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文化と消費の関係

私が運営しているコミュニティは「消費文化総研」と名付けているのですが、消費と文化には密接な関係があるというのが私の基本的な考え方です。

たとえば外資ブランドを日本企業がFC契約して独自展開した結果、本国が破産するほど経営悪化しても日本では根強い人気があるブランドが存在します(DEAN&DELUCA、Barneysなど。最近の例だとブルックスブラザーズもそう)。

逆に日本や東アジア圏では成功していても、異なる文化圏にいった途端に苦戦する例も枚挙にいとまがありません。

グローバル事例のみならず、国内でも都心と郊外、地方ではそれぞれ生活習慣が異なり、それが消費行動の違いにつながっていると私は考えています。

特に最近はブランド戦略を考える際に「日本」と大きな括りで考えると見誤るのではないかと感じることが増えました。都市と地方の暮らしは異なるし、所得差もある。
最新の内閣府「県民経済計算」で都道府県別の県民一人当たり所得額を見ると、東京都が500万円以上に対してそれ以外の県は200〜300万となっており、沖縄と東京の差は2倍以上となっています。

1人あたり所得に関しては東京は富裕層の数が多いので平均数値が押し上げられる面もあり、家賃や物価を加味した実質的な可処分所得を見るとまた異なる結果がでるため多方面からの考察が必要とはいえ、所得がこれだけ違えば消費行動も自ずと変わります。

さらに一口に「地方」といっても、規模や歴史、地理的条件の違いによっても文化が異なり、それが消費行動に与える影響も大きいはず。

こうした「何によって消費行動の違いが起きるのか」「文化の違いをどのようにグルーピングすると消費行動を考察する上で有用か」が最近の私のテーマでもあります。

消費文化総研には図らずも首都圏以外のエリアでお店をやっている方がたくさん参加してくれていることもあって、「メンバーに話を聞いていくことで何かヒントが見つかるのでは」と思い立ち、月1ペースでヒアリング会をしていくことにしました。

初回にお話を伺ったのは島根を拠点に運営されている群言堂の松場さん。

石見銀山にある本店のみならず、百貨店や商業施設を中心に全国にお店を持っているからこその視点で、各エリアの違いや外出自粛後の変化について伺いました。

本当は1時間のつもりが、参加メンバーのチャットでの参加の盛り上がりもあってついつい話しこんでしまった結果、あれやこれやと話すこと約2時間(!)。

個人的に一番印象に残ったのは、

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