マ社長の星屑レビュー☆第25回「コメニケーション/DJみそしるとMCごはん」


さて今月も何を聴こうかなと物色していたところ、見つけてしまいました、これ。
DJみそしるとMCごはんさんはもちろん存じ上げていてラジオで聴いたり、テレビで拝見したりしてたのですが、音源を購入して聴いたことはありませんでした。
しかしながらまずこのコラボしている人たちにやられてしまいました。
杉並児童合唱団とやっちゃうなんて。曲タイトル見るだけでまずジェラスです。
ピンポンパン体操から始まり、ジブリ映画やなんやかんやで耳に目にしてきて、しかも杉並区民という私。惹かれるなという方が無理です。さらに米米クラブファンだったからこそ感じとれる曲タイトルのセンス。
昔は「KOMEGUNY」や「私こしひかり」など、米関係のワードに触れてきたからこそ感じる親近感。って思ってたら、やっとるやないか、ラスト曲でやっとるやないか、米米と。セカンドジェラスです。
久しぶりにええなー、ソニーって思いました。てっぺいちゃん(石井竜也さん)以外のメンバーさんにはお会いしたことがあるんですが、羨ましすぎる。しかも米米とコラボってどういうことなんと思い、ポチッとさせていただきました。今回、全然違う聴き方になると思うのですが、堪能していきたいと思います。

まず1曲目「ライスマイル r.t.m. 杉並児童合唱団」。
いきなりのセリフから入ったぞ、杉並っこ。スティールパンの南国の風に吹かれながら、米を通したコミュニケーション、コメニケーション感が早くも伝わってきます。児童合唱団がヒップホップとどう付き合うんだと思っていたら、めちゃめちゃ楽しそうやないか。DSを手放し、歌を歌う喜びと共感するリリックで都会過ぎない杉並のええ感じの子供感がふんだんに出てると思います。パラライスっていう言葉も根拠はないけどすごい自身がみなぎっていていいなと思います。みんなのうたで流せばいいのに。でも一言だけ言いたい。コメは洗うんじゃない、研ぐんだ。

DJみそしるとMCごはん 『ライスマイル』

https://www.youtube.com/watch?v=_etEMlQxM5Y

2曲目「恋はコメ色 r.t.m. Homecomings」。
こちらは京都の誇る良心「Homecomings」とのコラボ曲です。リリックも京都よりなのかはよくわかりませんが、ビート的にシュープリームスの「恋はあせらず」なので、タイトルもそこらへんから来ているのでしょう。
演奏もHomecomingsなんだと思うのですが、こちらはわかりやすく、サビになったら歌もHomecomingsになるという、超爽やかポップチューンです。英語なもんで何を歌っているのかはよくわかりませんが、米愛を歌ってくれていることを望みます。
しかし、女の子MCと女の子Voが共存しているのが、なんもないやろけどちょっとヒリヒリ感があって良いです。

3曲目「おにぎりはお守り r.t.m. 関取花」。
アコースティックギターとピアニカという、お守り感のあるイントロからこちらもほっこりするリリック。音楽的にはコラボアーティストの音楽性に委ねられているっぽいですね。こういうコンセプトだと一枚でいろんな音に触れられるので飽きずに楽しくて良いですね。こちらもサビから入ってくる関取花さんの歌がそんな歳も変わらへんやろにお母さんみたいに聞こえて、ラップする子供とそれを微笑みながら見守るお母さんの歌みたいでなんだか幸せを感じます。あんまありませんよね、幸せを感じる歌。聴き終わる頃には「おにぎりはお守り 」だなと洗脳、いやほんとにそうだなと思われていることを保証いたします。

4曲目「米夢☆米舞 r.t.m. ONIGAWARA」
いきなり野郎の語り始まりで、うって変わってお金の匂いのするトラックになってドッキリしましたが、Van McCoy 「The Hustle」フィーチャーのノリノリアダルティーな4曲目。「マイム星マイム」というチャラさはあるものの、サビが超キャッチーで相変わらずやっぱり子供と楽しめるキッズソウルですね。
NHKホールとかで家族連れコンサートしたら幼稚園児も踊り狂ってくれそうな一曲。マイムマイムのメロに引っ掛けたミドルエイトが入るっていうセンスがすごい。

5曲目「ライスッス r.t.m. ケロポンズ」
こちらはまた直球どストレートにエレメンタリスクール向けの楽曲になったなと思ったら、ケロポンズさんは「エビカニクス」のお二人だったんですね。そらもう、鷲掴みですわ。掴まれますわ。ちなみに今年の運動会でも下の子が玉入れの合間に踊っておりました。お世話になっております。
そしておみそはんとケロポンズさんとの相性が最強で、なんの違和感もなく相乗効果もすごいと思います。
世間的イメージとみなさんの表向き精神年齢がすごい近いのでしょうか、ナイスコラボっす。

6曲目「CITY RiCE r.t.m. mabanua」
ここに来てマバさん。またここで大人を挟んでくるところが大人で大人もくすぐられますね。音作りからして異色なんですが、豊かな低音をこの流れで聞くと包み込んでくれているような気分でこれまた安心できる楽曲です。いやぁ、ええ仕事しはるな。
リリックは全然違うんですが、昔流行った山口美江さんの「しばづけ食べたい」のアーバンな世界観を2017年に置き換えて、しかもそこにご飯をよそって同時に出してくれる人がいるような暖かさ。
それを生姜焼きとご飯で表現されているんですが、ご飯を通じ、一人でもそこに家族感や自分の強さや弱さを感じられる喜びということにまで昇華しきったこの楽曲、ええ歌です。

7曲目「わたし、ごはん r.t.m. SHINCO(スチャダラパー)」
来ました、ご飯目線からの一曲。なんだかとっても斬新で、生まれてからのアルバムを楽しみながら見ているような気分になれます。打ち込み曲ながらサビが「ハレルヤ」フィーチャーで「タケルヤ」と大合唱とそれからのコーラスワークが今までなかった感覚で、御飯賛賞とでも申しますか、「ナケルヤ」にリリックが変化していき
ここに来てご飯に感謝する気持ちを抱かせてくれるありがたい一曲でございます。

DJみそしるとMCごはん 『わたし、ごはん r.t.m. SHINCO(スチャダラパー)』

https://www.youtube.com/watch?v=swO9sWX149g

8曲目「どんまい r.t.m. 米米CLUB」
ついに来ました、米米CLUB。まずタイトルがいいです。ホーンセクションからの懐かしい米米っぽいイントロからやっぱり歌に寄り添う演奏だな。ドラム、ベース、ピアノ、パーカッションというシンプルな構成で、ご飯のように寄り添ってくれています。サビになってストリングスとホーンセクションとてっぺいちゃんの声が入ってくるともうそりゃ米米CLUBですよね。リリック的には一番自然体な現実の中で感じるご飯への愛を感じます。
しかしながらてっぺいちゃんが歌うとそれがめっちゃ真面目で壮大な歌に聞こえるんです。いや、ご飯をテーマにすると壮大になるものですよね。何も間違ってはおりませんでした。「私たち二人米噛みクラブ 噛むトゥギャザー浪漫飛行」っていうリリックもたまらないのですが、エンディングのソウルフルな展開と終わり方がいかにも米米でたまりません。姉にも聴いてほしい一曲です。

というわけで、アルバム一枚聴き終わりました。いやぁ、このアルバムめちゃめちゃ良いですね。
ぜひとも子供さんのいるご家庭だけじゃなく、ご飯を愛する日本の家庭に一枚置いてもらいたいです。
ほんとこのアルバムで食育ならぬ音育できますよ。そこの糖質制限しているマッチョなみなさんもたまにはご飯を食べようぜ。というわけで、素敵なアルバム、ありがとうございました。

(マ)

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