メモ:賃貸不動産経営管理士 法改正情報

○特定空家等の除却等
1. 状態の把握
   現行の法律では、市区町村長には、特定空家の所有者から
   報告徴収(行政から資料の提出や報告を求めること)を行う
   権限がないため、特定空家の管理状況等の把握が困難な場合が
   あります。
   →市区町村長に、特定空家の所有者に対する報告徴収権が付与
    され、特定空家への勧告・命令等をより円滑に行うことが
    可能となります。

2. 代執行の円滑化
   (1)緊急時の代執行制度の創設
   現行の法律では、特定空家の除却等の代執行を行うためには、
   緊急時であっても、命令等を経る必要があり、迅速な対応が
   困難でした。
   →法改正後は、緊急時に著しく危険な特定空家に対しては、
    命令等の一部の手続を経ずに代執行が可能となり、迅速な
    安全の確保が可能となります。

   ※緊急時に代執行を行う場合に省略できる手続きは、命令のほか、
    命令に付随する意見書の提出や公開の意見聴取等です。指導・
    助言・勧告は省略できません。

   (2)代執行費用の徴収の円滑化
   現行の法律では、略式代執行(所有者不明時の代執行)を行う
   場合は、代執行後に所有者が判明しても、裁判所の確定判決を
   得ないと、費用の徴収ができませんでした。
   →法改正により、略式代執行や緊急代執行時においても、行政
    代執行法に定める国税滞納処分の例にならって、強制的な
    費用徴収が可能となります。

  (3)財産管理人による空家の管理・処分
   現行法では、土地・建物の所有者が不明の場合、利害関係人の
   請求により裁判所が選出した「財産管理人」が管理や処分を行う
   こととされています。
   →法改正により、空家等の適切な管理のために特に必要があると
    認めるときは、市区町村長も「財産管理人」を選任請求が可能に
    なります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?