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アーティストが売るのは"カルチャー"だ

先週、自社のメディアでこんな記事を書きました。

音楽業界の新潮流!?アーティスト発のポップアップショップが増えるワケ

欧米を中心にミュージシャンがポップアップショップを開催する例が増え、それもただのライブグッズではなくファッション性が高いのが特徴で、今後この流れは日本でも広がっていきそう、というのが記事の趣旨です。

記事の中で公式には触れなかったのですが、個人的には音楽とファッションの距離はもっと近づいていくと考えています。

人がファッションを選ぶとき、「こういう人に見られたい」「あの人みたいになりたい」という他人の目は切っても切り離せないもの。

憧れのアーティストや芸能人の服装を真似るというのは、はるか昔から流行の発端となるものです。

これまではすでにあるファッションブランドの広告塔になったりコラボするというのが音楽とファッションの交わりにおいて主流でしたが、今後はファッションも包括したプロデュースがビジネスモデルとして台頭してくるのではないかと思います。

なぜならばツイートにも書いた通り、ライブという体験だけではレバレッジがききづらく、音楽業界全体が儲からなくなってしまうから。

アーティストの時間を切り売りすることなく、効率的に稼ぐ手段が絶対に必要だからです。

これまではその役目を担うのがCDという "モノ"でした。

モノを通してファンになった一部の人たちが、ライブというコトにもお金を落とす。

ライブに来てもらうには、先にモノで認知度を広げることが必要だったのです。

しかし今はその流れが逆転しています。

ライブというコト消費でファンになった人たちに、その場でモノを買ってもらう。

モノ→コトから、コト→モノへと逆転した今、体験した後にモノを購入してもらうまでのデザインが重要になります。

この流れを強く感じたのは、キングコング西野亮廣の『体験×おみやげ』の時代へを読んだことがきっかけです。

「体験」したことの思い出装置としての「買う」という行為。

近年「ストーリーで売る」としきりに言われるようになりましたが、ブランドや商品の中で完結しているストーリーはやっぱり共感しづらい。

どれだけ体験してもらえるか、巻き込めるか。

そのためには、分野に関わらず自分自身のオピニオンや哲学をもつことが重要なのではないかと思います。

ミュージシャンだからと音楽を売ることだけに固執しない。
ファッションデザイナーだからと服を売ることだけに固執しない。

体験からおみやげを買ってもらうまでをデザインする。

それこそがこれからの "カルチャーをつくる"ということなのかもしれません。

(Photo by tomoko morishige)
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私のnoteの表紙画像について書いた記事はこちら

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