コミュニティの核は「教祖型」だけじゃなく「黒子型」もあるはず

最近、アーティストのファンクラブを見ていて、「これはまさに教祖型ファンクラブの最たるものだな」と感じました。

中心にアーティストがいて、その人のライブに優先的に行ったり、特別な商品がもらえたり、ちょっとだけ距離がある「憧れ」だからこそ人が熱狂して集い、横のつながりができていく。

これが教祖型コミュニティの基本だと思います。

コミュニティには核となるものが必要なので、こうした教祖型コミュニティがわかりやすく楽ではあるのですが、私は人に崇拝されるのが苦手なので、もし自分がコミュニティを作るとしたらこのかたちは難しそうだなあ、と思っていました。

しかし、世の中のコミュニティのすべてが教祖型なわけではないはず。

核になる人が黒子にまわるパターンもあるのではないかと思うのです。

私はイベントが終わるとみんながそれぞれにキャッキャしているのを見守るのが好きなのですが、その場合の私のやりたいことは「場をつくる」ことなんですよね。

誤解を恐れずに言えば、極力私のことは無視していてほしい。

みんなが私のことなんて眼中にないような場を作ることに、やりがいを感じるタイプなのです。

イベントだけではなくコミュニティ形成全般もそうで、「これやりたい!」と発案をするのは得意だけど、自分がその目的にはなりたくないタイプ。

たとえば自分の名前を冠したプロジェクトとか、「この人に会いにいく」というような主旨になりそうなものは、極力避けてやってきました。

コミュニティを形成する人の中には、前述の教祖タイプとは別にこうした「黒子タイプ」もいると思っていて、誰もが無理して教祖力を上げる必要はないのではないか、と思うのです。

そして「黒子タイプ」でコミュニティを作るなら、個人としての発信よりも、メディアという目的を持った核を中心においていくのがいいのだろうなと。

メディアはこれからますます、コミュニティを作るためのきっかけとして機能していくのかもしれません。

オンラインサロンやコミュニティが注目されてきたここ数年の中で、活躍してきたのは教祖力の高い個人でした。

しかし今後は、そうしたファンクラブから脱皮して、オピニオンや世界観を軸にした「社交的コミュニティ」が発達していくのではないかと思っています。

人の時間に限りがあるように、熱量にも限界があるからこそ、エンゲージメントを高めようと必死な空気を忌避して、もっとゆるやかな安心の場を欲する人が増えていくはずだと思うからです。

特に「共通言語があること」は重要で、今クラスタと呼ばれているようなゆるいつながりの概念が、SNSのヘビーユーザーのみならずもっとリアルに広がっていくのではないでしょうか。

こうしたコミュニティにおいて必要とされるのは、求心力のある個人よりも、みなが心地よく過ごせる場所を提供する気配りの力です。

自分には教祖力がないと思っている人は、いい黒子を目指してみると、新しいコミュニティのかたちが見えてくるかもしれません。

「教祖型」から「黒子型」へ。

コミュニティを作る個人の資質に求められるものも、少しずつ変わっていく気配を感じています。

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最所あさみ

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最所あさみ

Retail Futurist / curator。「知性ある消費を作る」をミッションに掲げています。 将来は世界一の店舗メディアを作る予定。noteの有料マガジン「余談的小売文化論」とコミュニティマガジン「消費文化総研」もよろしくどうぞ!

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