これから “売る人”に必要な能力

以前、VERY読書会で参加者の和子さんが感想としてこんなnoteを書いてくれました。

和子さんは現在、販売員の人材育成をされているということでその視点からの感想になるほどと考えさせられました。

読書会の中でVERYは取材力も凄いよねって話になったけど、現場で私たちは毎日、何人も何人も取材(接客)している。
だから、その接客を一回の振り返りだけに使わず、データとしても大切に収集して感性、感覚を磨いていきたい。
接客してお買い上げに繋がらなくても、自分を介して自分のお客様達の情報の精度がどんどん上がるような素敵な編集者になることか大切なのです。

私も以前販売をやっていたので、自分自身が買い物をするときもよく接客について考えます。

そして最近思うのは、自分も含めた多くの人たちがより『接客されること』に苦手意識を持つようになっているのではないか、ということ。

より厳密に言えば、『知らない人に話しかけられること』へのストレスが、インターネットの出現によってより高まっているのではないかと思うのです。

これは接客に限らず、普段イベントを開催する中で開始前の様子を見ていても感じることです。

インターネット、とりわけSNSの台頭によって、私たちは会ったことのない人の情報を事前に得ることができるようになりました。それも、とても簡単かつ大量に。

さらに言えば、今や企業も入社前にSNSチェックをしたり、SNSを通して会ったこともない人から仕事の相談がきたりする時代。

もともと知らない人への警戒は人間に組み込まれた本能だと思いますが、現代はインターネットによって知らない人の情報も大量に溢れている分、相対的に『知らない人』とのファーストコンタクトへのストレスが大きくなっているのではないかと思うのです。

接客に話を戻すと、私は百貨店で働いていた頃『接客は飛び込み営業なのだ』ということを学びました。

つまり、販売員が声をかけるということはお客様からしたら『知らない人に押し売りされる』という恐怖を抱かせることに近い。

そして、声をかけたお客様に無視されたりぞんざいに扱われたりするたび、販売員も悲しい気持ちになるのですが、上からは数を打つ、つまり声をかける数を増やさないと売れないと言われるので、嫌がられることがわかっていても声をかけざるをえないという負の連鎖がおきてしまうのです。

もちろん飛び込み営業でも瞬時にお客様の心を開くのがうまい人もいますし、それは販売員でも同じことですが、それは個人の能力に依存した解決方法であるともいえます。

仕組みに興味がある私が日々売場に立ちながら考えていたのは、『そもそもお客様から話しかけてもらえるような仕組みが必要なのではないか?』ということでした。

そう考えるようになったのは、当時大人気だったとあるブランドを扱ったことがきっかけでした。

様々な雑誌で紹介されている人気アイテムだったので、こちらからお声がけせずともお客様からサイズや色、人気の形についてなどを質問され、それに丁寧にお答えすることで満足して購入して行かれる姿を見るたび、目的を持って店舗にきていただくことの重要性を感じました。

『これがほしい』『これを知りたい』『この人に会いたい』といった目的を持ってきていただくこと。そしてそのために、事前にお客様に情報を届けること。

昔から雑誌やテレビといったチャネルはありましたが、人の力に頼らず自分たちで発信して、その情報を受け取りたいというファンを作ることの方が重要なのではないか?そんなことを売場に立ちながら毎日考えていました。

当時はやっとFacebookやTwitterを使う人がでてきたくらいの時期でしたが、Instagramが広まってインスタグラマーという単語が一般的になりつつある今、売る人自身の発信の重要性に私は確信を持っています。

極論を言えば、これから『売る人』を育てるなら、接客ではなく発信の仕方を教えた方がいい。

そして現場でも、ちょっとでも暇があったらSNSを更新したり、リプライやコメントのやりとりをしてもらった方がいい。

お客様が店舗に足を運ぶ前に、接客はすでにはじまっているからです。

以前、あるアパレルブランドがSNSのフォロワー数によって給与のインセンティブをつけるといってニュースになりましたが、今後アパレルの販売員はインスタグラマーの中からスカウトする時代になってもおかしくないと私は思います。

とはいえ、単にフォロワー数が多いだけではモノは売れるわけではありません。

自分を魅せるということと他人の魅力を引き出すということは別であり、再現性のあるセンスを持った上で言語化して人に伝える『提案力』は何かを売る人に必要とされる能力です。

ただ、今後はそうした提案力に加えて、会いに行きたいと思われる人になる『発信力』がなければ、そもそもスタートラインにすら立てなくなっていくのではないかと思うのです。

これからますますオンラインとオフラインの境目がなくなっていく中で、人もいかにオンラインとオフラインの垣根なく能力を発揮していくか。

今がちょうどその過渡期なのだろうなということを、買い物するたび感じるここ最近です。

★noteの記事にする前のネタを、Twitterでつぶやいたりしています。

今日のおまけは、『インスタがまた最強のECプラットフォームになるべくあゆみを進めたようだな…!』という話です。(いまめっちゃキングダム読んでるので口調がえらい影響されている)

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最所あさみ

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最所あさみ

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