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今、コスメが売れる理由

平日でも混み合う百貨店のコスメ売場を通り抜けるたび、なぜ今こんなにもコスメだけが売れるのだろうか、と疑問に思ってきた。

国内外問わずコスメの売上は好調で、百貨店のコスメフロア増床や新たなコスメブランドの誕生など、小売業界でも唯一明るいニュースが多いのも特徴だ。

市場規模の推移をグラフでみると、その勢いがよくわかる。

(出典:矢野経済研究所

しかし、なぜこの5年ほどでコスメ市場がここまで急成長しているのだろうか。

コスメ自体は決して新しい業界ではなく、年々新商品が投入されているとはいえiPhoneのような革新的な商品を生み出したわけでもない。

日本経済が縮小し、モノを買わないと言われている若者たちにコスメだけが支持されている理由は何なのか。

この半年ほど考え続けながらしっくりくる答えにたどり着けていなかったのだけど、先日久しぶりにTikTokを眺めていてふと気づいたことがある。

それは、『ビフォー/アフター』がひとつの人気カテゴリであるということだ。

例えばTikTokには『変身』という人気ハッシュタグがある。このハッシュタグで投稿されている動画のほとんどは、すっぴんからフルメイクに至るまでの差を楽しむものだ。

さらにTikTokだけではなく、InstagramやTwitter、Youtubeでもビフォーアフターやメイクの工程を見せるコンテンツが溢れている。

一方で、たまにファッションやヘアアレンジで変身コンテンツを投稿している人を見ると、コスメと比べるとどうしても物足りなさを感じてしまう。

この違いに気づいたとき、『変身』 への願望こそが他のカテゴリが苦戦する中でコスメ業界が成長を続けている理由なのではないだろうか、と気づいたのだ。

しかも変身願望を叶えるという観点でみれば、コスメは圧倒的に『コスパがいい』。

例えば同じ3,000円の予算があったとして、洋服であればファストファッションのペラペラの服しか買えないが、コスメならデパートブランド(デパコス)のリップが買える。

しかもインスタのストーリーズやTikTokを撮るだけなら肩より上の顔周りしか映らないことが多いので、ファッションよりもコスメにお金をかけ、複数のカラーや質感を揃えておいた方がマンネリ化しない。

つまりコスメが売れているのは、人がモノを買う動機としての変身願望をもっともコスパのいいかたちで叶えているからなのではないだろうか。

これをもとに考えると、今後は洋服もより変身願望を叶えることにフォーカスすべきなのかもしれない。

以前オケージョン消費について下記のようなnoteを書いたのだけど、非日常を演出する装置としてのファッションをどう演出するかは、これから大きな課題になってくるだろう。

そしてその体験をつくるための提供方法は新品を売るだけではなく、リセールやレンタルなど複数の手段があるはずだ。

人の変身願望を叶え、それをコスパよく提供すること。

コスメに限らず、これから選ばれるブランドはこの2つの要素を満たしている必要があるのではないか、と考えている。

★noteの記事にする前のネタを、Twitterでつぶやいたりしています。


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最所あさみ

Retail Futurist / curator。「知性ある消費を作る」をミッションに掲げています。 将来は世界一の店舗メディアを作る予定。noteの有料マガジン「余談的小売文化論」とコミュニティマガジン「消費文化総研」もよろしくどうぞ!

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