イチローという生き方。そして、山本昌という生き方。

イチローといえば、野球好きでなくてもほとんどの人が知っているであろうレジェンド級の野球選手。

(画像出典:BASEBALL KING

朝カレーや試合前のルーティーンなど、野球ファンでなくてもイチローに関するエピソードはいくつも耳にしたことがあるのではないでしょうか。

彼の生き方や野球に向き合う哲学は数々の書籍で語られており、そのストイックさから「憧れの人はイチロー」という人もたくさんいます。

ひとつの道をトコトン極める求道者。

そのトップをひた走っているのがイチローという存在です。

長らく「プロといえば」の文脈で語られてきたイチローですが、これからは彼のような求道者タイプではない、パラレルキャリア的なプロも増えていくのではないかと感じています。

その筆頭が元・中日ドラゴンズの山本昌。

(画像出典:山本昌公式Twitter

山本昌といえばプロ野球ファンの中で彼のことを知らない人はいないというくらい有名な存在です。

彼のすごいところやエピソードは多々あるのですが、まずあげられるのは昨年50歳で引退するまで現役のピッチャーだったという衝撃。

まるっと30年、現役のプロ野球選手だったのです。
私の人生よりも昌さんのプロ野球人生の方が長い…。

それだけでも一記事使って紹介したいくらいなのに、さらにすごいのがラジコンもプロ級の腕前ということ。

お仕事のついでにでた大会でうっかり優勝しちゃうレベル。

それ以外にも競馬やクワガタ、ゲームなどプロ級の趣味をズラリともっている昌さん。

趣味の域を超えたハイレベルな腕前であることから、「山本昌の本業はラジコンなのではないか」「逆に野球は趣味なのではないか」と野球ファンの間で言われるほどです。

惜しまれながら昨年現役を引退してしまった昌さんですが、野球解説者としての仕事はもちろん、競馬やラジコンなどの仕事も次々とこなしているようで、もはや現役時代よりも今の方が忙しいのでは?と感じてしまいます。

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プロ野球選手といえば脇目もふらずに野球に打ち込み、人生のすべてをかけているようなイメージがあると思います。

選手として趣味の話を発信するのは憚られるような空気さえあるほど。

でも昌さん以外にも元・ダイエーホークスの城島健司が引退後に釣り番組でレギュラーをもっていたり、ヤンキースの田中将大がアイドルファンとしても有名でオフにはテレビにゲスト出演することもあるように、徐々に野球以外の「その人らしさ」も市民権を得つつあるように感じます。

そしてこの流れはきっと私たち一般人のキャリアにも広がっていく気がしています。

これからの私たちの人生は、もっと長くなっていく

現在の平均寿命は80歳前後で、定年は65歳前後です。

でも今20代の私たちが高齢者になるころには寿命も、現役の期間ももっと長くなるはず。

仮に定年が80歳まで伸びたとすると、60年は現役のビジネスパーソンとして働き続ける必要があります。

ただでさえ変化のスピードが上がっている今、60年もあれば産業構造自体が大きく変わってしまいます。

そんな中でひとつの道だけに依存して突き詰めても、50年も経てば何の役にも立たないスキルと化している可能性が高い。

イチロー並みに極めて鍛え上げても、もし野球という競技自体がなくなってしまったらどうしようもなくなってしまうんです。

そして実際に彼らは遅くても40歳ごろにその「野球をする」場所を奪われます。

第二の人生をどう切り開いていくか、そこではじめて現実に直面することも多いのが現実です。

これは私たちにも起こり得ることで、突然勤め先の経営が悪化したり、突然の国の規制が入ったり緩和されたりすることでルール自体が変わったり、ライバルが急増することもあります。

だからこそ複数の道を走らせておくというのは自分の道を守る重要な考え方なのだと思います。

そしてもうひとつ複数の道をもつことのメリットとして、結果としてどちらも長続きしやすいということがあげられると思います。

性格によるところもありますが、何十年もひとつのことを「突き詰める」というレベルで続けられる人はなかなかいません。

これは人の脳の構造として、飽きるように設計されているので仕方ないこと。

でも本業と別に突き詰めるものがあると、片方で行き詰まった時に気分転換できたり自信を回復させることができます。

そして何の分野であれトップレベルになると哲学が似てくるので、片方で学んだことを抽象化させてもう一方に落とし込むといったこともできます。

以前サッカー好きの人と「中村俊輔とイチローの書籍はほぼ同じことが書いてある」という話題で盛り上がったことがあるのですが、どの分野もトップランナーの哲学は汎用性が高くて他の分野でも生かせることが多いのです。

昌さんが30年の間現役として活躍できた要因は多々あれど、この気分転換の効果はかなり大きいのではないかと思っています。

それもただの趣味としてではなく、一人のプレイヤーとして真剣に取り組んできたからこそのもの。

これからはどんどん二兎を追っていくべきだと思います。

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日本人は職人的なプロ意識が好きな傾向があって、ひとつの分野にトコトン情熱を傾けることを美徳としがちです。

私自信もそういう職人気質の、自分の分野について何時間でも語れる人が大好きです。

でも実はよくよく聞いてみるとそういう人ほど、他の分野にも精通していることが多いのも事実です。

例えば私の大好きなさかなクンも、魚類学者としてだけでなくイラストもプロ級の腕前で、サックス奏者としてもかなりの腕前。

何かを突き詰める人というのは、あえて興味を分散させて別分野から得られた知見を生かすということが自然にできるものなのかもしれません。

ひとつの道を邁進する姿もめちゃくちゃかっこいい。

でも普通の人はひとつの分野だけに集中すると気持ちがもたないことの方が多いもの。

無理にイチローを目指そうとせず、昌さんのようなパラレルキャリアを作り上げる生き方も、これからの私たちに必要な姿勢なのかもしれません。

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最所あさみ

白球を追いかけて。

"野球"の面白さについて、女子的なきゃっきゃした視点とか突然ビジネスっぽい視点とかちょっとななめな感じからおとどけします
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コメント4件

素晴らしい記事ですね。
ありがとうございます😍
まったくの同感です。プロ野球選手のセカンドキャリアは深刻な問題です。
ありがとうございます!セカンドキャリア問題は、今後野球選手だけではなく一般のビジネスパーソンにとっても深刻な問題になっていくだろうなあと思っています。
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