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ポップアップショップが増えるからこそのカウンターカルチャー。

前から行きたかったカフェに足を運んだら、ちょうどその日にかぎってイベントが開催されていて普段の雰囲気を楽しめなかった…。

そんな経験はありませんか?

私もちょうど2月に入ってからそんなシチュエーションに2回直面し、がっかりした経験があります。

自分がポップアップショップに関わる仕事をしている贔屓目もあるかもしれませんが、いわゆる貸切パーティーとは別にカフェで開催されるイベントやコラボカフェが年々増えているように感じます。

またひとつのスペースをシェアして、曜日ごとに異なるお店を営業していたり、固定のお店をもたずレンタルスペースを転々としながらお店を開く人も少しずつ増えてきています。

こうした流れは街のにぎわい創出にもつながり、既存のカフェやショップに新規のお客様を呼び込むことができ、出店する側も低リスクで出店できるまさにWin-Winな取り組みです。

だからこそ私自身ポップアップショップの開催を啓蒙したいと考えていますし、ゆくゆくは地域活性化にもつなげていきたいと考えています。

しかし自分がひとりのお客様としての目線に立った時、必ずしもそういうお店ばかりが増えてほしいわけでもないな、と前述のがっかり体験からふと気付きました。

特にコンセプトが明確にあるお店ほど、そのお店自体を楽しみたいと思うもの。

そのお店自体がお客様にとっては "非日常"だからです。

私自身も長く売場に立っていたので、本来お客様にとっては "非日常"であるはずのお店が自分にとって "日常"になっていき、もっと新鮮さが必要なのではないか、新しいことを仕掛けていくべきなのではないかと焦りを感じる気持ちがよくわかります。

しかし実際に自分がお客様の立場に立ってみると、「普段通りの方がいいのになあ」と思うこともよくあるんですよね。

この感覚を客観的に見ることができるオーナーさんをセンスがあるというんだろうと思います。

そう考えると、人がオーセンティックなバーや昔ながらの純喫茶に行きたくなるのは「いつ行っても変わらない」価値も大きいのかもしれないなあ、なんて。

カフェでのイベント開催やコラボカフェがますます増えていく時代だからこそ、みんながやっているという理由ではなくお客様にどんな価値を提供していきたいのかを考え抜いた上で、店舗運営の指針を決めていく必要があることを改めて感じました。

何事もメリットしかないことなんてなくて、何かを得れば何かを失うことがある。

失うものも明確に真摯に伝えた上で、納得感をもってサービスを利用していただきたいなと感じるここ最近です。

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(Photo by tomoko morishige)

私のnoteの表紙画像について書いた記事はこちら。

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