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サブスクの要諦は「泥臭いことをやりきる愛情」

おとといsnaq.meの服部さんに『海外事例から考えるD2Cブランドの未来』をテーマにお話を伺って一番感じたのが、『D2Cもサブスクも泥臭い施策の繰り返しである』ということ。

最近はスタートアップの延長線上として語られることが増えてきたD2Cですが、フィジカルな『モノ』を伴う在庫ビジネスは、Webサービスのグロースハックが必ずしもうまくワークしないことがあります。

特に服部さんの話で一番印象的だったのが、『急に注文が増えると在庫が不足する可能性もあるビジネスなので、じわじわ伸ばしていきたい』という話。

これが純粋なインターネットビジネスとは異なるところで、D2Cを含むリアルビジネスは常に在庫というボトルネックを意識しなければなりません。

Webのセオリーでいえばいかに短期間で成長させるかを誰もが考えるものですが、リアルなモノの世界においては製造・保管・配送などそれぞれのリードタイムとコストを鑑みながら最適バランスを見つけて少しずつ大きくしていく必要があるのです。

この感覚の違いは、伝統的な小売業とITスタートアップどちらも経験した身としてとても納得度の高い話でした。

そして今回お話を伺って改めて思ったのが、小売は本当に泥臭いビジネスであるということ。

スタートアップはどこも地道に泥臭い施策を繰り返しているものですが、リアルなモノを扱うビジネスはじわじわ伸ばしていくしかないビジネスモデルであるがゆえに、さらに輪をかけて泥臭い仕事が多い気がしています。

例えばパッケージひとつとっても、Webサービスであればボタンひとつで変えられるような修正ですら、ひとつひとつシールを張り替える必要があり、さらにミスがないか再度チェックもしなければならない。

何かを送るという行為も、Webなら一斉送信できるところをモノが絡む場合はひとつひとつ梱包して宛名を書いたり印刷したりし、間違いがないかチェックし、受け取り不可で戻ってきたものにも対応しなければならない。

『D2C』としてもてはやされているビジネスも、その裏にはこうした泥臭い仕事があり、簡単に儲かるようなビジネスではありません(もちろんどんなビジネスも簡単には儲からないのだけど)。

それでもそんな泥臭い仕事を乗り越えて愛されるサービスになっているところは、中の人たちが本当に愛情をもち、自信をもって提供できるモノを作っているのだなとイベント後の社員さんたちのツイートでも実感しました。

(みんな名前に 🐿が入ってるのもとても結束力を感じる)

D2Cやサブスクは、既存の小売業界にITの力と考え方を持ち込んでよりスマートに事業を構築しているところが強みではあるものの、その裏には想像を絶するような細かい仕事の積み重ねと理想論ではない『ユーザーファースト』の姿勢があります。

今回のイベントではWeb的な改善への考え方やSNSの活用についてもお話いただきましたが、個人的には『泥臭い仕事もやりきれるほど事業とお客様に愛情をもっていること』がD2Cやサブスクにおいて重要なポイントだなと改めて感じました。

その結果としてよりユーザーファーストで本質的な戦略や改善案が組織全体から出てくるようになるのだろうな、と。

それ以外にも今回話題にでたD2Cならではの資本政策やインフルエンサーマーケティングの未来も最近考えていたテーマだったのでまた別途noteに書きたいと思います。

ちなみに7/8(月)にはKATALOKoooの翠川さんと『これからのブランドを作るキーワード』というテーマで、今回の話の続きになるようなイベントをやるので、ご興味ある方はぜひ。
私も翠川さんも小売とITどちらの現場も経験してきているので、その2つをこれからどう融合させていくかをお話できればと思います。

今回のレポートやツイートは#お店noteのハッシュタグでまとまっているので、そちらもあわせてどうぞ〜!

↓ハッシュタグツイート

↓note


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