「嫁ブロック」の陰に隠れた「彼氏キャップ」の罠

「嫁ブロック」とは、言わずと知れた「嫁が夫の転職や独立に反対し、阻止すること」の意味であり、もはやネットスラングの域を超えて一般的なワードになりつつあるように思う。

あるある!という状況を的確に集約した素晴らしいワードである。

ただ、個人的には「本当にブロックするのは嫁だけか?」という疑問も持っている。

むしろ女性の場合は表立ってブロックされない分、自分たちでも気づかないうちに勝手にキャップを作り出しているのではないかと思っている。

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経沢さんが「女性起業家の結婚相手とは?」で紹介されていた、先輩の女性社長の言葉がとても印象的だった。

恋愛はドキドキでもいいけど、それは20代、30代までの話、
大人になったら、なによりも、心が平穏に感じる相手を選ぶべき。
じゃないとずっと振り回されて、人生でなにも成し遂げられない。
自分のことを愛してくれる男性は、相手を不安にさせたりしないものでしょ。
愛は本当はシンプルなものだよ!

さらに、経沢さんは女性起業家のパートナー選びについてこのように書かれている。

うまくいくパターンは、
こころから応援してくれる相手、かつ、女性を不安にさせない言動な人(誠実な人)
うまくいかないパターンは
起業反対派(奥さんの活躍を本音は嬉しく思えない)かつ、女性を不安にさせる言動をとりがちな人

これだけ読むと当たり前のようにも感じるが、「女性を不安にさせる言動」に言及されているのがポイントだと思う。

女性がステップアップしようとするとき、ほとんどの場合は表立って反対されない。それはある意味男性のプライドのようなものなのかもしれない。

しかし、いざステップアップすると家事に非協力的だったり、理由もなく不機嫌な日が多かったり、そうした「不安にさせる言動」に悩まされている友人が多いように思う。

女性の方がそうした変化を敏感に感じてしまうが故に、自分の中で勝手に
・相手にあわせて挑戦を諦める
・相手との関係を解消して自分の夢を追いかける

の二者択一を作り上げてしまう。

私たちは心のどこかで仕事においてパートナーを超えてはいけないという呪縛にかかっているし、無意識に相手の顔を立てることを考えてしまう。

だから、女性の場合は面と向かって「ブロック」されるのではなく、ガラスの天井のような「キャップ」がつきまとっているのではないかと思う。

女は、選んだ相手の器以上に大きくなれないのだ

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この状況を回避するためには、
①自分では絶対に追いつけないレベルの相手を選ぶ
②そもそも評価基準が違うまったく異分野の相手を選ぶ
③「張り合う」ということから解脱した仏のような相手を選ぶ

のどれかしかなくて、最近10歳以上離れた人と結婚する女性が増えてきたのは③に近いからなのではないかと思う。

これは男女関わらず言われることだけれど、人間は10以上年の離れた相手を敵とみなさない性質がある。

アラサーから見て25、6歳は敵になりうるが、大学1年生くらいになるともはや守るべき存在であり、どんな生意気なことを言われても「かわいいなあ」としか思わない。

だから自分が生意気だと自覚がある人ほど、10の年の差を意識した方がいいと思う。

ただここで何より重要なのは、女性自身が勝手にキャップを作ってしまわないことだ。

相手の不機嫌も冷たさも、自分のステップアップそのものにあるのではなく、連絡頻度や一緒に過ごす頻度が落ちたことに起因している場合も多い。

相手は「状況」に対して問題を感じているのに、こちらが勝手に「ステータス」が問題だと思ってしまうことが不幸を作っているように思う。

特にミレニアルズと呼ばれる1980年代以降生まれの男性たちは無駄なプライドなんてない人が多いし、きちんと話せば成長を心から応援し、支えてくれるはず。

巷に溢れる恋愛論では相手より下であることを推奨されるけれど、それを鵜呑みにしているとそういう相手ばかりを引き寄せてしまう。

「彼氏キャップ」を引き起こしているのは自分自身の勝手な思い込みであって、自分のやりたいことを根気よく伝える手間を惜しんではいけない、と思う。

そして男女問わず、これからは相手の「その人らしさ」を受け入れられる人がモテる人になっていくんだろうなあ、とも。

その場限りでしか使えないような細かいテクニックを習得するより、遠回りに見えても人間力をあげていくことが一番の近道なのでは、と相談を受けるたびに思う今日この頃です。

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(Photo by tomoko morishige)

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最所あさみ

Retail Futurist / curator。「知性ある消費を作る」をミッションに掲げています。 将来は世界一の店舗メディアを作る予定。noteの有料マガジン「余談的小売文化論」とコミュニティマガジン「消費文化総研」もよろしくどうぞ!

本と映画と、エトセトラ。

読んだ本・観た映画について気まぐれに。 (photo by tomoko morishige)
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コメント2件

身に染み入ります。お言葉が
読んでちょっと泣けちゃいました
そうなんですよね、自分自身の勝手な思い込みがキャップを作ってしまったりするんですよね
できるだけ正直に誠実に自分の思いを伝える努力を忘れないようにしたいなと思います
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