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なぜ体験には『情熱』が不可欠なのか

6月にダグ・スティーブンスと話していた中で、『いい店舗にはオーナーのパッションがある』と言われたのがとても印象的だった。

一方で、情熱は定量的に測りづらく再現性のない要素であり、その重要性はわかりつつも軽視されることの方が多いのではないか、と感じたのもまた事実だ。

ともすれば理想論だと片付けられがちな『情熱』の重要性を腹落ちして納得してもらうには、どんな説明が有効なのだろうか、とここ最近よく考えていた。

そんな中で週末に参加したSAKE100のペアリングランチで感じたのは、『情熱こそが体験をひとつにまとめる扇の要のようなものなのかもしれない』ということだった。

代表の生駒さんはいつも情熱的で本当に心から日本酒を愛し、業界の未来に希望を持っている人だ。今回のイベントも、自分たちのお酒を楽しんでもらうために最高の体験をしてほしいという思いが随所に散りばめられていて、それぞれの要素がとてもなめらかにつながっていることを感じた。

『いい体験』はひとつひとつの要素のレベルが高ければ満足度が高まるという足し算的な思考ではなく、一本の軸をもとに全体を調和させる必要があると私は思っている。

特にそれぞれの要素のレベルが高ければ高いほど要素ごとの主張が強くなるため、調和させる難易度も上がる。

あらゆる場面で求められるAかBかの判断、もしくはYESかNOかの無数の選択肢。

それらを調和させるのは、情熱という名の美意識と判断軸なのではないか、と思うのだ。

つまり情熱とはバラバラになりがちな要素をまとめて収束させるつなぎ目のような存在なのではないか、と。

逆に体験の満足度が低いときは、各要素が個別最適を目指してしまい体験全体をデザインする情熱ある個人が不在の場合が多い。

『今これが流行っているから』
『あのブランドがこれで成功しているから』
といった自分たちの情熱に根ざしていない判断は、個別の機能としては評価されても体験全体としての満足度につながらない。

体験には情熱が重要だと言うと理想論のように聞こえるが、届けたい体験にこだわり情熱をもつことこそが、体験を作る上で判断のベースになるのではないだろうか。

いい体験は、いつだって個人の情熱からはじまる。

拡散してしまいがちな各要素をまとめ、必要に応じて削り、調和させるのは『そもそも何を届けたいのか』へのこだわりと美意識なのだろう、と考えさせられた真夏のひるさがりだった

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最所あさみ

Retail Futurist / curator。「知性ある消費を作る」をミッションに掲げています。 将来は世界一の店舗メディアを作る予定。noteの有料マガジン「余談的小売文化論」とコミュニティマガジン「消費文化総研」もよろしくどうぞ!

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