見出し画像

わたしと音楽#昭和編②

毎日あくせく働いていると
心が迷子になるときがある。
ここはどこだったかな。
わたしは…

誰?とまではいかない。
が、わたしは今 わたしなの?
と思うことはある。

 先日 つい買ってしまったDVD



15の頃からのわたしの歌姫。
あれから 時代は何人もの【歌姫】を輩出してきたけれども
わたしにとっては 今も彼女だけだ。

思えば 最近の子は(この言い回しは好きではないけど) 本当に歌がうまい。
産まれた時から 音楽に触れ、表現する機会が圧倒的に多く 自由な時代だからだろうか。

耳あたりのよい高音。
どこまでも伸びそうなその音域。
そつなく 無駄がない。
ヒットチャートには
いつもそんな安定の曲が並ぶが
どこか 血の通ってない声のように感じる時がある。

かつて彼女率いるREBECCAも
いつもオリコンチャートを賑わせていた。
新しいレコードが出るたび
カセットに録音しては 繰り返し聞いた。
生で見てみたかったが、田舎の15歳にはライブに行く、という手立てはなく時は過ぎ、
そして今わたしのもとにそのDVDはやってきた。

たしか身長152センチほどの彼女の体から どうしてあんな声が出るのかしら。
カセットテープの中とは違う
美しい猛獣のような叫びだ。
歌っているのか 放っているのか。
鳥肌って 本当に心が動いた時にしかたたないのを立証してくれる。

無骨でいて チャーミング。
相対するそれと
聴いていて苦しくなるくらいの
歌声をもつ 姫は
きっともう現れない。

そして、このDVDは
わたしがわたしに戻りたい時の
処方箋になるかもしれない。

補足だけど、
のちに母親になったNOKKOが歌う
「ゆうぐれなき」という曲がある。


とても優しい歌声なのに
わたしにはやっぱりそこにも
母という、
強く美しい猛獣の姿をみてしまう。













この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?