「社長」と呼ばれる、すべての人へ。

「社長って楽しそう!」と無邪気に思っていた子供時代。

しかし、社会人歴を重ねるごとに社長業というものの大変さを学び、最近は社長という肩書きの方に出会うたびに「お疲れ様です…!」と心の中でエールを送っている私です。

自分としてはある程度社長業の大変さをわかっているつもりだったものの、最近「そうか、社長の一番大変な部分はこれかもしれない」と思った出来事がありました。

それはミクシィの元CEOである朝倉さんのトークセッション書き起こしを読んだことがきっかけです。

平社員が経営陣に一言「全員辞表を出してください」朝倉祐介氏がミクシィ復活劇の舞台裏を振り返る

記事自体ももちろん面白かったですし、NewsPicksのコメントも面白いものが多く、楽しく読んでいました。

その中で、元ミクシィの社員の方が「あまりに美談にしすぎている。実情はそうではなかった」という趣旨の記事を書かれているのを目にしました。

それを読んだ時、「そうか、社長が孤独な仕事というのはこういうことなのだな」と痛感したのです。

元社員さんの記事に書かれていたことは、きっと嘘偽りない事実なのだと思います。

ただ一方で、単純に視座の違いなのだろうなという印象を私は受けました。

例えば「○○に力をいれてくれていたわけじゃないのに、さも自分の手柄のように言わないでほしい」という主張に対しては、おそらく朝倉さんが作りたかったのはそうした新しいものが生まれる土壌であり、何かひとつに賭けてV字回復させようという考えはそもそもなかったのではないかと思います。

でも、実際に現場の人間からしたらそれが手柄の横取りに見える気持ちもよくわかります。

こうしたすれ違いを見るたびに、組織づくりの難しさをひしひしと感じます。

好かれようとするな、フェアであれ。

「正義の反対は悪ではなく別の正義」とよく言いますが、どちらも事実を言っているのに、視座の違いによって軋轢が生じるのはままあることだと思います。

すれ違いによって生じる内側からの誹謗中傷や離反。

これこそが、社長業をやる上で一番胆力を試される部分なのではないかと思います。

特に、規模が大きくなるにつれて現場との距離が離れると、人柄ではなく「やったこと」で人は評価するようになります。

社長の判断は、常に全員にメリットがあることばかりではありません。

誰かに我慢してもらう必要があったり、今だけ堪えてくれという時期もあるはずです。

そうした我慢によって不満が生まれ、真意を理解してもらえないままに嫌悪されていく。

人は誰でも、できるなら嫌われたくないものです。

それでも、嫌われることを覚悟してやりきる胆力こそがトップに立つ人間には必要なのです。

女性が管理職になったら読む本」の中でも、「好かれたい」ではなく「フェアだと思われたい」と考えることの重要性が説かれていましたが、個人的な感情とチームの責任者としての判断を混同しないための思考の切り替えは、管理職全員に求められるものだと思います。

それでも、社長は理想を語らなければならない。

私は常々「トップこそ情報発信を」と言い続けているのですが、組織が大きくなればなるほど、外ではなく内側からの批判への恐怖が大きくなるように思います。

「あんなこと言ってるけど実情は全然違う」と言われないだろうか、「ブログ書いてる暇があったら仕事してくれ」と思われないだろうか、そうした恐怖心は、時に炎上リスク以上に書き手の心にブレーキをかけるものです。

一会社員である私ですらそうした恐怖心を少なからずもってきたので、いわんや社長をや、です。

それでも、やはりトップ自身が語っていかなければ、組織は大きくなっていきません。

「理想ばっかり言いやがって」と言われることもあるでしょう。

「全部自分の手柄にして、よく言うよ」と言われることもあるでしょう。

それをじっとこらえて理想を語りつづけることが、社長の仕事なのだろうと思います。

私自身は極力社長という立場を回避して生きていきたいと思っているものの、長い人生のどこかでそんな機会が訪れたら、この記事を思い返して覚悟を決めたいと思います。

追伸:個人的にmixi時代の朝倉さんのブログが好きすぎるので、ぜひまたどこかでブログを書いていただきたいな願っている今日このごろです。

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(Photo by tomoko morishige)

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最所あさみ

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