見出し画像

「量産型」は悪なのか

こないだ街を歩いていたとき「今の人たち、全員同じ格好だったね…!」と盛り上がったことがありました。

それだけであればよくある話ですが、個人的に驚いたのは、同じ格好をしているのが男性だったことです。

少し前に流行った「量産型女子大生」ならぬ、「量産型おじさん」が増えているという確信が、そのとき私の中に生まれました。

白シャツ(or 白T)+ゆるめのジーンズ+黒縁めがね+ヒゲ(+ニット帽)というスタイルの人、よく見かけませんか?

スーツから解放されて服装が自由になったとはいえ、人はみんなと同じ格好をして安心したいものなのだなあと思います。

「量産型◯◯」というと揶揄するような言い回しになってしまいますが、私自身はあまりネガティブには捉えておらず、このもやもやをどう伝えたものか…とここ数日考えを巡らせていました。

そんなときちょうどアプリマーケティング研究所の「なぜ女子大生は「量産型化」してしまうのか? 元量産型の女子大生が語る、絶滅した「ガーリー型」の謎と、わたしが量産型になってしまうまで。」という記事を読み、自分の中で「量産型」に対してひとつの解が生まれました。

記事の中では、女子大生が量産化する理由について、インタビュー形式で説明されています。

とくに、大学生って「田舎から都会にでてくる人」も多いじゃないですか。すると、わたしのような田舎者は、すごく不安になるんですよね。「東京でバカにされないかな」って。
そういうときに「ダサくなりたくない!」と思って、ファッション雑誌とかに手を出すと、そこに「量産型ファッション」が載ってるわけです。
すると、一瞬で「量産型化」しますよね…。だから、本人たちは「量産型」になりたくてなってるわけじゃない。気づいたらなってるんですよ。

ファッションは、一番目に付きやすい「記号」です。

一人一人の内面を丁寧に見ている時間がない以上、見た目で判断されるのは仕方のないことなのです。

制服やスーツ、着物といったわかりやすい服装だけではなく、「CanCam OLっぽい」「VERY妻っぽい」服装も、その人のキャラクターを端的に表します。

私たちは普段、そうしたキャラクター性を踏まえた上で「どう見られたいのか」から逆算してファッションを選んでいます。

しかしそこで個性的な服装を選んでしまうと、内面にいたる前の段階で足切りされてしまう可能性が高い。

だからこそ人は無難な「量産型ファッション」を選んでしまうのだと思います。

つまり間口を広く取っておくために、最大公約数に受けるものを選びたいという意識が働いているのです。

以前「私に“美しさとはなにか”を教えてくれた、あの人のこと」という記事で、中原淳一のこんな言葉を紹介しました。

「身だしなみの本当の意味は、自分の醜い所を補って、自分の姿がいつも他の人々に快く感じられるように、他の人があなたを見る時に、明るくなごやかな気持ちになるためのものだということを忘れないで下さい。」

おしゃれであることは、必ずしも個性的であることとイコールではありません。

自分が主体的に選んだスタイルであれば、それが結果として周りと同じものであったとしても、自分の意思が反映された姿です。

他人の目を気にすると言うと悪い意味にとられがちですが、周りとうまく調和するというスタイルもファッションのひとつのあり方として評価されるべきだと思います。

いきなり個性を発揮しようと力むのではなく、周りにあわせたベーシックなスタイルを土台にしながら、少しずつ自分の本当に好きなものを選び取る訓練をしていく。

そうやって徐々に積み上げていくセンスこそが、結果的に個性につながるのではないかと思います。

つまり「量産型おじさん」の出現は、男性のおしゃれの土台ができつつあるということなのかもしれません。

「おしゃれな男性を増やしたい問題」の研究経過とあわせて、引き続き観察し続けていきたいと思います。

***

(Photo by tomoko morishige)

★noteの記事にする前のネタを、Twitterでつぶやいたりしています

★こちらの記事もあわせてどうぞ。

★私のnoteの表紙画像について書いた記事はこちら。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

いただいたサポートは、今後のnoteに生かすための経験や他のクリエイターさんたちへのサポートに回していきます!note内で優しい循環を回していきたい。

ありがとうございます。おかげさまで明日もnote更新がんばれます!!
37

最所あさみ

Retail Futurist / curator。「知性ある消費を作る」をミッションに掲げています。 将来は世界一の店舗メディアを作る予定。noteの有料マガジン「余談的小売文化論」とコミュニティマガジン「消費文化総研」もよろしくどうぞ!

これからの、小売の話をしよう。

ショップは、ただモノを"売る"だけの場所ではなくて。そしてお客様は"買ってくれる"だけの相手でもなくて。明日がくるのが楽しみになるような、そんなショップがそこら中にある世界について考えたことを書いていきます。 (photo by tomoko morishige)
3つ のマガジンに含まれています
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。