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コミュニティに必要なものを「同時性」の観点から整理する。

昨晩、BOOK LAB TOKYOのオーナーイベントを開催しました。

今回はそれぞれに「2018年に読んでほしい本」をセレクトしてもらい、中身がわからないようにラッピングした上で、何の本かわからないようにプレゼンし、それを聞いて各自欲しい本を選ぶということをやってみました。

▲ほしいものを「せーの」で指差した瞬間。かなり綺麗に別れて、それぞれほしい本をゲットできたみたいでよかった!

みなさん本の説明が絶妙で、「あの本かな?」と予想しながら聞くのもまた楽しい体験。

これが、意外と当たらないんですよね!

世の中には、まだまだ自分の知らない作品や著者、ジャンルがたくさんあるなあと。

▲中身がわからないプレゼントを前に、うきうきの私たち。

それぞれ手に取ったあとは中身を出して、答え合わせの時間。

▲本の中身はこんな感じでした!今回も自分では選ばない本ばかりで学びが多かった!(写真はすべていけぽんさん)

「わ〜、こういうの好きなんです!」
「この本ははじめて知ったな〜」

など、プレゼントした人・された人同士でまた本の話に花が咲き、あっというまの楽しい時間でした。

普段から「コミュニティにはリアルの場が絶対必要!」と主張しているのですが、昨晩のイベントを通して改めてリアルで会うことの楽しさと、コミュニティを盛り上げるパワーを感じました。

コミュニティには「待ち合わせ場所」が大切ですが、BOOK LAB TOKYOのようにリアルの場所を持っている場合はそれ自体が待ち合わせ場所の要素を含むため、コミュニティが発生しやすいというアドバンテージがあります。

しかし、空間を共有していたとしても、時間を共有していない場合は、なかなかコミュニティにはつながりづらいもの。

特に、日中それぞれが仕事をしたり本を読んだりしている場合、同じ場所で空間を共有していたとしても、コミュニティどころか会話すら起きづらいものです。

では、コミュニティ形成における「待ち合わせ」とは何なのか。

それを考えるための要素を分解したのが下記の図です。

この「同時性」の要素分解図は、先週のNewsPicksアカデミアのイベントで、山手さんがお話してくださった「同時性の解消」の考え方をベースにしています。(イベント内容は近日中にアーカイブ動画が見られるようになるはずなので、ぜひアカデミアへ!笑)

この4つの要素はすべて「待ち合わせ」としての役割をもっているものの、それぞれに特徴が異なります。

例えば、場所も時間も同時性が解消されているオンラインコミュニティは、参加者がどこにいても、いつでもそこにアクセスすることができます。

これは、それぞれが自分のタイミングで参加することができるため一番参加のためのコストが低いというメリットがありますが、時間も場所も共有していないため、熱量が生まれづらいというデメリットもあります。

すでに熱量や人間関係が醸成されており、スピーディーにやりとりするための「待ち合わせ場所」です。

逆に、どちらも同時性が解消されていないリアルイベントは、参加コストは高いものの、時間と場所を共有するため連帯感や親密感が生まれやすくなります。

つまり、知らない人同士を結びつけ、組織を強くするための「待ち合わせ場所」です。

では、場所の同時性は解消されているが空間の同時性は解消されていない「通常営業」と、逆の「ライブ配信」はそれぞれどのような特徴があるのでしょうか。

まず、通常営業に関しては、場所は共有しているものの、時間は個々人が自由に決定するため、必ずそこで会えるという約束はありません。

しかし場所が共通しているため知人に会う確率が街中より圧倒的に高く、場のルールも一貫していることから、ここに行けばストレスなく過ごせる、帰る場所としての「待ち合わせ場所」ということができそうです。

次に、ライブ配信はただ映像を見るだけであればコミュニティ要素はありませんが、リアルタイムで配信に対してコメントに参加することによって、コミュニティ要素が発生します。

これはTwitterでの実況や、Slackの特定チャンネルが盛り上がった時にも近いものがあるかと思います。

場所の同時性が解消されているため参加ハードルが低い上に、時間は共有しているためリアルタイムでコミュニケーションができ、雑談が発生しやすい「待ち合わせ場所」です。

イベント会場で突然知らない人に話しかけたり、質問に「いいね!」ということは憚られますが、オンライン上であれば、いいねをつけたり返信することの心理的ハードルを下げることができます。

ただ、ここで設計をミスするとレベルの低い方に引っ張られて、建設的な意見が出ずに雑談や罵詈雑言ばかりになる可能性もあるため、発言しやすさだけを指標として見るのは危険です。

これが、どんなにオンラインが発達しても、リアルに会うことの需要がなくならない理由ではないかと思います。

同じ雑談をうむ「待ち合わせ場所」でも、実際に顔を見て話す場は、負の感情がうまれづらいからです。

例えば、オンラインでのやりとりや電話で喧嘩して腹がたっても、実際に相手の顔を見たら「ま、いいか」と許してしまった経験がある人も多いのではないでしょうか。

相手の存在を直に感じるということ、つまり虚構のキャラクターとしてではなく、実在の同じ人間なのだと思ってもらえるところまで距離を縮めるイベントは、コミュニティとは切っても切り離せないものなのです。

このように、「同時性」という観点から分析すると4つの要素にわけられるものの、コミュニティ形成において必ずしもすべてを網羅する必要はないと思います。

闇雲にあれもこれもと手を出すのではなく、それぞれの要素の特徴を理解した上で、規模感や目指したい姿にあわせて取捨選択していく。

それこそが長く続くコミュニティの秘訣なのではないかと、改めて考えさせられました。

この「同時性」の考え方は他の分野にも当てはめられると思うので、ぜひご自分の身の回りにあてはめて考えてみてください。

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