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【エネチェンジ】ユビ電の申し立てについて

こんにちは。MAKOです。
先週エネチェンジは「EV補助金枯渇に関するメディア向けラウンドテーブル」を開催しました。

このラウンドテーブルではユビ電による大規模マンション駐車場への大量設置に関してエネチェンジ城口CEOは「使われない充電器を国の税金で大量に設置するのは全くの無駄である」と痛烈に批判しています。


これに関して、ユビ電が「不正確な情報の流布による不当な競争行為を受けている」として申し立ての準備をしていることが明らかになりました。

今回はこの争いについて私なりの見解を述べさせていただきたいと思います。

ユビ電の「不正確な情報」とは何か

ユビ電の主張は以下です。

弊社は、2023年7月4日にENECHANGE株式会社が開催したメディアラウンドテーブルにおいて、不正確な情報の流布による不当な競争行為を受けていることを認識しました。

公正な競争を維持し、顧客の皆様が適切な情報に基づいて選択できる環境を保護するため、弊社は既にENECHANGE社に対して正式に申し立てを行う準備を進めております。この問題の本質とその影響を明確にし、適切な対応を求めていきます。

弊社は今後も引き続き顧客の皆様にとって最高のサービスを提供するために必要な行動を取ることをお約束いたします。

本件における弊社の見解は下記をご参考ください。

本文では「不正確な情報」が何なのか把握できません。「弊社の見解は以下参照下さい」とのことなのでリンク先を見てみましょう。

ニュースリリース内容を要約すると以下です。
・6〜10kWまで対応可能
・安価(35万円/基)で設置できる
これだけ見てもエネチェンジの「不正確な情報」が何なのか分からないですが、先ほどエネチェンジによる発表により、ようやく明らかになりました。

訂正内容は以下の通りです。

ユビ電株式会社が発表した、福岡市の既築マンション駐車場の全429車室にEV充電器を設置する計画について、「補助金が使われている場合の想定申請金額」として以下のように表記しましたが、1台あたり想定申請額の確認が十分ではありませんでした。

該当箇所:補助金が使われている場合の想定申請金額
誤)100万円(1台あたりの想定申請額) × 429台 = 4億2900万円(想定申請額合計)

つまり、ユビ電は「1台あたりの想定申請額は100万円ではなく35万円以下(1.5億円以下)であり、補助金の不正申請はしていない」と主張しているのです。なぜユビ電はこのような遠回しな主張をしているのでしょうか。

事業者のモラルの問題

もしユビ電が「1台あたりの想定申請額は35万円以下に収まっている」と主張した場合、マンション429区画に対して高額な補助金を申請したことを認めてしまうことになります。

エネチェンジが試算した4億2900万円は途方もない額ですが、ユビ電の主張する1.5億円(推定)も補助金予算30億円の5%を占めるかなりの額です。たとえ正当な申請だとしても事業者としてのモラルを問われることになるため、その点に注目されると具合が悪いわけです。

※ユビ電が35万円×429区画で補助金申請したかどうかは明らかになっていないためあくまでも推測です。補助金申請詳細が非公開である以上、この条件で試算するしかないのです(私は悪くない)。

エネチェンジのスピード対応の意味

ユビ電の発表の後、同日中にエネチェンジから訂正の発表がありました。一見、ユビ電の申し立て準備に反応した火消しのように見えますが、私はそれだけでは無いと思います。おそらくエネチェンジはユビ電の主張する曖昧な「不正確な情報」を明確にすることで、自分達の正当性を逆に主張しているのだと思います。

目に見えない頭脳戦

ユビ電にとってエネチェンジは強力なライバルですし、自社を批判されている以上「エネチェンジの主張は不正確である」というイメージを植え付けて誤った部分を明確にしない方が都合がいいのです。
それに対してエネチェンジは素直に謝罪すると見せかけて「我々の主張の不正確な部分とはこの部分だけです」と逆に反論しているわけです。

ユビ電は悪者なのか

今の制度であればユビ電の行動は短期的には最も利益を産むことが出来ます。民間企業である以上、利益の最大化は最優先事項なのでモラルはさておき企業としては間違っていません。
悪いのは利益の最大化とEV普及の方向性を一致させられなかった制度の不備であり、事業者のモラルに頼った脆弱な制度設計をした経産省の責任です。

一箇所への大量設置は見直される

7/5に開催された「EV充電インフラに関する検討会」でも、EV充電器大量設置の見直しは各社から問題提起されていたので、次回の予備費からは何かしらの制限が設けられると思われます。

まとめ

今回の件はエネチェンジ城口CEOの発言からユビ電の申し立てまで発展しましたが、結果的に制度が正しい形に見直されるのであれば結果オーライだと思います(というか城口CEOは最短で制度見直しを勝ち取るために炎上覚悟で仕掛けたように見えましたが、、どうなんでしょう)。

とりあえずエネチェンジは謝罪したわけだしここら辺でユビ電も矛を納めてほしいものです。日本のEV普及遅れを挽回するためにはそんなことしてる場合ではありません。

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