お店で写真を撮るということ
つい先日「えんとつ町のプペル展」に行ってきました。
そこで驚いたのは、「PHOTO OK」のサインが貼ってあったこと。
そしてその後行ったASOKOでも同じように「PHOTO OK」と書いてありました。
この2つの事例からもわかる通り、ここ数年の間でお店と写真を取り巻く環境が大きく変わったように感じます。
ほんの数年前までは、どのショップでもカメラの絵に「×」が書かれた「PHOTO NG」のサインばかりが溢れていました。
今でもほとんどの百貨店は店内撮影NGですし、セレクトショップや路面のブランド直営店も撮影を歓迎されてはいないと思います。
しかし前述の2つの例のように、感度が高いショップはむしろ「PHOTO OK」のサインをだして、写真を撮ることを奨励しています。
それは写真を撮ることはすなわちソーシャルに投稿することであり、無料で宣伝効果が得られるということだからです。
最近ではGoogle検索ではなくInstagramのハッシュタグ検索で行くお店を検索したり、行く前に雰囲気や料理の写真をチェックすることが主流になってきていますし、友人があげた写真で何回もブランドや商品を見ることで自動的に単純接触を増やす効果があります。
例えばASOKOであれば、ちょっとしたおもしろ雑貨で遊んでいる写真や「これかわいい〜」という写真がInstagramにアップされるだけで、その友人数百人にリーチして「そういえばこういうの欲しかったから今度原宿に行くときに寄ってみようかな」という"思い出し"につながります。
そういう意味ではアパレルこそもっと写真を奨励していくべきで、試着してみたコーディネート写真や「どっちがいいかな?」という写真をどんどんアップしてもらうべきだと思うのです。
とはいえ私も元小売側の人間なので、写真撮影を奨励することによるリスクもある程度理解できます。
盗撮との線引きや、撮影者以外のお客様からのクレーム対応などを考えるとお客様の年齢層が高い百貨店が写真撮影を奨励するのは難しいでしょう。
それでも近いうちに撮影を許容せざるをえないタイミングがくるような気がしています。
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「えんとつ町のプペル展」を見た後、店内での撮影について考えながらずっと行ってみたかったBar bossaに行ってふと気付いたのは、写真を撮りづらい雰囲気を作るのは可能だということ。
お店自体が暗いので撮りづらいというのもありますが、かかっている音楽や周りのお客さんの雰囲気から「そういうんじゃない」感があり、そういえば写真を撮っていなかった!と友人たちと別れてから気づきました。
私はバーに行ったことはほとんどありませんが、バータイムに近い時間のホテルのラウンジやカフェは、昼間に女子大生たちがキャッキャしながらアフタヌーンティーを楽しんでいるときにはない大人の時間が流れていて、それはそれで写真を撮るような雰囲気ではなかったことを思い出しました。
写真を撮ること自体が悪いわけではないけれど、そういう「外とのつながり」を遮断された大人の社交場の雰囲気もやっぱり大切にしたいもの。
そのためには声高に「うちは写真NGです」と主張するのではなく、空間の演出によって「そういうんじゃない」感を醸し出すのがスマートなやり方なのではないかと思います。
そしてそういう写真が撮りづらいお店はSNSで広げていくことができないので、こうして文章で「とてもいいお店だった!」と伝えて回ることで少しでもお店が長く続くお手伝いができたらいいな、なんて思ったりしました。
大人がゆったりと楽しめる素敵なお店だったので、禁酒期間が終わったらぜひワインも楽しみに行きたいと思います。
(ノンアルコールでも季節のカクテルをアルコール抜きで作っていただけて、これもとってもおいしかったのでまた近々伺いたいと思います)
(Photo by tomoko morishige)
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私のnoteの表紙画像について書いた記事はこちら:人のフィルターを通して見る世界
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