見出し画像

私にとって「クリエイティブ」とは何か

月曜日に櫻田さん×チャーリーさんと「クリエイティブの正体」というテーマでイベントを開催したのですが、抽象的で正解のないテーマだったからこそ今も自分の中で「クリエイティブとは何か」についてぐるぐると考えてます。

お二人にとっての「クリエイティブ」の違いは、櫻田サロンのメンバーでもある行武さんの図解がポップでわかりやすいので、興味のある方はぜひ元ツイートに飛んでじっくり見てみてください。

個人的には、櫻田さんが「クリエイティブの方程式」で、クリエイティブをアートとデザインに分けていたのが印象的でした。

アートというある意味俗人的なものと、デザイン(=システム)という仕組みの力。

一見相反するように見える要素を融合させることで新しいものを生み出すという考え方は、もともと私が考えていたクリエイティブの定義に近いように感じました。

ちなみに私にとってのクリエイティブの定義とは

「矛盾を融合させるある1点を見つけること」

です。

私は、世の中というのは矛盾に満ちた混沌としたものだと思っています。

A・B・Cのどれもが正解な中で、自らの正義とは何かの軸を持ち、矛盾の中から新しい解決策を生むこと。

それが私にとってクリエイティブであるということです。

例えば私は勝海舟が大好きなのですが、幕末における彼の立場は常に矛盾しているんですね。

徳川体制に守られ生かされてきた幕臣としての立場と、将来の日本を見据えて幕藩体制から新体制への移行を目論む個人としての立場というどちらの陣営からも理解されず暗殺者に狙われ続ける大きな矛盾を、彼は『江戸百万の命を守る』という一本の正義によって融合させ、無血開城を成し遂げたわけです。

『クリエイティブ』というと新しいものを作ることをイメージしがちですが、私はどうやらAとBという対立概念や矛盾を両立させるためにCというやり方を創り出す人にクリエイティビティを感じるようです。

そしてそれは、単に第三の道を作るということではなく、両方に属しながらとか2つとも肯定しながらバランスをとっていくということでもあります。

対立概念に出会った時、白黒をはっきりさせて『私はこっち』と所属先を選び、それ以外を切り捨てる方が断然楽です。

でも切り捨ててしまった方にも真実はあって、その矛盾に悩み続けることが生きるということなのだと私は思っています。

ちなみに、イベントでのトークを通して『ヒトの櫻田さん、コトのチャーリーさん』という違いがあったので自分はどちらだろうと考えた結果、クリエイティブを感じるのはコトだけれども、興味があるのはヒトなのかもしれないと気づきました。

イベント後に話していた時は『コトにクリエイティブを感じられない』という話をしていたのですが、よく考えてみると私は矛盾という構造を突破する仕組みの部分に興味があり、ただそれを成し遂げるのは個人の意思だと思っているからこそ『クリエイティブ』と言われてパッと浮かぶのがヒトばかりになるのだろうなと。

クリエイティブは仕組みの中から生まれるものですが、チャーリーさんが『クリエイティブとは逆説』とおっしゃっていたように、自然に動いている仕組みの中に人為的に不自然を作るということがクリエイティブで、その不自然を起こした人は誰で、なぜそんなことをしたのかに猛烈に興味を持ってしまうんですね。

例えば前述した大政奉還なんかはものすごくクリエイティブなコトだと思っているのですが、ステークホルダーが多ければ多いほど自然な方へ力学が働くので普通だったら戦争で白黒つけることになったはず。

それを大きく捻じ曲げて、町人の血を流すことなく政権を移譲させることができたのは個人の不屈の精神の賜物で、私はその立役者の1人が勝海舟だと思っている、ということです。

以前、石川善樹さんが『ポジティブの反対がクリエイティブ』という話をされていたのですが、ポジティブとは単に明るいとか楽観的なだけではなく『自然であること』という意味があり、それに対してクリエイティブとは人為的な営みであると聞いて、我が意を得たりという気持ちになったことを覚えています。

つまり、クリエイティブとは、人が何らかの意思を持って既存の仕組みを超越することとも言えるのかもしれません。

そう考えると、デザイナーやアーティストといったいわゆるクリエイティブな職業の人だけではなく、あらゆる人がクリエイティビティを持たなければいけないのだということがわかります。

自分にとって、クリエイティブとは何か。

この問いを考え続けていくことは、すなわち自分の人生観や仕事観の軸を作っていくことにつながっていくのではないかと思います。

★noteの記事にする前のネタを、Twitterでつぶやいたりしています。


サポートからコメントをいただくのがいちばんの励みです。いつもありがとうございます!