マ社長の星屑レビュー☆第29回「THE PRODIGAL SON/RY COODER」

「The Prodigal Son」日本語で言うところの「放蕩息子」!これは聴かなきゃいけないでしょということで、初めてRy Cooderの音源をポチりました。スライドギターの父とも言われるライ・クーダー。御歳71。学年では細野晴臣さんの一個上という年齢でニューアルバム。頭が下がります。ストーンズの「Let It Bleed」にゲスト参加もしているという強者なんですが、今作は「放蕩息子」って作品の共同プロデューサーに、ドラマーでもある息子を迎えて制作しているという茶目っ気たっぷりなおじさまでございます。世界のいろんな音楽に精通されていて、様々なコラボレーションの音源も発表されていたり、みんな知っているようなサントラを多く手がけられていたり、精力的に活動されています。

しかしながら私、ライ・クーダーのCDも含めて音源を購入するのは初めてでして、なんだか変な感じです。というのも、おかんの弟、つまり叔父さんがライ・クーダーのファンで、田舎に行ったらレコードがあったんです。70年代のものほぼほぼ。それを譲り受けてアナログで聴いてたんで、デジタルで聴くのになんか違和感があって、知らないうちに避けるようになっていたのかもしれませんが、配信をポチってやったぜ。というわけで、久しぶりに素敵なギターと歌声を聴いていきたいと思います。

優しいマンドリンの音色から始まる1曲目。右にはバンジョー。声はおじいちゃんになったなと思いますが、どこまでも優しい音像。日曜日のお昼にのんびり聴きたくなるあの感じはめちゃめちゃ健在です。ってか、めちゃめちゃ良い。最近の流行りで古風な音作りの音源が多いから、バンドが入ると逆にしっかり新しい音源に聴こえるのが面白いです。あらためて思いましたが、自分にとっての男性版ノラ・ジョーンズがライ・クーダーだったみたいです。下に収録音源も使ったライブ映像載っけときますんで見てみてください。そこではエレキギターアレンジがたっぷり楽しめます。

Ry Cooder - Straight Street (Live in studio)

カリンバイントロで、アフリカ寄りの音楽が始まると思いきやのどブルースな2曲目。しかしながら跳ねたり跳ねなかったりのリズムが先ほども名前の出た細野さんの「Roochoo Gumbo」を彷彿とさせます。そういう風に考えると、細野さんの世界の音楽を追求されてきた活動とライ・クーダーは近いものがあるかもしれません。世界の伝統音楽や民謡を自分の音楽に自然と組み込まれて、伝承なさる感じは共感されることもあるんじゃないでしょうか。

Ry Cooder - Shrinking Man (Audio)

3曲目、ジム・オルークが一瞬頭に浮かぶような音響系で始まり、ポール・サイモンを彷彿させるような音像と歌。ドラムレスでパーカッションのみってとこがサイモン感を感じるところなのかもしれませんが、トロピカル感溢れるリズムがとっても陽気でとても良い感じです。しかし、なんじゃこのアコギの音は、ってくらいかっこいい音していて、3曲目にして引き出しの多さを感じずにいられません。

4曲目、こちらは1曲目に引き続き、ブルース、ゴスペルのカバーソングなんですが、やっぱりリズムが一筋縄ではいきません。林立夫さんが叩いておられる感じです。リズムに角がないのに主張はあるっていう、どんだけ大人になったら習得できるんだろうという素敵リズムです。おそらくライはドブロギターを弾いているんですが、最後の最後のソロで申し訳ない程度だけスライドを入れてくる感じがたまりません。

Ry Cooder - Everybody Ought to Treat a Stranger Right (Live in studio)

うって変わってめっちゃ歪んだエレキギターが鳴っているぞと思いきや、シンプルなロックが始まった5曲目。こちらがアルバムのタイトルトラックで、こちらもカバーソングになります。当たり前なんですが、常に数本の絃楽器が鳴っていて、一つ一つに特徴のある音作りが丁寧になされているなと感じます。右エレキに真ん中スライドギター、左に途中からマンドリンが気持ちよく配置されています。ソロで歪みギターが帰ってきました。嬉しい。エフェクトなのか加工されているのかはわかりませんが、スライドギターチャンネルやったみたいです。やっぱスライドはいいなと思うと同時に京都のライブハウスを思い出す一曲でした。

Ry Cooder - The Prodigal Son (Live in studio)

6曲目、またもや歪んだアナログシンセ?で意表をつくイントロが続きますが、こちらはブラインド・アルフレッド・リードっていう、1880年、アパラチア山岳地方生まれの盲目の音楽家のカバーで、街角で演奏を続けて、教会の説教師として生きられた人みたいです。やっぱ高原感って滲み出るもんなんやと思いつつ、おそらく1920年代の曲が全く色褪せることなく、新しい姿になって100年後の世の中に響くのは素敵なことだと思いました。
アコギとともに歌い上げられるブルージーな歌。こちらもブルースカバーみたいですが、ジャンルがわからへん。フーって言ってるゴスペル&ジプシー的コーラスが印象的で、そういえばこのアルバム男の人の大勢コーラスが多いです。って言ってるうちに、そのまま終わっていきました。アート・リンゼイ的一曲やったみたいですね。

7曲目、高原を感じる12弦のアコギに始まり、乗っかってくるええ歌。こちらはブラインド・アルフレッド・リードっていう、1880年、アパラチア山岳地方生まれの盲目の音楽家のカバーで、街角で演奏を続けて、教会の説教師として生きられた人みたいです。やっぱ高原感って滲み出るもんなんやと思いつつ、おそらく1920年代の曲が全く色褪せることなく、新しい姿になって100年後の世の中に響くのは素敵なことだと思いました。盲目の音楽家つながりに意味があるのかはわかりませんが、その時代の音楽にライ・クーダーの流行りがあっているのかもしれませんね。アメリカじゃないとなかなかこの年代に生まれた音楽を聴く機会も少ないので、なんかいいなと思います。こちらの方も教会の方やったみたいで、歌自体は人を諭すような内容なのかもしれませんが、さっきの曲もそうなんですが、どこまでも牧歌的でいいなと思いました。

8曲目、こちらもブラインド・ルーズヴェルト・グレイヴズっていう、1909年生まれの全盲の音楽家のカバーみたいです。盲目の音楽家つながりに意味があるのかはわかりませんが、その時代の音楽にライ・クーダーの流行りがあっているのかもしれませんね。アメリカじゃないとなかなかこの年代に生まれた音楽を聴く機会も少ないので、なんかいいなと思います。こちらの方も教会の方やったみたいで、歌自体は人を諭すような内容なのかもしれませんが、さっきの曲もそうなんですが、どこまでも牧歌的でいいなと思いました。兄弟みたいで、緯度高い&牧歌的な感じは引き続き続いています。それがまたいいです。しかしながら全然知らない人たちばっかやから、曲聴きながら調べてそれを書いてるので、次聴くときにに落ち着いてまた聴きたいなと思うカバーソングたちでございました。

9曲目、ちょっと年代が近づいて、1946年ごろから活動されていたザ・スタンレー・ブラザーズという、ブルーグラスの兄弟デュオのカバーみたいです。その2人もディケンソン郡 (バージニア州)のクリンチ山脈近くの小さな牧場に生まれた6曲連続のカバーソングの流れからものすごく自然に聴くことができます。しかしながら曲調的にアルバム最後の曲と違うんかと思いつつ、次の最後の曲がどういう締めくくりになるのかをもう楽しみにしている自分がいます。
兄弟みたいで、緯度高い&牧歌的な感じは引き続き続いています。それがまたいいです。しかしながら全然知らない人たちばっかやから、曲聴きながら調べてそれを書いてるので、次聴くときにに落ち着いてまた聴きたいなと思うカバーソングたちでございました。

10曲目、ここへ来て久しぶりのオリジナルソングのほぼ弾き語り。6曲連続のカバーソングの流れからものすごく自然に聴くことができます。しかしながら曲調的にアルバム最後の曲と違うんかと思いつつ、次の最後の曲がどういう締めくくりになるのかをもう楽しみにしている自分がいます。カバーで幕を閉じます。黒人霊歌の要素を取り入れた「ニグロ・フォーク・シンフォニー」を作ったことで有名な人らしく、曲的にはブルースなんですが、そんな要素も感じる、陽気なアレンジに仕立てられています。あらためて、自分は知らない音楽家たちのカバーが多かったんですが、1900年代初頭からのアメリカの音楽を勉強してからこのアルバムを聴くとまた違った流れが見えてくるんだろうなと、それを伝承しようとしておられるのかとあらためて思い、アメリカの細野晴臣だなとあらためて思った一曲でございました。

最後11曲目。ウィリアム・リーヴァイ・ドーソンという1899年生まれのアフリカ系アメリカ人の作曲家、合唱指揮者のカバーで幕を閉じます。黒人霊歌の要素を取り入れた「ニグロ・フォーク・シンフォニー」を作ったことで有名な人らしく、曲的にはブルースなんですが、そんな要素も感じる、陽気なアレンジに仕立てられています。あらためて、自分は知らない音楽家たちのカバーが多かったんですが、1900年代初頭からのアメリカの音楽を勉強してからこのアルバムを聴くとまた違った流れが見えてくるんだろうなと、それを伝承しようとしておられるのかとあらためて思い、アメリカの細野晴臣だなとあらためて思った一曲でございました。そんなことを気にしないで聴いても当たり前にええアルバムやなと感じた一枚でした。でも、ライ・クーダーの意思や思いなんかがわかるともっと楽しめる一枚なんだろうなと思います。もう自分は中年ですが、おじいさんになっても聴くアルバムだろうなとも思いますし、自分の叔父さんのおかげで知ったライ・クーダー。そんな繋がりをこのアルバムを持って、次の世代に広げていけたらいいなと思った作品でございました。

というわけで、アルバム聴き終わったんですが、勉強の割合が多かったにも関わらず、そんなことを気にしないで聴いても当たり前にええアルバムやなと感じた一枚でした。でも、ライ・クーダーの意思や思いなんかがわかるともっと楽しめる一枚なんだろうなと思います。もう自分は中年ですが、おじいさんになっても聴くアルバムだろうなとも思いますし、自分の叔父さんのおかげで知ったライ・クーダー。そんな繋がりをこのアルバムを持って、次の世代に広げていけたらいいなと思った作品でございました。

(マ)

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おもむろに気になった作品や、よく聴いていた過去音源、素敵な新譜なんかをやんわりした言葉で紹介していきます。
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コメント3件

佐藤さんのレヴュー読んでいてとても楽しいです。聴いてみます、ライ・クーダー。
普段なかなか自分では聴く機会の少ないタイプの音楽でしたが友達の家やお店の中で聴こえてきたら、渋くてカッコいいなぁ。。と思うような今回のアルバムでした。わたしも7.8曲目の牧歌的な感じ、いいなぁと思いました。もっともっと聴き込めば色んな発見がありそうですね。いつもさまざまな音楽体験ありがとうございます☺︎
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