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1を聞いて10を知る人は、もういらない。

優秀な人を表す言葉として「1を聞いて10を知る」というものがあります。

こちらの言いたいことのほんのさわりを話しただけで、すべてを汲み取って完璧に実行してくれる人。

これまではそうした相手のニーズにあわせていくことが優秀な人の条件だと言われてきました。

しかしAI、ビッグデータ、マシーンラーニングといったテクノロジーの進化はめざましく、もはや自ら調べようとしなくても勝手に予測して提案してくれるレベルにきています。

1を聞いて10を知る能力においては、人間よりも機械のほうが圧倒的に優秀な時代がもうすぐそこまできているのです。

人のニーズを予測して先回りすることはもう優位性として成り立たなくなっていく。

ではこれからの時代優秀といわれるのはどんな人なのだろう?と考えてみると、1のインプットに対して10をだすのではなく別の1をだしてくる人なのではないかと思います。

予測がつくことはテクノロジーで解決すればいいし、人間がつくった1を10、100と育てていくことはこれからさらに機械の得意なこととして加速していくはずです。

そして予測の精度があがればあがるほど、人は外れ値を求めるようになる。

セレンディピティのような、自分の想像の範囲になかった出会いを求めるようになると思うのです。

最近人と話していて感じるのは、お互いに「わかる!」「だよね〜」と共感できる人より「それはこうなんじゃない?」「こうしてみたらいんじゃない?」と的確なフィードバックをくれる人より、話してから数週間後に「こないだ話したことからインスパイアされてこんなもの作ってみたんだよね」という人が一番面白いし一緒にいたいと思う、ということ。

「私とあなた」の双方向の関係から発展して、全く新しいものを作り出せる人、さらに私にそうしたインスパイアを与えてくれる人こそが「面白い人」。

人に知的好奇心がある以上、まだ見ぬ世界や自分の範囲外にあるものに惹かれる性質は普遍的なものです。

そしてこれからは自分の予測がつくものはさらに最短で手に入るようになっていくからこそ、自分の頭の中になかった未知の世界を求める傾向が強まっていくのではないかと思うのです。

1を聞いて10を知るよりも、1を聞いて別の新しい1をつくる人へ。

これからはお互いをインスパイアしあえる関係こそが評価されるのではないかと思います。

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(Photo by tomoko morishige)

私のnoteの表紙画像について書いた記事はこちら。

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