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格差が広がる時代の闘い方

日本に限らず、世界的にも今後ますます格差が広がっていくと言われています。

富める者はますます富み、社会階層は固定されていく。
これは資本主義の悪い側面と言えるでしょう。

私は経済学には明るくないので今後世界経済がどうなっていくかはわかりませんが、身の回りを見るだけでもどんどん格差が広がっているように感じます。

特に洋服はこれからさらに厳しい時代になっていくように思います。

それはデザインや質を高めることでどうにかできるのものではありません。
社会的な構造の問題だからです。

格差が広がるということは、富を総取りしているほんの一握りの富裕層と今日明日を生きることにいっぱいいっぱいの大多数にはっきりわかれていくということです。

これまではほどほどの富裕層向けに成り立っていた商売も、ターゲットのパイは少しずつ小さくなっていきます。

全体で見た場合の富の総量は変わらない、もしくは増える可能性もあるけれど、それを持つ個体数が減るということは市場が小さくなることを意味するからです。

100億円もっている人が10人いても洋服は10人分しかいらないし、食事も最大で3食×10人分で30食が上限なのです。

つまりこれからは一部の富裕層向けに超ハイクラスなものを提供するか、とにかくコストを抑えてボリュームゾーンを狙うかしかないのだと思います。

ここ数年の間に百貨店が苦戦を強いられているのはまさにこの問題が大きく、ハイクラスな顧客にフォーカスするか大衆向けのロープライス商品に手を出すかという選択を迫られているような気がします。

おそらく今後はマルイ、ルミネなどの駅ビル系に入っているブランドも百貨店ブランドと同じ道を辿るはずですが、それは営業力や商品力で挽回できるものではありません。

「超ハイブランドを目指す」か「低コストでコスパのいいブランドを目指す」か。

今後のブランディングはこのどちらかをはっきり定めなければジリ貧になっていくばかりなのではないかと思います。

前者の「超ハイブランド」の傾向としては、百貨店の外商ビジネスの需要は今後も固いでしょうし、ハイブランドはもっとオートクチュールに力をいれていく可能性もあります。

逆に後者の「高コスパブランド」はNYを中心に盛り上がりを見せているWarby ParkerやEVERLANEのように、中間流通を徹底的に省くことでクオリティを担保したまま価格を下げて販売するブランドが世界的に増えていきそうです。

個人的には、アパレルの分野でもシェアリングが進めばまた違う方向が見えてくるかなとも思っていますが、現状の商慣習からパラダイムシフトが起きるのはまだまだ先かなという感覚なのでしばらくはこの流れが続いていくように思います。

自分たちのブランドは、どちらに向けて売っていくのか。

その決断如何によって、格差拡大社会での生き抜き方が大きく変わってくるように思います。

(Photo by tomoko morishige)
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私のnoteの表紙画像について書いた記事はこちら:人のフィルターを通して見る世界

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