いと、ということは藤原紀香と本田健は共通しているってこと?
という謎がぐるぐる頭の中で回って、とても話に集中できませんでした…。

どういう会話の流れなのか、若い頃不倫のお付き合いをしていたことを話したところ、
「その悪いエネルギーを浄化する必要があります。日枝神社に明日午後4時までに行きなさい。さもないと大変なことになる」
という宿題を言い渡され、その日はあまりピンと来ないまま帰宅しました。

セッションを終えた翌日も、そのヒーラーからの電話が何度もありました。
「朋美さん、日枝神社に行きましたか?早く行ってください。今日4時まで行かないと大変なことになります」
と有無を言わせぬ強い口調で一方的に言われ、普段ならなぜ電話までするんだろう?なぜ従わないといけないのだろう?と怪しく警戒するでしょうに、わたしはそれを真に受けて行動に出たのです。
そのヒーラーに大切にされているような感じさえして(大いなる勘違い)、仕事をなんとか早めに終えてすぐ赤坂の日枝神社にタクシーで駆けつけたのでした。
あと10分で神社が閉まるというギリギリの時間に間に合ってお参りをし、無事にミッションを終えたという達成感で満たされ清々しい気持ちでしたー。

わたしはこの時点である程度洗脳されていたのです。

「やらないと大変なことになる」という脅しから、それを回避するためのさほど難易度の高くない行為が要求されて従ってしまえば、もう洗脳されたも同然です。
おそらくそのヒーラーは、クライアントをどこまで利用できるか試していたのだと思います。
その後も、わたしの頭の中には彼から監視されているような干渉されているような奇妙な感じがありましたが、数週間でその干渉は切れたと実感しました。


恐怖と支配

そんなわけで、このようなことをされたら気をつけてください。

①「すごいのよ!」という知人からの紹介
 (世間的に評価されている、有名であるも同じ)
②ヒーラーから褒められる(承認される)
③ヒーラーから断罪されてからの課題の要求(存在を否定されてから救われる)

この3点セットがあれば、業界にいる人にとってクライアントを手玉に取ることは簡単でしょう。
また、ネットワークビジネスでやっている人もいまが、やたら「〇〇さん」「〇〇さんはね」「〇〇さんにとって」など初対面で名前を連呼する人にも気をつけましょう。
特に女性は男性に名前で呼ばれると気持ちの良いものです。
女性としての存在がゆるされているように感じる人もいますから、心得ている占い師などは初対面んでも名前で呼びまくります。

どんな人でも、いますごく上手くいっている人でも、これがいつまで続くのだろう、また過去のようになってしまったらやだな、評判が悪くなったらどうしよう、という不安は心の中にぼんやりあります。
その心の穴に、ヒーラー(占い師)からの言葉がスッポリハマってしまうのですよね。

わたしはそのヒーラーに、ビジネスにいま成功しているが、成功ばかり望んでいて精神性が不足しているのではないか、というようなことを言われました。
全く腑に落ちませんでしたが、身に覚えがないことでも言われ続けると、なんとなくそういうふうに思えてくるものです。
それは、「自分が不足している」「自分がダメである」「自分が悪い」といった劣等感や罪悪感をヒーラーに植え付けられることと等しいです。

そのように自分をダメだと思ってしまうと、あっという間にヒーラーとの上下関係が成立してしまい、言うことをなんでも鵜呑みにしてしまうようになるのです。
ちょうど犯罪者に誘拐された人が、恐怖から犯罪者の言うことをなんでも聞いてしまうように….。
そして、自分より立場が上の人に承認されなくてはダメだ、この人に認められないと救われないというようにさえ考えてしまいます。
だから、課せられた課題を行うのです。

わたしの場合は神社に行くという簡単な課題だから良かったですが、それが友達から離れること、家族を捨てること、夫と離婚すること、数百万円のグッツを買うことだったらどうでしょうか。
マインドコントロールされていれば、そういった困難な課題でも実行してしまうのではないでしょうかー。

「〇〇しないと大変なことになる」といった恐怖で人を支配するような人の言うことは、絶対聞かないでください。
それを言ったとたん、この人間は自分を恐怖で支配しようとしている信用に値しない人間だと思ってください。
大変になることなんて世の中に存在していません。
また、あなたよりも崇拝できる人も、あなたをコントロールできる人もこの世に存在していません。

どんなスピリチュアルヒーラーもどんな占い師も、あなたよりあなた自身のことを理解していません。
誰かに頼るよりも、自分の内側に聞いてみてください。
この人なんか怪しいな?という自分の直観に従ってください。
答えはいつも自分の中にある。
スピリチュアルに騙されないために、自分を信頼していきましょう。

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