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それは、本当に「コミュニティ」で解決すべき課題だろうか?

独立して早3ヶ月が経ち、コミュニティマネージャーとしてのご相談をいただくことが増えてきました。

お金をいただいてコミュニティを作るというのは独立してはじめたことですが、ありがたいことにどのコミュニティでものびのびとやらせていただいています。

ただ、最近あまりに「コミュニティ」というワードがブームになりすぎて、そもそもコミュニティを作ることが本当に正しいのかを検証できていないプロジェクトが多いように感じます。

よく「最近のコミュニティへの関心の高まりには、コンテンツマーケティングが流行った時と同じ空気を感じる」という話をするのですが、本質的に正しい方向だとしても、表面だけを見て「やってみよう」という軽い気持ちで手を出すと負の遺産になってしまう可能性があるのが、メディアやコミュニティの難しいところです。

コンテンツマーケティングやオウンドメディアは、今でこそブームが落ち着き、本質を理解した上で覚悟を決めて取り組む企業が増えてきました。

メディアを育てて結果を出すには、少なくとも半年から1年の時間がかかりますし、お金も労力もかかります。

だからこそ丁寧に作られた情報は大きな資産になりますし、ネット広告をクリックして訪問したユーザーよりもサービスやプロダクトに関心の高いユーザーを集めることができます。

しかし、目先のコンバージョン数だけを考えたら、リスティングやSNSの広告をゴリゴリ回す方が効率的な場合も多々あります。
とにかく会員数が必要なフェーズ、じっくりお金をかけられないフェーズにおいては、もっと即時的な効果がでる施策が必要になります。

また、はじめたら簡単には辞められませんし、更新が滞っているメディアほど悲惨なものはありません。

資産であると同時に、ちょっとしたことで負債化しやすいのがコンテンツマーケティングやオウンドメディアの落とし穴なのです。

そして、これとまったく同じことがコミュニティにも言えます。

コミュニティの場合はここからさらに、アンコントローラブルな "他者"が入ってきます。

メディアの場合は自分たちが淡々と記事を更新できる環境さえ作ればかたちにはなりますが、コミュニティの場合はそこに入っている人たち自身がコンテンツです。

どんな投稿ならリアクションしてもらえるか、何のイベントをやれば参加してもらえるか、そうした自分たちの力ではどうにもならないことを考え続けていかなければなりません。

そんな中でコミュニティマネージャーに求められる資質は、コンテンツメーカーとルールメーカーを両立させることです。

コンテンツメーカーとして、日々のコンテンツやイベントを企画する能力。
そして、ルールメーカーとして自分がいなくても回る仕組みと空気を作る能力。

コミュニティ作りにおいては、この2つをあわせもつ人を置くことが重要なのです。

また、「コミュニティ」というと枠や柵などの「囲われた状態」を思い浮かべる人が多いものですが、実際には熱量を核にしたグラデーションです。

だからこそ、コミュニティを作りたいという人やサービスには、人が思わず集まってしまうような圧倒的な熱量が必要なのです。

オンラインサロンが出てきた頃「ただのファンクラブだろ」という見方も多くありましたが、そもそもファンクラブというのは一種のコミュニティです。

むしろ個人の方が核となる部分が尖りやすいため、共通言語や独自の文化ができやすく、強固なコミュニティになっていきます。

最近は企業がコミュニティを作ろうとする事例も増えてきましたが、そもそもそれは自分たちで作るべきなのか?
すでにある熱量の高いコミュニティや個人を見つけ出し、それを支援する方がお互いにハッピーなのではないか?

「コミュニティ」というワードがバブルになりつつある今だからこそ、冷静に精査する必要があるように感じるここ最近です。

【追記】
私がコミュニティマネージャーをしているBOOK LAB TOKYOで、店舗の場作りをメインで担っていただけるコミュニティマネージャーの募集をはじめました!

週5フルタイムでも週3複業でも柔軟に対応する予定なので、場作りに興味のある方はぜひ私のSNS宛にメッセージをいただければと思います!

3ヶ月でコミュニティマネージャーとして独立して仕事とれるようになるくらいにはしっかりバックアップしていく予定です!笑

【追記2】
10月から、コミュニティマネージャーとしての仕事を学ぶための講座をオンラインでやる予定です!
コミュニティマネージャーの需要がありすぎて供給が追い付いてないので、3ヶ月で一通りできるようになるカリキュラムを構築中ですー!
9月最終週ごろに事前募集を開始予定なので、また決定次第お知らせします!

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(Photo by tomoko morishige

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