Note 27: 小さなデスクトップを買って失敗した

いぜん、パソコンを買うならデスクトップがいい、部品単位で修理、交換、パワーアップできるから、と書いた。
で、その目的でデスクトップパソコンを買うなら、なるべく大きいのがいい、パーツ交換が楽だから、とも書いた。
これは、自分の苦い経験に基づいている。
今年の春、失敗をしてしまったのだ。

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このNoteにおいてぼくは、いいものを褒めるポジティブな記事は書くけど、悪いものをけなすネガティブな記事は、なるべく書かないようにしている。
別にいい人ぶっているわけじゃなくて、ネガティブなことを書いていると気持ちが暗くなるからだ。

ところが今回、これから特定の商店の特定のサービスをディスることになる。
これはどちらかというとぼくの失敗に発するものである。
その商店の対応は基本的に素晴らしいし、そのサービスも志は高くて使いようによっては便利だと思うので、こんな文章気にしないで続けて欲しい。
と、さんざん予防線を張ったところで本題に入る。

デスクトップが必要だ

今年の春、会社の仕事で、デスクトップが必要になった。
会社にあるから、行けばいいんだけど、大病を得て自宅作業にしてもらっていた。
ていうか、いずれ欲しいと思ったので、中古を買うことにした。
メモリとかSSDは余っているので、本体だけ安いのを買えば楽勝だろう。

なぜデスクトップが急に欲しくなったかというと、グラボを挿すためだ。
いぜんも書いたとおり、人が急にデスクトップパソコンにグラボを挿したくなる理由は

1) ゲーム(あとVR)をするため
2) ビットコインを掘るため(さいきん聞かないね)
3) 機械学習、ディープラーニングをするため

の3つが考えられる。

今回のぼくは 3) にあたる。

とあるプログラムが、とんでもなく遅い。
なんかの間違いじゃないかってぐらい遅いのである。
担当者に聞いてみると、マシンをLinuxにして、グラボを挿すと何百倍も早くなるという。

調べたら、この場合のグラボというのは、NVidiaというメーカーのものでないといけない。
CUDAというライブラリーを動かさないといけないのだ。

用途を満たす製品の中で、最もローエンドなのはGTX1050Tiというやつ。
なんとかCUDAみが出るって感じ。

ちょっとグラボ体験するにはオススメ、というポジションの製品らしい。
使用電圧も小さく、音も静かだという。

これに照準を合わせて、あとCPUはi7、メモリは16GBもあれば……と思っていろいろ検索した。
デスクトップは一世代前でもノートより全然速いし、不満があればパーツをおいおい交換すればいいから、別に状態のいい中古でもいいと思った。
それで出会ったのがドスパラの「リノベーションPC」だ。

リノベーションPCとは

リノベーションとは、中古住宅を改築して新築っぽくして売るみたいな感じの言葉だ。
リノベーションPCは中古PCを整備し、動作保証をして売るということらしい。
そうとう安い。


中古パソコンは、いろいろ不具合があったりして、時間や手間に余裕があるマニア向けの製品だ。
でも、リノベPCの場合はちゃんと整備しているので、その点安心だという。

だいたい以下のような経緯で成立している製品らしい。

会社のパソコンは、買うと資産になるので、オリックスのような会社とリース契約を結んで、形式上借りものを使っている。
で、リース契約が切れる時期になると、まだまだ動くパソコンが一気に何百台も中古品として放出される。

リース期間を過ぎたぐらいでは、性能的にもあまり問題ない。
古いのはグラボぐらいだ。
で、グラボだけ挿して安価なゲームPCとして売るということのようだ。

PCゲームの隆盛によって、高機能なグラボが開発され、潤沢に供給されることになった。
それで、機械学習をやりたい人も、高機能なグラボに手が届くようになった。
ゲームPCを買えば、安くて高性能な機械学習マシンが手に入る。
楽しい現象だ。

上のドスパラのサイトを見ると、たしかに同一機種が大量に売っている。
安いし、同じものがいっぱい売ってるから、なんとなく安心感がある。
それで、Compaq Pro 8300 SFFという最も売られている機種を買ってみた。
メモリは16GBで、GTX1050Tiが搭載されているものが、5万とかだ。
これはお買い得じゃないですか~~

買ってみたが

注文したら、鬼みたいにすぐ届いた。
Amazonかよ!
バリバリと開梱する。
さすがにキレイだ。
でも、「ちょっと小さいかな……」と思った。

大会社で使っている、DELLとかHPの事務用パソコンは、とにかく、小さい。
机の周りに置いたりするし、社内で引っ越したりするので、小さい方がうれしいのだ。

でも、ちゃんと動いたし、グラボは有効になっている。
余っていたSSDに換装し、メモリも前使っていた16GBを追加して32GBにパワーアップして、Ubuntuを入れた。
設定に手間取ったが、見事にCUDAを有効化した。

問題のソフトウェアを動かしたが、たしかに速い。
カタツムリのように鈍かったのが、ビュンビュン動いて、当初の目的は達成した。
ドスパラさんお世話になりました。

欲望は果てしない

さあ、そうなるともっといろいろやってみたくなる。
特にやってみたいのはVRだ。
空を飛んだり、水に潜ったり。
あんなこともできるしこんなことも出来る。
VRの中でパソコンを動かして、さらにゲームをすることも出来ると言う。
アハハ、バカだ!
特にゲームなんかやらないぼくでもやってみたい。

でも、その用途にはGTX1050Tiではちょっと物足りない。

もうちょっとミドルレンジ級の、GTX1860とか、GTX1660Tiとか買って換装したいのだ。


ところが、これが挿さらない。

挿せば挿さるとは思うけど、まず動かない。
補助電源というものがないとだめらしい。
そもそももともとの電源がめっちゃ低電圧だ。
そういう用途に設計してないから当然だが……。

電源

デスクトップパソコンはパーツ交換がウリだから、電源ぐらい換えればいいと思った。
これが、出来ない。
めっちゃ特殊な形の電源なのだ。
芸術的。
パソコンをスリムにするために、全知全霊をこめた設計だ。
そのぶん拡張性はない。

下調べは重要

Webを検索すると、まさにこの春のぼくにピンポイントで注意を喚起するようなブログがあった。


そうそうそう、そうなんですよ!
GTX1050Tiを挿して売っているやつは、ちょうどGTX1050Tiしか動かないようになっているのである。

まあ、会社の仕事は大成功に終わったし、ちょっとMLゴッコをするならこれで十分だ。
VRはキツいけど、もともとVRなんかしたかったわけじゃない。
あのぶどうは酸っぱかったに違いない。

しかし、ちょっと検索して、先達の意見を聞けば済んだ話であった。
中古でも、もっと筐体が大きく、工作性が高い製品は売っているのだ。
製品の型番がしっかり書いているのだから、サイズも、拡張性も調べられる。
これまでメモリが何枚させるか、拡張カードが何枚させるかはチェックしていたが、電源が何ワットまで換装できるかは調べてこなかった。
ていうかパソコン本体を、中古で買うのはむちゃくちゃだ。

そこそこ楽しく活用はしているが、やはり後悔が残る。
みなさん注意してください。
ドスパラ中古の対応はすばらしいので、いずれまた活用したい。

(この項終わり)

会社員兼業ライターの深沢千尋です。いろいろ綴っていきますのでよろしくです。FaceBook、Twitterもやってますのでからんでください。 https://www.amazon.co.jp/l/B005CI82FA