ELLEGARDEN、好きな友だち

これは死んだ友人とELLEGARDENに関する文章

ELLEGARDENを聴くと、ある友人のことを思い出す。

2018年5月10日、2008年から活動休止していたELLEGARDENの復活が発表された。

僕にとってELLEGARDENは、Hi-STANDARD(1991年活動開始、2000年活動休止、2011年復活)やGOING STEADY(1996年に活動開始、2003年解散)に並び、青春を支えてくれたバンドのひとつで、フェスで何度も観た。

とはいえ、単独は行ったことがないし、幕張メッセのライブも行けなかった。

初めて生でその音楽を聴いたのは2003年、高校時代に平日だったか金曜だかに学校が終わって急いで行ったパンクバンドの前座で。ELLEGARDENは3rdシングル「ジターバグ」発売前で、その後に続くブレイクの前夜だった。

2004年11月、4thシングル「Missing」を発売。

2005年4月、4thアルバム『RIOT ON THE GRILL』。

同年12月、5thシングル「Space Sonic」。

2006年8月、6thシングル「Salamander」。

この頃すでにELLEGARDENはロックファンではその名を知らない人はいない存在で、11月にリリースされた5thアルバム『ELEVEN FIRE CRACKERS』はオリコン1位

2006年から2007年にかけて行われたツアーのファイナルは、これまで「ライブハウスで演ること」にこだわり、アリーナでのライブを避けていたバンドが幕張メッセで開催することになる。

2002年、2003年にはほとんど誰も知らなかったバンドが、たった3年ほどでシーンで一番の人気を獲得し、幕張メッセでのライブをするようになった。当時の異常な熱狂は、現在30歳前後のロックファンの記憶にこびりついていると思う。


引用元:http://www.punkspring.com/index07.html


4月1日の「PUNKSPRING 2007」でELLEGARDENのライブを観て、2003年に観た際とはまったく違うバンドになっていて驚いた。洋楽バンドも含め、比較的荒い演奏とスカスカの音質の多いパンクバンドの中で、あまりに圧倒的な音圧だった。

そして僕はというと、このPUNKSPRINGがフェスデビューで、「フェスって超楽しいよー」と周りの友人に言いふらしていた。そんな中で食いついてきたのが冒頭にあるELLEGARDEN好きの友人。

彼を連れて、その年にELLEGARDENの出演する「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」に行くことになった。


引用元:http://rijfes.jp/07/timetable.html


彼はひたちなかへと向かう車の中で「細美さん!細美さん!」とその興奮を隠さず、初めてのフェスにテンションが高まっていた(もちろん僕もそう)。

正直周りにELLEGARDENを好きなヤツなんていくらでもいたのに、ELLEGARDENを聴くと彼のことを思い出すのは、このときの記憶があるからだ。

僕はこの経験をきっかけに、翌年から毎年フジロックに行くことになり今に至る。

そのあと2007年に新譜が出ることはなく、2008年活動休止が発表され、ベスト・アルバム『ELLEGARDEN BEST 1999-2008』がリリースされてそのままバンドは活動を休止する。

***

結果から言えば、その友人は2015年に死んでしまった。

だから僕は──今日までその事実さえ忘れていたけれど──2015年から今日まで、ELLEGARDENをまったく聴いていなかった。

ELLEGARDENを聴くと彼がカラオケで「風の日」や「ジターバグ」や「スターフィッシュ」を歌う姿を思い出して、さみしくなるから。

友人は芸人時代の同期で、西大井に住んでいるときは毎日のように会っていた。その後、西品川の部屋にも芦花公園の部屋にも茅ヶ崎の部屋にも中目黒の部屋にも遊びに来てくれたし、2010年以降はたまにしか会わなかったけれど、会えばいつも懐かしい話や未来の話をしていた。

当時急拡大していたベンチャーっぽいノリの居酒屋の会社で働いていた彼は「いつか自分のお店を持ちたい」と言い、個人で書き仕事をしていて独立志向の強かった僕に向かって「一緒に会社やろう」なんて言っていた。

でも、死んでしまった。

「死んだ」という事実をたまに思い出しては、なんで助けてあげられなかったのか、考える。

当たり前だけど、死んだら未来はない。

もし伝えられるのなら、「ELLEGARDEN、復活したよ」と言いたい。

生きていたら、何か、あるのに。

生きていたら、ELLEGARDENが復活する未来だってくるのに。

「生きている」というのは偉い。

すごい。

生きていれば、また、何かある。

そして僕は今日から、また、ELLEGARDENを聴くことにした。

こんな星の夜は
全てを投げ出したって
どうしても
君に会いたいと思った
こんな星の夜は
君がいてくれたなら
何を話そうとか

引用元:「スターフィッシュ」ELLEGARDEN


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

いただいたサポートは次回作への資料を購入する資金にしたいと思います!!

いい波乗ってんね〜!
80

くいしん

コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。