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余談的小売文化論

「知性ある消費」をテーマに、現代の消費行動や理想論と現実的な問題のギャップについて考え、言語化しています。「正解」を語るのではなく、読み手が自分なりの正解を見出すための一助になる… もっと読む
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2021年2月の記事一覧

そして、戦いの武器は原始にもどる

そして、戦いの武器は原始にもどる

「第四次世界大戦で使われる武器は、石と棍棒だろう」。

とあるインタビューで、アインシュタインはそう語ったという。第三次世界大戦は核戦争になることが予想され、そうすれば現代の文明もろとも消失してしまう可能性が高いため、第四次世界大戦では原始の時代に戻らざるをえないだろう、という皮肉である。

幸いまだ今のところ第三次世界大戦は起きておらず、この予想を証明することはできない。しかしビジネスの世界を見

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ブランドとしての成長とSNS機動力のコンフリクト

ブランドとしての成長とSNS機動力のコンフリクト

私はSNSに育てられ、現在も仕事の大半はSNSやそれにまつわる知識を活用している。SNS活用のアドバイスをしたりもするけれど、いろんな人と話せば話すほど、みながみなSNSをやるべきというわけでもないのではないか、と感じるようになった。むしろやらなくてすむならやらない方がいいのではないかとすら思う。

SNSは基本的に弱者が下剋上するためのツールである。TwitterであれInstagramであれY

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インターネットという無政府国家について

インターネットという無政府国家について

昔から一貫して主張していることのひとつに、「パクリ問題はSNSではなく法廷で争うべき」というものがある。特に小売の世界はトレンドとパクリの境界線が曖昧だし、分業が進んだ結果、意図せず似てしまうこともある。

どこからどこまでを許容範囲とするかは個人のお気持ちではなく、これまで積み重ねられてきた判例によって判断されるべきである。法治国家に暮らす以上は、一方的な視点から制裁を加えるべきではない。

「神秘性」という希少資源

「神秘性」という希少資源

clubhouseが大流行しているこのタイミングで、ちょうど監視社会にまつわる本を読んでいた。その中に出てきた「人々は自らパノプティコンに入っていこうとする」という記述が、現代を言い表しているように思う。