「ソングライン」セルフライナーノーツ

2017年秋頃に書いた曲だったと思います。

元々は、私のやっているもう一つのロックバンド、サンフジンズ用に書いた曲です。

サンフジンズの奥田民生氏に歌ってもらおうと思って書いた曲だったのですが、彼にお願いして、くるりに譲渡してもらいました。歌メロとか、歌詞のイメージとかは奥田民生節を少し感じることが出来ると思います。

歌詞とメロディーは10分くらいで一筆書きの要領で書きました。流れ行く時代、老いゆく人々、去るもの、生まれ来るもの、目の前にあるものについて書きました。ご友人を思い遣ったり、誰かの背中を押すために書いたとも言えますが、結局混迷する自分自身、時代感、世代観が滲み出たものなのかも知れません。とても私らしい歌詞だと思っています。

デモはSTUDIO SIMPOで小泉大輔氏のもとシンプルなものを制作しました。そこから、リズム録音は若手気鋭のジャズドラマー、石若駿氏を迎え新宿のgreenbirdで、木管アンサンブルとファンファンのトランペット、徳澤青弦氏のチェロは青葉台スタジオで、その他録音、プロダクションはFIRSTCALLで行なっています。録音は宮崎氏と谷川氏、ミキシングは谷川氏。素晴らしいミックスです。

元々の曲想はビートルズとかクリームとか、ニールヤングなんかを想起させるシンプルなフォーク/ブルースロックですが、度重なるオーヴァー・ダブでトラック数は100を超えました。定位の工夫により録音したサウンドは全て活きています。

最後のコーラスからアウトロにかけて、ブラス・セクションがラヴェルの名曲「ボレロ」風のアンサンブルを奏でています。今作を象徴するような長いアウトロの中で、私はジョージ・ハリソン風のスライドギターを弾き、ツアーギタリストまっちゃん(DAIKI MATSUMOTO)がヘヴィー・メタル風の速弾きリードギターを、チェロを徳澤青弦氏が弾いています。佐藤さんのベースと私が打ち込んだオルガンが縦横無尽にスケールアウトする辺りに入ってくるオーケストラの不協和音は、シゲイチこと岸田繁交響曲第1番のサウンド・コラージュです。イントロやコーダ部分にも施しました。とは言っても、私のiPhoneからステレオミニプラグで録音したものですが…。クレジットを見てもらえば分かると思いますが、兎にも角にも思い付いたアイデアは全てカタチにしています。

曲のアタマ、オーケストラの不協和音に続いて聴こえてくる缶ビールの「プシュ」は、この曲の象徴的な瞬間を演出しています。スタジオにいた全員がマイクの前で缶ビールを開封し、その録音にトライしましたが、エンジニア谷川氏のものが採用されています。年の功でしょうか。缶ビールの開け方についてこんなに検証したのも初めてでした。

「ハイネケン」という仮タイトルが付いていましたが、登録商標だということに加えて、このアルバムのタイトル曲として相応しい仕上がりになったこともあり、アルバムタイトルそのままにタイトルを命名しました。

蛇足ですが、2番ヴァース、ファンファンのトランペットが突然奏で出すメロディーは、今年在籍7年目になる広島東洋カープの外国人野手、ブラッド・エルドレッド選手の応援歌です。歌詞に登場する「カントリー」は彼の愛称です。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

136

others

2つのマガジンに含まれています

コメント3件

ライブで聴いたときの激しさはありませんが、たくさんの音が入っていて、昔放課後吹奏楽部で各々が練習してる音が混じり合った自由な空気感を思い出し、ボレロの一節でさらにノスタルジーを感じ、とても心地よいです。
冒頭の写真、ボウモアの黒ってそれですか?(*‘∀‘)
ライブで聴いた時はとにかく気持ち良い!と聴いていました。今は私的人生のタイミング的にかなり沁みております。背中を押して貰っています。ボウモア買いに行こうと思います、!
この曲は最初に立誠小学校でアコギでの弾き語りを聴いて、次に「線」のライブで聴いて、アルバムで聴いた時にはかなりの音数に変化して、まさにくるりの曲が出来上がってました。なんでこんなに色んな音が入っているのに何度聴いても心地よく流れるんでしょう。。歌詞も誰もがふと思う日常感に生きるということの真意みたいなものチラッと感じ
られて人間くさくて好きです。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。