アーティストと工業製品メーカーのタッグでつくりあげた、大作の裏側。

放送後、たくさんの人から「これどうやって記事にするの…!」と心配の声をいただいていた、リアルでカオスな鼎談の書きおこしが、昨日無事に公開になりました。

メディアのルールは変わった。今のプライドを捨てる勇気はあるか?

どれだけ死力を尽くした記事も、公開して反応を見るまでは不安でしたが、今回はPV数対比のシェア数が多かったのが、何より嬉しかったことでした。

私は常々「本当にいい文章は人を動かす」と考えていて、その小さな一歩がSNSでのシェアだと思っています。

そしてあわよくば、無言シェアやRTだけではなく感想や気に入ったフレーズなど、何かしらコメントともにシェアしてほしい。

少しでも「自分なら」と自分に引きつけて考えるきっかけにしてほしい。

いつもそう思いながら書いているからこそ、読んだ人の中でSNSアカウントを持っている人は全員シェアしてくれたのでは!?と錯覚するほどたくさんの方がシェアしてくださったことが、本当に素直に嬉しかったです。

記事に込めた想いや、現場に同席して感じたことも多々あるのですが、今回は記事が出来上がるまでの裏側についてのお話です。

2週間近くやりとりし続けた編集期間。

実は、私が初稿をしおたんさんに出したのは、生配信から2、3日後のことでした。

どういう方向でまとめるかを私自身かなり悩んだため、とにかく60点でいいから早く出そう!と考え、スピード第一で提出したのです。

そこからやりとりすること約2週間。
ドキュメントの履歴を今振り返って見ると、なんと9割が赤字でした。

私たちがこの記事に真剣に向き合い、死闘を繰り広げた歴史のすべて。

それがこのドキュメントに詰まっているなと、自分史上250点の記事を見ながら改めて思いました。

ちなみに、赤字というと「しおたんさんが直した」という印象を受けると思いますが、実際にはほとんど本文には触れることなく、私の言葉遣いや言い回しを尊重しながらコメントベースで指示をいただきました。

つい勢いだけで書いてしまいがちな私の記事に
「ここは少しクールダウンしましょう」
「全体のバランスをとるためにこういうエピソードもいれたいね」
「これを裏付ける数字とかない?」
と冷静につっこみをいれていただき、記事がみるみるよくなっていくのが自分でもわかりました。

よく「いい編集者と組むと修正が楽しい」と言いますが、今回、誇張ではなく記事を修正するのがとても楽しいと感じた執筆でした。

特に、記事のラストはしおたんさんからの
「『みんな』っていう大きい対象じゃなくて、誰に伝えたいかを定めよう」
というアドバイスをいただいたことで、言葉がすっとでてくるという体験をしました。

ときどき失敗もするし、ちょっと足りないところもある。
でも、それを隠すために苦しみながら背伸びするより、何もかもさらけ出しながら楽しそうに戦う姿に、人は思わず惹かれてしまう。
プライドを捨てる。かっこつけない。さらけ出す。
そんな無防備さに、これからの時代を生き抜くしなやかな強さ感じた、まるで嵐のような一夜だった。

書き手なら誰もが迷う記事の締め方ですが、私も毎回締め方には悩んでいて、いつも便利な言い回しで濁してしまいがち。

でもこのときは「プライドを捨てて、挑戦しよう」という記事のメッセージがはっきり定まっていたからこそ、迷いなく書き上げることができました。

どの箇所もすべて愛着があるけれど、この文末は特にお気に入りの箇所なので、「終わり方がいい!」というコメントを見るたびにとても嬉しい気持ちになりました。

一点集中で250点をとりたいしおたんさんと、70点を淡々と積み重ねたいわたし。

そして今回しおたんさんと一つの作品(もはやこれは作品と呼ぶにふさわしいでしょう!)を作ってみて一番感じたのは、しおたんさんの「いいものを作りたい」という凄まじいまでの情熱です。

修正ver.を書き上げるたびに体力が尽きて、毎回ベッドに倒れてました…
と笑いながら話したら、しおたんさんも
私も赤入れ後は倒れ込んでた…
とおっしゃっていて、まさに死闘と呼ぶにふさわしい2週間だったな、と思います。

さらに、しおたんさんがすごいのは、「作る」だけではなく「広める」への熱量がものすごく高いところ。

実は、公開したときと今でタイトルが変わっていること、気づきましたか?

公開日の夜に記事への反響を見ながら、
「やっぱりこういうタイトルの方がいいと思うんだけど、どう?」
と相談され、より短くメッセージ性の強いタイトルに変更したのです。

普通は、公開したら後は「バズれ!」と天に祈るのみだと思いがちなところを、しおたんさんは公開後も「もっと広めるための方法はないか」と常に考えている。

この人には勝てないな、と改めて思った瞬間でした。

さらに、何度も修正のやりとりをしていたとき、
「毎回これだけ1つの記事に全力投球できるって、本当に尊敬します」
という私のメッセージに返ってきた言葉は、
私は、1本の記事に全力をかけて250点をとりたい人だから。

人の期待を何倍も超えていきたい。
塩谷舞という人は、天性のアーティストなんだなあとそのとき思いました。

私はしおたんさんとは真逆で、70点を毎日積み重ねていきたいタイプです。

よく冗談で「私のnoteは工業製品だから」と話すのですが、同じ品質のものを安定して供給しつづけることを意識して毎日淡々と書いています。

性格的に自分一人では細かいところにこだわりきれないし、基本的にうっかりしているので抜け漏れも多く、時々理論が飛躍していることもある。

そういう70点しかとれないタイプの人間は、「スピード」と「安定供給」を武器にするしかない、というのが私の職業人としての哲学だからです。

でも、自分が工業製品側の人間だからこそ、今回久しぶりにアートの制作現場に触れて、とてもたくさんの刺激をいただきました。

伝統工芸の職人さんたちも、普段は日用品を黙々と作っていても、年に数回芸術品としての作品作りに没頭することで技術力を上げている、という話を聞いたことがあります。

同じように、今回「250点」の世界を見せてもらったことで、私の中の「70点」のレベルそのものが、底上げされたように思いました。

これだけの想いをこめて作り上げる大作は年に何本も出せるものではありませんが、時々はアーティスト型の人と組んで、「作品」をつくる経験も必要だなと感じた貴重な機会でした。

***

がんばって書いたから読んで
は、もう言わないと決めたけれど。

私としおたんさんの創意工夫のポイントを見つけるぞという意気込みで、ぜひもう一度記事を読み返してみてください。

そして、「書き手のため」ではなく「自分のため」に、記事そのものを咀嚼してほしい。

今回の記事は、PV数やシェア数だけではなく、「感動の一歩先」を作れるものだと自負しているので、読んでくださった方の人生が少しでも動くきっかけになることを祈っています。

いつか、この記事で人生が動いた!という人に出会えますように。

P.S.またしおたんさんに「ポエムや〜!」ってバカにされるな、この記事…。(笑)

(Photo by tomoko morishige

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最所あさみ

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「現場からは以上です。」マガジン内のnoteが100を超えたので、2ndマガジンを作りました。 「地域の魅力とITの力で小売はもっと面白くなる!」をモットーに働く中で感じたこと、考えたことを書き連ねていきます。 (photo by tomoko morishige)
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