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自慢は、不安の裏返し

「マウンティング」という言葉がある。
自分が相手より上だと暗にアピールする行動のことで、ネガティブな意味で使われることが多い。

マウンティングとは要するに、オブラートに包まれた自慢のことである。

ここ最近、自慢されるという状況に直面したことがなかったのだな、と気づいたのは久しぶりにマウンティングを目にしたから。

そして思ったのは、自慢は不安の裏返しだということである。

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年を重ねるごとに人との関係を友人に話さなくなったのは、自分の中に「不安」がなくなりつつあるからではないかと思っている。

大学生くらいまでは、人に話して確認しないと、自分の立ち位置がつかめなくて不安だったのだ。

私にはちゃんと価値があるよね?

自慢の裏側にはいつも、そんな不安な気持ちが隠されている。
愛されているか不安なとき、自分の価値に自信がないとき、私たちは人にお墨付きをもらうことで安心したくて、つい自慢を口にしてしまう。

だから私はいまだに、のろけを含む過度な自慢をする人のことは注意して見守るようにしている。

それはきっとその人なりのSOSで、人に話すことで自分を支えている状態は、遅かれ早かれ崩壊する。
そう遠くない未来に崩壊したとき、ちゃんと受け止めてあげられるように、私も覚悟を決めておく。
女の友情は脆いというけれど、「ただ、聞く」という役目は女同士にしかできないことだ。

自慢の皮をかぶった不安な気持ちも受け止める。
不安が現実になったとき、丸裸になったばかりのまだ柔らかい悲しみも受け止める。
それが女の友情というものだろう、と思う。

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人脈自慢も、経歴自慢も、すべては自信のなさのあらわれで、その人が何によって自分を保っているか、という話に他ならない。

もちろん「自慢」というのは受け手側の解釈によっても変わるもので、相手のコンプレックスを刺激してしまうと「自慢」と受け取られてしまうこともままある。

ただ、あとで自分の発言を振り返ってみて「私は不安を感じているらしいぞ」と発見することは、精神衛生のために大切なことではないかと思う。

「生きる」と「不安」は表裏一体で、一生付き合っていかねばならない人生の伴走者だからこそ、自分の不安とは常に向き合っていきたい。

無理に押し込めることなく、不安は不安のままで。
それこそが、不用意に自慢話を繰り返さずにすむ一番の方法なのかもしれない。

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(Photo by Kazuna.H

ラブグラフの応援も込めて、表紙写真にラブグラファーさんの写真を使用させていただくことになりました!写真使ってもいいよーという方はご連絡ください:)

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