Note 26: SSDは超おすすめ

HDDは基本SSDにしている。
別にお金が余ってるわけじゃなくて、いつもぴいぴいだけど、HDDからSSDへの換装は、1日何時間もパソコンを使う人には割りの合う投資であって、ぜひおすすめしたい。
OSの起動時間が5分から30秒になる。
生活のふしぶしで動作が止まることもないし、ウィーンという不愉快な音を聞くこともない。

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HDDの変遷

またオヤジ話になるが、パソコンの記憶容量にHDDが当たり前に使われるようになったのもここ20年ぐらい? のことだ。
昔はフロッピーで全部まかなっていたのである。

特にMacはひどかった。
とにかくカシャコンカシャコンフロッピーの交換を要求する。

40MBのHDDをヤフオクで買ったときは嬉しかったなァ。
売った人が気を利かせたのか魔女形式のエロ画像が大量に入っていて……その話はもう書いた……。

でも40MBって40000KBである。
フロッピーが800KBとかだから、フロッピー50枚ぶん。
たいしたことないなー。

1GBのHDDが出たときは興奮した。
1000MBぐらいだから、100万KBである。フロッピー1260枚ぶん。
取引先の某有名企業はサーバーに1テラが入ってるらしいという噂になって、バックアップどうしてるんだろうねとか言ってた。

それが今や2TBとかのSSDが3万円ぐらい。
2TBといえば2000GBだから、2,000,000MBで、2,000,000,000KBだ。
フロッピー25万枚。
逆にあんまり実感がわかない。

HDDとSSD

SSDの話になると、どうせ寿命があるんでしょと言われる。
たしかに、理論的に、限られた寿命がある。
SSDとはセルと呼ばれる素子(モトコではなくソシ)を組み合わせたトランジスター回路(NANDフラッシュ)があって、その電子状態を変化させることで信号を記録する。
そのオンオフの回数が決まっているので、ある時点で確実に使えなくなる。
寿命を長引かせるために、最近は使用する素子を平準化する機構が備わっている。

具体的にどれぐらい長持ちするか。
テスト用に大量に読み書きをするソフトを使って寿命を検証した記事があって、それによると一番早く死んだSSDであっても、毎日10GBの書き換えを行っても190年持つ計算になるということだ。
アハハぼくの方が先に死んじゃうよ!

HDDはそういう意味では寿命はない。
しかしながら、よく壊れる。
何回も突然死の憂き目にあった。

メカ部があるからである。
HDDの中には、小さな円盤が入っていて、フロッピーの超すごい版みたいなやつだが、これが高速回転していて、電磁石のヘッドで磁気的に情報を記録する。
フロッピーと違って(フロッピー、フロッピーと前提なしに言っているが、知らない人の方が多いよね……)ヘッドを直でこすらない。
回転の風圧でヘッドを微妙に浮かす設計になっているのだ。
すげえな!

ただ、電源のコンセントを足を引っ掛けて抜いてしまったり(本当にこの事故で、目の前で人のHDDが飛んだことがある。そんなベタなことあるんだね)、電柱に雷が落ちて瞬間停電が起こったり(この害を避けるために無停電装置=UPSというものを使う)、そういうときにヘッドがディスクに触れて、カリッと(?)壊れてしまう。

高速回転する部品が入っているのは怖い。
電源を付けたまま会議室なんかに持っていくと、回転モーメント力が発生して持ち重りがするような気がする。
電車なんかで使っていてもウィーンという音が周囲に響いて恥ずかしい。
調子が悪くなってくると異音がする。
軸が斜めっていてみそすり運動をしているという説もある。
動作中の傾きにも弱い。
まあ、iPodにも入っていたからそうそう壊れないけどね。

HDDは、SSDに比べると安い。
でも2TBで6千円とかだから、そんなに安くない。
だったら同じ要領でも3万円出してSSDにした方がいいと思いませんかお客さん。
それで毎日、ちょっとした作業の遅さや、騒音や、故障の恐怖から救われるのである。
まあ人それぞれだ。
(俺の文章さいきんこのフレーズ多いね)

SLC、MLC、TLC、QLC

SSDは劇的に変化している。

先にも言ったように、大量の電子回路の電子状態で情報を記録させているのだが、昔は1つのセルに1ビット、つまり2進数1桁しか記録できなかった。
ゼロと1だ。
赤と白とか、そばとうどんとか。
ウィンクの右と左どっちが好きですかとか。
それぐらいの情報しか入らない。
(これ、binary digit(2進数1桁)という言葉と、bit(少し)という英語を掛けている。ほんのちょビットなんてなあ。このダジャレを書くの人生で100回目ぐらい)

そのうちMLC(Multi Level Cell)というのが出て、1セルに2ビットが記録できるようになった。
00、01、10、11の4つの状態である。
ビートルズのポール、ジョン、ジョージ、リンゴの誰が好きかとか。
SPEEDの寛子、絵理子、多香子、仁絵の誰が好きかとか。
格納できる情報がグンと増える。

1セル1ビットの製品をSLC(Single Level Cell)と言う。
ただし、最初にSSDが開発された時点では、SSDといえば1セル1ビットだから、SLCという言い方はなかったはずだ。
MLCができて、最初のはSLCだねということになった。

携帯電話が出来たから固定電話と言うとか。
仮面ライダー2号が誕生したから、初代を仮面ライダー1号と呼ぶとか。
そういう現象だ。
こういう、新しいものが出来たから、古いものを呼び替える必要があって新たに出来る用語のことをレトロニムというそうだ。

へぇ~

でもMLCっていうけど、2つだからDualでDLCがいいような気がする。

のちにTLCというのが出来た。

Triple Level Cellで、1セル3ビット。
000、001、010、011、100、101、110、111の8種類が呼び分けられる。
モーニング娘。で言えばLOVEマシーンの8人、安倍、後藤、中澤、石黒、市井、矢口、保田、飯田のどれが好きですかみたいな。

(俺は市井が好きだった。)

それで今度はQLCである。
Quadruple Level Cell? の略というか、要するに1セル4ビット入る。
0000、0001、0010、0011、もういちいち書かないが16通りの情報が入る。
モーニング娘。だと道重さんが入ってから保田さんが抜けるまでの4ヶ月が歴史上最大の16人だった。
加護ちゃんが一番好きだったなぁ~。

ということで、同じ数のセルに、2、4、8、16通りの情報が入るように変遷してきた。
一般にSLC、MLC、TLC、QLCと進むにつれて、

- 古い方が値段が高くなる
- 古い方が故障せず、耐久性が高いらしい
- 新しい方が値段が安くなる
- 新しい方が故障するらしい

といわれる。

ぼくが初めてSSDを買ったのが2010年、Crucialの64GBで、MLCだ。
「寿命による返品は受け付けません」とか書いてある。
アハハ、寿命来ねえから!
結局1回も故障せず、容量が不満になってまだまだ元気いっぱいで動いてる古いのをヤフオクで売った。
その後、2015年に512GBを買うまで、MLCを買っていた。

ある日パソコンの部品屋のブログに「SSD化を検討している人は、すぐに、なるべく高級ブランドの、大容量のやつを買った方がいい。。TLCというとんでもない粗悪品が出てくる。。一度やすいのが出たら、悪貨は良貨を駆逐するから、高いのは売れなくなる。。そのうちあちこちのパソコンで、データが一気に喪失する事故が発生する。。MLCが出ているうちに買ったほうがいい。。」みたいな意味のことを書いてあった。

それで、安いのかと思ってTLCを買ってみたけど、まあ壊れないっすよ。
壊れません。
なんとかちゃんねるとか、価格なんとかみたいなのに、恐怖デマがいっぱい書いてあるけど、使ってから言えっての。
とりあえずTLCのSSDは大丈夫です。
他の部品に比べて壊れやすいってことはありえない。
HDDよりは絶対に強いよ。

TLCのHDDは、圧倒的に売れている。
沢山売れている製品は、バグも取れるし品質も向上するんじゃないか。
ちなみに私が買ってるのはこいつです。

家用と会社用と3回買ったけど、まあ壊れない。
とかいって、これを読んで買った人のが壊れても責任とれないけど、3台買って、しかもおいらなんてめっちゃ酷使するから、まあまあ信頼おけるデータなんじゃないかなー。

時代はQLC?

で、QLCである。
去年あたりから、中国製の安い製品が出てきたが、評判が悪かった。
壊れるのも困るけど、遅いという評判もあった。

中国製品に偏見はないけど(っていうか中国大好きか! というほどいろんなものを買っているけど)SSDという重要な製品で、名も知らぬメーカーから出ていて評判が悪いと、買う気がしない。
ていうか手元の2TBで余裕あるし……。

ところか!
なんと大メーカーのインテルからQLCのSSDが出たのである。

評判もいい。

ただ、値段がまだこなれてない気がする。
2TBで2.5万だと、Crucialの2.8万円とあまり変わらない。

実際には、上で紹介したCrucialのTLCは、接続にSATAという古い規格を使っている。
インテルはNVMeという新世代の規格を使っていて、伝送速度は速くなるとされる。

あと、QLCのSSDも、キャッシュにSLCを積んでいて、速度が低下しないようになっているという話だ。

今度SSDを買うときは、QLCを買うと思う。
ネタになるし!

SSDの換装

SSDは、最初は高い。
特に、大容量のは高い。
それで、お財布と相談して小さいのを買う。

そのうち、大容量のがだんだん安くなる。
それと同時に、こっちも動画をいっぱい貯めたりして、容量が足りなくなってくる。
それで、容量が大きいのを買って、小さいのをヤフオクで売る。
使い古した、ベッタベタのやつが、何千円とかで売れるから驚きだ。
(売るときはランダムの数字を何回か書き込む完全に消去するやつを使ったほうがいいよ)
こういうサイクルである。

前は、古いSSDから新しいSSDをデッドコピーしていた。
OSのインストールも必要なく、昨日と同じパソコンの状態で、ただ容量が増えただけ。
手間なしでラクチンだ。

(※注記、余談だが、この操作をするディスクをまるごとデッドコピーするフリーソフトが、最近うまく見つからなくなってきた。コピーすることはするけどブートセクターをコピーしないので、OSが起動しなかったりする。まあ、USBで起動するKnoppixのようなLinuxで起動してddコマンドでコピーするか、「裸族のお立ち台」みたいなディスクのデッドコピーだけが出来る製品を使えばいいのだが)

(この製品持ってるけど、このネーミング、ポリコレ的にどうなんだろうね)

ディスクを換装したらデッドコピーすることをトコロテン方式とか玉突き事故方式と言って一般的だったが、最近のぼくは使い方が変わってきた。

まず、パソコンを買ったときに、あるいは、OSをインストールした直後に、リカバリーディスクというのを作る。
メーカーのパソコンだとマニュアルに作り方が書いてるけど、Windows 10からは標準の機能で出来るようになった。
USBメモリーに作るのが手軽でおすすめだ。
ちゃんと何のディスクだったか書いて、なくさないように注意したい。

で、ディスクを換装したら、リカバリーディスクを使って初期化してしまうのだ。

(※注記、Windowsの場合、ディスクを交換してリカバリーすると、違うパソコンに入れようとしていませんかと怒られることがあるが、濡れ衣なのでMicrosoftの担当窓口に電話する。機械音声で超・長い番号を言われるが、それを入れるとインストール出来る。正規購入品の場合だけどな!)

メーカー製のパソコンの場合は、工場出荷状態に戻るので、認識されるディスク容量が小さくなっている。
パーティションなんとかというフリーソフトなどを使ってディスク全体を使えるようにする。

なぜクリーンインストールするか。
パソコンのディスクというのは、人間と一緒で長い歳月のうちにはいろいろ汚れてくる。
余計なことを覚えるのだ。
もう使ってないソフトのバージョンが入っていたり。
変なサイトのキャッシュが入っていたり。
フリーソフトが勝手に入れたマカフィーなんとかとか、なんとか!ツールバーとかが入ってたり。
しくじった設定ファイルが入っていたりして、ロクなもんじゃないのだ。

だから、ディスクを買ったついでにスッキリ精算する。
気持ちいい。

アプリケーションのインストールなんかは、使うやつを順々に入れていけばいい。
たいした手間ではない、
古い、使いもしないアプリが入っているよりもいい。

設定が、まあ面倒だ。
でも、いまどき何か困っても、ググったらすぐ答えが出てくる。
意外と頼りになるのが昔の自分が書いたネット記事である。
困ったことがあってSNSやブログを検索すると、自分の記事が不意に出てきて、まさにその悩み事の解決法が書いてあってびっくりする。
USキーボードの設定とか。
Google日本語入力を入れてMS-IMEを殺す方法とか。
いろいろ書いている。

さすがは昔の俺、今の俺と同じことで引っかかってるなあとか。
俺が書いた文章は自分が書いただけに分かりやすいなあとか思う。
まあ一回やったら覚えとけって気もするが。

こんなの、昔はメモしても、すぐにどっかにやってしまっていた。
パソコンに保存しても、そのパソコンのハードディスクを売ってしまっているので、もう残っていないことがある。
これが怖くて、ゴミみたいなデータを終生持っていた時期もあった。

でもネットの時代になって、昔の自分が書いたことが残っている、検索すると出てくるというのはうれしい驚きだ。
ということで、設定の面倒さというのは、年を追うごとに極小化してきた。

昔のディスクを捨てるとき、一番悩むのはデータである。
外部から持ってきた音声とか動画とか、自分で書いた文章とかスマホで撮った写真とか。
めったに見ないけど、たまに見る。
捨てがたい。

でもこれも、いまどきクラウドにアガっている。
Dropboxにボコボコ入れているので、一晩シンクすれば復旧する。
これがあるから、TLCが不安、QLCがあぶないと言われても、あんまりピンと来ない。
ディスクがクラッシュするという事態が、それほど大惨事ではなくなっているのだ。

UNIXの場合はドットファイルをクラウドにアゲられるのでさらに便利だ。
githubにアゲて設定を自慢する人もいるというが、まだそこまでの自信はない。

ノートパソコンこそ2TB

2TBを使っていると「2テラなんて必要ですか」と言われる。
必要だ。

よく、SSDは起動ドライブの128GBで、データは安いHDD……とか言っている人がいるが、俺はもうそんなチマチマチマチマしたことで神経を使っていられない。
人生は短いのである。
ファイルを整理したり、移動したり、コピーの遅さに耐えたりしているのであれば、ボーンと2TBを入れてしまったほうがいい。

ノートパソコンに2TBを積んでいると便利だと気づいたことがあって、それは入院したときだ。
驚くほど動画が入っているのである。
一人ネットフリックス状態だ。
しかも自分が興味ある動画しか入ってない!
こりゃええわ。

真面目な用途でもノートパソコンの大容量化は効く。
書きかけのプログラムや原稿が、ローカルにあるという安心感がある。
ネット接続がなくても、極端な話クラウドが落ちても、シンクしていればローカルにコピーがある。
まあ、どうしようもなく富豪コンピューティングの考え方ではあるが、SSDに3万円はそんなに高くないですよ。

まとめ

- HDDのSSD化は割のいい投資である
- 作業が早くなり、騒音がなくなり、故障の危険も減る
- 論理的に寿命があるが、現実的に寿命を気にする必要はない
- HDDの方がメカ部があるので壊れやすい

- 新しいモデルほど最初は高いが待っていると安くなる
- TLCはほぼ安心な技術である
- 今はTLC、2TBで3万円の製品を納得して使っている

- SSDの換装は、昔は旧ディスクをデッドコピーしていたが、汚れたデータもコピーするのでやめた
- PCを買ったり、OSをインストールしたら、まずリカバリーディスクを作る
- SSDを換装したら、それでクリーンインストールする
- パーティションが小さいので大きくする

- 設定はいまどきググればすぐ出てくる
- 自分の設定をブログやSNSに書いておくと将来役に立つ
- ユーザーデータはクラウドにアゲると安心
- 設定ファイルもクラウドにアゲられる

- だからクラッシュはあまり怖くない
- チマチマディスクを節約、整理するのは性に合わないので2TBでボン(強くすすめるものではない)
- ノートパソコンに大容量SSDを積むといろいろ助かる

さらにまとめると、SSDは超おすすめだ。
まあ、いまさらぼくなんかが力説するまでもなく常識ですよね~~

(この項終わり)

会社員兼業ライターの深沢千尋です。いろいろ綴っていきますのでよろしくです。FaceBook、Twitterもやってますのでからんでください。 https://www.amazon.co.jp/l/B005CI82FA