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効率と仕組み化について考える

かなり前にけんすうさんのこのツイートを見てもやもやしておりまして。

すごく共感するとともに、「だよね!だからスタートアップは仕組み化なんて考えなくていいんだ!」と勘違いする人がでるのではないかという不安を感じたのです。

そうやって長らくもやもやと悩んでいたところ、最近伊賀泰代さんの「生産性」を読んでそのもやもやの原因がストンと腑に落ちました。

面白い箇所はたくさんあるのですが、私が特になるほど!とおもったのが生産性を高めるためのアプローチを"Improvement"と"Innnovation"に分けること。

Improvementは日々の積み重ねであり、日本が得意とする「カイゼン」の概念。

対してInnnovationはそうした小さなカイゼンが無に帰すような画期的なアプローチのことを指します。

例えば伝票の整理を楽にするために全て同じ方向でいれようとかサイズを揃えようといったことはImprovementであり、そもそも管理用ソフトをいれて紙ではなくデジタルで管理すればいいのでは?といったことがInnnovationです。

ここの箇所を書籍で読みながら、前掲のけんすうさんのツイートが指していたのはこの2つでいうとInnnovationの方なのでは?と思いつき、すべてがストンと腑に落ちました。

例えばある業務に多くの時間が割かれているとして、自動化のためのアプリケーションを作ってもらうのが一番早いというケースは多々あると思います。

しかし少人数のスタートアップだとそもそも扱っている案件数がそう多くないので、結局後から別のケースがでてきて「あれもこれも」となってしまいがちなんですよね。

そこに対して毎回貴重なエンジニアのリソースを割くのは非効率ではないのか?と。

じゃあ効率化を考えなくていいのかというとそういうわけではなくて、Improvement的な発想で細かいチューニングによる効率化は絶対必要だと思っています。

特に可逆的な施策はどんどんやってみるべきで、前述の伝票整理の話でいえば「全部同じ方向でいれよう」なんて周知するだけで終わるのだし、それでなにか不都合があるならすぐにでも取りやめることができます。

本の中にも書いてありましたが、スタートアップの人やアーティストなどクリエイティビティが必要とされる仕事において生産性や効率化という概念は軽視されがちですが、限られた資産で戦わなければならない人たちこそ意識すべきことです。

そして何が効率的なのかを考える上で、今話しているのはimprovementとInnnovationのどちらを指しているかを意識することで、より生産性の高い議論になるのではないかと思います。

(Photo by tomoko morishige)
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私のnoteの表紙画像について書いた記事はこちら:人のフィルターを通して見る世界

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