ヘルシーなスケールを考える。

自分の身の丈にあった幸せを見つける

超成熟社会となってしまった日本では、若者を中心にこうした背伸びしない価値観が主流になりつつあるように思います。

いい学校からいい会社に入って、さらに出世競争を勝ち抜いてトップに上り詰めるより、暮らしていける分だけのお金を稼いで、自由な暮らしをする方が幸福度が高いと皆が気付きはじめているのです。

手仕事や小商い、コミュニティが注目されているのも、こうした流れの一環と言えるでしょう。

世の中全体がインターネットによってつながりすぎてしまったからこそ、わかってくれる人、自分が届けたい人にだけ届けばいい。そんな流れを強く感じます。

しかし一方で、世界をアップデートする存在としてのスタートアップも欠かせません。

そしてスタートアップは、「スタートアップ」であるかぎり成長から逃れられない性質を持っています。

なぜならばスタートアップとはイノベーションを起こす存在であり、それは世の中の「当たり前」を進化させることだからです。

つまり、いつかはマジョリティになること。
それがスタートアップに課せられた使命なのです。

私の価値観として、付き合う人たちは「わかる人だけがわかってくれればいい」という小規模思考なのですが、こと仕事に関してはやはり規模の大きさにこだわりたいという思っています。

特に私はコンテンツメーカーというよりもルールメーカー気質が強いので、自分がいいと思った仕組みは1日でも早く世の中の「当たり前」になってほしい。
自分が作ったものへの自信と愛情があればあるほど、使う人の規模を広めたい、つまりスケールさせたいという感覚になっていくのです。

ちょうどそんなことを考えていた翌日に、NewsPicksアカデミアのイベントイノベーターの為の「論語と算盤」に参加して、朝倉さんの言葉にハッとさせられました。

「スタートアップはスタートアップのままでいてはいけない
オルタナティブな存在から、いかに早くエスタブリッシュな存在になるかを考えるべき」

そして同時に、朝倉さんがmixiのCEO時代に書かれた「裏社是(案)を作ってみた」というエントリの「与党であれ」という社是案を思い出したのです。

与党であれ
野党というのは気楽な稼業です。とにかく相手が言っていることを否定し、批判し続ければいい。
全ての主張には良い面と悪い面の両面があるわけで、何かの意思決定に対して出来ない理由を100個並べるのは猿でもできます。
組織運営に責任を持つ政権与党であれば、反論するにしても具体的な対案を示し、建設的に組織を前進させるべきでしょう。
我々は野党ではない。ましてや評論家では断じてない。そういった目線感で空気を読まずに議論を戦わせていきたいものです。

スタートアップというのは、ある意味社会に対する野党の立場です。
つまり、与党たる大企業から政権を奪い取ろうと挑戦している存在と言えます。

明治維新において、勝海舟が「薩長は革命者であって政権運営者の器ではなかった」と嘆いていましたが、野党から与党になって追われる立場になったとき、アンチテーゼとなる対象がなくとも自分たちのビジョンをもっていられるか。
追いかける背中を倒してしまった後の身の振り方は、まだ野党であるうちからどれだけ明確に「理想の未来」を描けているかに依るのではないかと思います。

しかし一方で、「スタートアップ」「スケール」「資金調達」というと、何だか金の亡者のような、温かみを捨てて儲かりさえすればいいといったイメージをもつ人も多いと思います。

実際、事業を加速させるために投資を受けることが一般的な分、途中で「やっぱり身の丈にあったサイズのままでいたい」と思っても、もう引き返すことはできず、必ず成長を求められるという一面もあります。

そうやって疲弊して挫折してしまった人たちも多い世界ですが、私はミレニアル世代らしい「ヘルシーなあり方」と「スケーラビリティ」は必ずしも相反するものではないと思っています。

たびたび読み返す「小さなチーム、大きな仕事」の37シグナルズのように、小さな労力が大きな変化を起こせる時代に私たちは生きているからです。

もちろん誰もが改革派である必要はないし、スケールさせることを意識していないからこそよさを発揮している組織もたくさんあります。

ただ、「スケール=悪」として諦めてしまうのではなく、急成長しつつもヘルシーであり続けるための道を模索することが大切なのではないかと思います。

本当にいいものを次の世代に残していくために、今日も足元から一歩ずつ。

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(Photo by tomoko morishige
最近のtomoko morishige氏は「スーパー玉出だけを撮った写真集がほしい」などと言い始め、相変わらず変な人だなあと思いながら見守っています

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最所あさみ

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「現場からは以上です。」マガジン内のnoteが100を超えたので、2ndマガジンを作りました。 「地域の魅力とITの力で小売はもっと面白くなる!」をモットーに働く中で感じたこと、考えたことを書き連ねていきます。 (photo by tomoko morishige)
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